学校長挨拶


しなやかに、誰もが育み合う
 年度の初めにあたり、皆さんと大切にしていきたいことを話します。
 東安中学校の校訓「自主・連帯」、学校の教育目標「心豊かで たくましい生徒」。これについては、昨年もいろいろな場面で話してきました。また、これまで多くの先輩方が大切にされてきた東安中学校の目標です。この学校の教育目標を達成するために、今年も生徒の皆さんと先生方で、「しなやかに 誰もが育み合える学校」を目指していきたいと思っています。
 皆さんは「しなやか」をどう捉えていますか。やわらかい・頼りないイメージではなく、私は、「しなやかさ」こそ、真の強さであり、これからの世の中を生きぬいていくために、大切なことだと伝えてきたつもりです。
 「しなやかに生きる力」とは、「柔軟性があり、状況変化に応じて、臨機応変に対応できる力。自分の考えを持ちながらも、その考えに固執(こしつ)することなく、多くの選択肢の中から、状況に適した行動を選択できる力。受け身ではなく、能動的な行動力がある。」と、言われています。義務教育の最後の中学校生活3年間で、その後の世界で生きていく力を身に付けてほしいと願っています。
 人は一人では生きていけません。そして、自分の考えや思いが仲間といつも同じだとは限りません。だからこそ、周りの人やその場の環境と関わり合って成長できます。また、目指す物を明確にし、努力し続けてほしいと期待していますが、その成果はすぐ表れるとも限りません。そんなとき、柔軟さがあれば、逆境に耐える強さとともにうまく向き合える強さをもって立ち向かうことができます。そして、自分の目指す方向へまっすぐ伸びていくことのできる人になってほしいのです。
 また、「誰もが育み合える」とは、仲間とともに誰も置き去りにせずに、一緒に成長していく集団となりたい、という願いを込めています。相手の立場になって考えること、相手の言葉を傾聴すること、受け止めること、困っている人に手をさしのべること、などの「思いやり」と言い換えることもできるでしょう。失敗しそうな仲間に、それは違う、と言うことも大切な「思いやり」です。自分一人ではできないこと、自分一人では到達できないことを、仲間の存在ができるようにしてくれます。
 この力を発揮させる場面を、具体的な重点として4つ掲げています。
 1つめは、誰一人置いていかない、小集団の学び合い
 2つめは、誰一人あきらめない、学級づくり、仲間づくり
 3つめは、しなやかな」感性を育む、豊かな心づくり
 4つめは、自分たちの学校は自分たちでよくする、誇りと自信に満ちた自治活動  です。
 しなやかに育み合う集団になることで、皆さんなら、きっと本校の学校教育目標「心豊かで、たくましい生徒」の達成に近づくことができると確信しています。皆さんと先生方と、保護者の方と、地域の皆さんと、みんなで東安中学校をよりよい学校にしていきたいと思っています。共に頑張りましょう。これからの皆さんの姿に期待しています。
(令和7年4月7日 始業式 校長式辞より)

大垣市・安八郡安八町組合立東安中学校長
辻村 由香里――――――――――