BLUE SPIRITS (BLUE NOTE)

FREDDIE HUBBARD (1965/2/19,26 , 1966/3/5)

BLUE SPIRITS


【パーソネル】

FREDDIE HUBBARD (tp)
<#1-2>
JAMES SPAULDING (as,fl) JOE HENDERSON (ts) KIAZE ZAWADI (eupnonium)
HAROLD MABERN JR. (p) LARRY RIDLEY (b) CLIFFORD JARVIS (bs)
BIG BLACK (conga)
<#3-5>
JAMES SPAULDING (as,fl) HANK MOBLEY (ts) KIAZE ZAWADI (eupnonium)
McCOY TYNER (p) BOB CRANSHAW (b) PETE LA ROCA (bs)
<#6-7>
JOE HENDERSON (ts) HOSEA TAYLOR (bassoon)
HERBIE HANCOCK (p,celeste) REGGIE WORKMAN (b) ELVIN JONES (bs)

【収録曲】

(01-02) SOUL SURGE / CUNGA BLACK
(03-05) OUTER FORCES / BLUE SPIRITS / JODO
(06-07) THE MELTING POT / TRUE COLORS

【解説】 (2009年11月08日更新)

 小松ちゃうな〜、デートに誘われた♪…ということで、小松に行ってきました。 いや、デートに誘われたわけでなく、自発的に行くことにしただけなんですが、目的は11月1日に小松基地で行なわれる航空祭であります。 いいですよね、航空祭。少なくとも “ウンコ臭い” よりはソソられるものがあるんですが、ただ、メチャ混みするのがちょっとネックだったりします。イベントに合わせて臨時駐車場が設けられたり、シャトルバスが走ったりするんですが、それがまともに機能しないくらいの混雑ぶりだったりするようです。そこで今回、前日のうちに小松入りして、臨時でないコイン駐車場にクルマをとめて、翌日は折り畳み自転車@さばりん号で基地に行くという作戦を立てたんですが、とまあそんなことで、土曜日の朝、9時半ごろに小松駅付近に到着しました。詳しくは、ま、 ここ の動画を見て貰うとして、駐車場、余裕でありました。 結果からすると、夕方の5時を過ぎても駅前の駐車場にはまだ空きがあったので、何もこんな朝早くから小松入りする必要もなかったんですが、朝早く着いてしまった以上は、どこかで暇を潰さなければなりません。時間を潰す方策として、僕は2つのプランを練っていました。

 (プラン1) ブルーインパルスの予行を見る。

 (プラン2) 近隣の観光地を散策する。

 ブルーインパルスの演技は航空祭の前日にも見れるというのを知ってましたか? 僕は知りませんでした。 が、最近になって知りました。情報源は2ちゃんねるの航空祭スレなんですが、何でも “予行” というのが行なわれるんだそうで。 本番と同じ演技が行なわれるので、基地外なら十分に楽しめるようです。ここでいう “基地外” というのは2ちゃん語の “基地外” ではなく、 文字通り “基地の外” という意味なんですが、基地の中には入れないものの、外から見ればいいというワケですな。 浜松のモザカルのブルー は、今ひとつ消化不良に終わったし、うなわさ丼と浜松餃子を食べた後で “名物うなさんらいす” を買ったら、こちらもやや消化不良だったし(←食い過ぎ)、小牧の航空祭のブルー は地上展示だけだったし、今度こそじっくり堪能したいところなんですが、本番でブルーを最後まで見ていると、半端でない混雑に巻き込まれますからね。今回は予行だけで我慢するというのも、ひとつの手です。 が、今回は折り畳み自転車があるので、本番でブルーを最後まで見ても、何とかなるような気がしないでもありません。 となれば、わざわざ予行など見る必要もなくて、そういうことなら近隣の観光地を巡ってみたいような気もします。わざわざ小松まで来て、飛行機だけ見て帰るというのも、ちょっとアレですしねー。 で、いろいろ調べてみたところ、加賀温泉駅から キャン・バス というのが出ているのが判明しました。いいですよね、キャン・バス。 何となく、キャピキャピな女子大生がいっぱい乗ってそうな感じぃ?

 加賀温泉付近の観光施設は、何だか微妙なのが多かったりするんですが、 ハニベ厳窟院 とか、どうなんすかね? ゆのくにの森 とか、加賀藩文化村 とかも、激しく訴えかけてくるものはないし、 日本自動車博物館 も、うーん…。 そんな中、僕がちょっとソソられたのが 那谷寺 というところなんですが、10月末ではまだ紅葉には早いかも知れませんが、奇岩遊仙境もあるし、国指定重要文化財の建物も多いし、プチ清水の舞台みたいなのもあるし、 「いい旅夢気分」大島さと子、松金よね子、きよ彦も訪れた みたいだし、ちょっとよさそう? で、キャン・バスは1日1000円で乗り放題なので、もっと無駄に乗り放題しないと元が取れないんですが、前から一度行きたいと思っていた 尼御前岬 に足を延ばすというのもいいですなー。夕日の落ちる時間とか、特によさそうです。 夕日と言えば ここ で検証して、結局はやめた “柴山潟” にも行ってみたいところですが、尼御前岬で夕日を見た時点で太陽は没してしまうことになるような気もするので、今回はライトアップされた大噴水でも眺めるとしますかね? これはもう、小松駅前にクルマを止めて、電車に乗って加賀温泉駅まで行って、キャン・バスに乗って、女子大生と一緒に名所巡り。 もう、それしかありませんなー。 いや、きよ彦みたいなオッサンしか乗ってないような気もするんですけどね、キャン・バス。


<尼御前岬&石川県立航空プラザ> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 …と、ほとんど気分は (プラン2) で固まっていたんですが、現地に近付いた時点で、気が変わりました。 まず、小松に着く前に、いきなり尼御前岬に行ってしまいました。 ここ、何もキャン・バスなどに乗らなくても、北陸自動車道の尼御前SA (下り線) にクルマを止めて、そこから歩いて散策に行けるんですよねー。 んなところを暢気に歩いている間に小松駅前の駐車場が満車になったら、どうする?…という懸念があったので、どこにも寄り道せずに直行する予定だったんですが、ま、いっかぁ。…と思って、寄り道することにしました。 結果、少しくらい到着が遅れても駐車場は余裕で空いていたので大正解だったんですが、尼御前岬そのものはハズレでした。 思ったよりも、かなりショボかったです。 東尋坊のようなスケールを期待していたんですが、ま、せいぜい、ヤン坊? マー坊にも負けてるやん!…といった感じだったんですが、ま、どちらも似たようなものなんですけどね、ヤン坊、マー坊。 がけ崩れで遊歩道が通行止めになっていたのが痛いんですが、ほとんど遊歩出来ないような道になってましたからなぁ。ピンクレディの 「ゆっほぉ♪」も踊れそうになかったしー。  草がボーボーに生えていたのも、ちょっとイメージとは違ったんですが、ま、ぐるっと回って海岸のようなところに出たところから眺めた景色 (←写真・上から2番目) は、まずまずだったんですけどー。 釣りをしているオッサンがどこから侵入したのか、ちょっと気になるところなんですが、わざわざ夕日の見るだけのために、再訪するほどの所でもねーな。…という気がしたので、この時点でキャン・バス案は消えました。 航空祭の当日は晴のち雨という予報で、午後からはちょっとヤバそうなので、今日のうちにブルーの予行を押さえておいたほうが賢明ではないかと思われます。

 予行も本番も同じタイムスケジュールで行なわれるみたいなので、となるとブルーが飛ぶのは1時過ぎですかね? とりあえず小松駅前にクルマを止めて、折り畳まれていた折り畳み自転車を取り出し、折り目をほどいて小松空港方面に向かうことにしたんですが、予行まではまだ、たっぷり時間がありますな。 そこで、近くにある 石川県立航空プラザ というところを覗いてみることにしました。オフィシャルサイトの地味さからして、あまり多くのモノは期待していなかったんですが、いや、意外とよかったです。目で見て、耳で聞いて、手でさわって航空文化を体験できる施設をめざしています。…と書かれておりますが、確かに展示されている飛行機は、おさわりし放題♪ 写真にも、いやらしくT−2ブルーにタッチするオッサンが写っておりますなー。 服の一部が切り取られて大切な部分が丸見えになっちゃったりしているし、好きモノには、もう、たまらんっ♪ “珍機ヒマラヤ号” なども展示されていて、ヨードチンキ好きの僕としても、たまらんっ♪ あとは玉虫型飛行器の復元模型なんてのがありましたが、これはアレです。二宮忠八クンが、薪を背負いながら本を読んで発明した日本初の人力飛行機です。詳しい話は面倒なので省きますが、とまあそんなことで、航空プラザは以上です。


<小松空港&安宅の関> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ブルーの飛行まではまだ時間があるので、 小松空港 も覗いてみました。 展望デッキを覗いてみたんですが、ちっとも展望出来んやん!…と言いたくなるような盛況ぶりでありますな。フェンスも高いし、「受験生ブルース」 は高石 (←ともや) 、写真撮影には不向きだし、 「ザザンボ」 は渡辺文樹だし、ところどろこに覗き穴はあるようですが、無論、穴には既に人がたかっているしー。 ということで、小松空港は以上です。 で、ブルーの予行も終わったので、最後に 安宅の関 に行ってみました。 学のあることでは定評のある僕も、最初は 「あんたく…の、せき?」 と、正しく読むことが出来なかったんですが、 “安宅” と書いて “あたか” と読むんですなー。勉強になりました。 で、安宅の関と言えば、 「勧進帳」 です。 僕はよく知らなかったんですが、そういうことになっているらしいです。 で、勧進帳と言えば源義経と弁慶なんですが、弁慶と言えば泣き所ですよねー。 何だかよく分からんのですが、とりあえず行ってみたら 安宅住吉神社 というのがありました。中に入ったら巫女さんに声を掛けられました。 「安宅の関についてのご説明があるんですが、いかがですかぁ?」 と、にっこり笑いかけられたんですが、不意をつかれてドギマギしちゃったマギー司郎。…みたいになってしまって、 「え? あ、いいですぅ。」 と、お断りしてしまいました。 後から見たら、当社では、巫女のガイドによる安宅住吉神社、安宅の関のご説明を行っております。(無料) と書かれていたんですが、あ、巫女さん自らご説明してくださるイベントで、しかも無料だったんですかぁ。 巫女さんに釣られて入ると、中から怖いお兄さんが出てきて、法外な説明代をぼったくられるという、そういうアレかと思っておりました。惜しいことをしましたなぁ。。。そうとも知らず、足早に神社を通り抜けて、義経と弁慶と富樫 (←誰?) の写真を撮ったりして、そのまま帰ってしまったんですが、像の下には 「勇仁智」 などと書かれておりますな。 “ゆうじんち” と読むんだと思いますが、これはアレですね。鶏の唐揚げを切って甘辛いタレを絡めた食い物ですよね。 …って、それは “ユーリンチー (油淋鶏) ” やがな!

 ということで、安宅の関は、おしまい。


<ブルーインパルス予行> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 先ほど、さらっと流してしまいましたが、最後はやはり、ブルーインパルスで締めておきましょう。 予行は基地外でしか見れないので、どこから見ればいいのかちょっと悩んだんですが、地図で見る限り、 浮柳グラウンド がよさそう? ソフトボール1面って、観光施設としては、まったくソソられるものが無いんですが、“うきやなぎ” って、ネーミング的にはちょっぴりウキウキ出来そうです。 行ってみたら付近は微妙に林間公園っぽくなっていたりして、自転車を止めるには好都合でした。クルマもたくさん止まっていて、カメラを持った人もたくさんいました。みんな、ブルー待ち? 意外と “予行” って、知られているものなんですなー。 最初、ちょっとした川の土手っぽいところに陣取ったんですが、もうちょっと空港に近いほうがいいかな?…という気がしたので、少し移動しました。 その経緯は この地図 を見て貰うとして、今から思えばこれ、滑走路にいちばん近いベスト・ポジションだったようです。どうりで一眼レフに大玉を付けたヲタっぽい兄ちゃんやオッサンで溢れかえっていた筈です。小玉スイカくらいのレンズしか持ってない僕はちょっと気が引けたんですが、でもちゃんと、レシーバー (← ここ 参照 ) だって持ってんだかんな!舐めんなよ!…とばかりに、颯爽と耳にイヤホンを突っ込んでみたりしたんですが、んー、何にも聞こえん。。。 小牧基地の航空祭では、何を言ってるのかはさっぱり分からなかったものの、一応、ちゃんと受信は出来たんですが、今回はまったくと言っていいほど、何にも入らん。。。 ミニアンテナ (← ここ 参照 ) だと、基地外では駄目なんすかね??? 外と言っても1キロも離れてない筈なんですけどねぇ。。。 予行だと場内アナウンスも何もないので、状況がよく分からないまま、ブルーが飛ぶ筈の午後1時過ぎを迎えたんですが、ん? 飛ぶ気配、まったく無し? 予行があるって、もしかして、ガセだったとか…!?

 不安な気持ちのまま、30分ほどが経過したでしょうか? するとその時、あっちのほうから編隊を組んで飛んでくるブルーの姿が! おおっ♪ 後から2ちゃんねるの航空祭スレを見たら、どうやら “おじゃる (JAL?) ” がプッシュバック中とやらで、なかなかブルーが上がれなかったようなんですが、無線さえちゃんと聞ければ、そういう状況もリアルタイムで把握出来たんでしょうけどねぇ。 “VR-150” のアホー! こんなことなら “鳴物入” にしておけばよかったですなぁ。 アレなら端からぜんぜん駄目なので、諦めも付くんですけどねぇ。。。 ま、開始が遅れこそすれ、無事に飛んでくれて何よりなんですが、やっぱりブルーはカッコいいですにゃ♪ 特にスモークがイケてます。 ブルーのスモークなら、燻製にされてもいいっ♪…という気がするほどなんですが、いや、予行でもモザカルの時の展示飛行より、よっぽど充実していたのではなかろうかと。 2ちゃんねるでの評価は、さほど高くはなかったんですけどね。 出だしが遅れても終了時刻は決められているので、いくつかの演技を残したまま時間切れになっちゃったみたいです。 “おじゃる” に対する罵倒で満ち溢れておりましたが、 バーティカルキューピット (←広角レンズの用意が無く、自前の写真は無し) も見れたので、満足〜♪

 とまあそんなことで、安宅の関を見て、ホテルに戻って、カレーを食って、温泉に入って、チューハイを飲んで、すけべビデオを見ていたら途中で眠くなったので、航空祭 (本番) のお話は、また来週♪

 ということで、今日はフレディ・ハバードなんですが、日本ハム、負けちゃいましたなぁ。。。(←11月7日午後9時20分現在。) ガックリして、ちょっぴり気分がブルーになっちゃいましたが、気を取り直して 『ブルー・スピリッツ』 、いっちゃいましょう。 前半の締めはブルーインパルスだったし、今の気分にぴったりのチョイスだと思うんですが、個人的にはチョイスよりもハーバードのほうが好きなんですけどね。…と思っていたら、もう売っていないんですな、森永のハーバード。 白と黒とがあって、僕は黒のほうが好きだったんですが、一般的な子供はみんなそうだったと思います。 何か嫌ですもんね、チョイス好きの子供。 クリームの入ってないビスケットが好きなんて、子供の癖に生意気だぞ!…と、学校でいじめられる恐れもあります。 「チョイス」 というあだ名だって付けられちゃうに違いありません。嘘でも、黒のハーバードが好きだと言っておいたほうが得策だと思うんですが、で、このアルバム、2つ+1つのセッションから成り立っているんですな。 まずはジョー・ヘンダーソンジェームス・スポールディングの2サックスに、ユーフォニュームという楽器が入るバージョン。 ピアノはハロルド・メイバーンで、余興要員としてコンガが加わったりしております。 続いては、テナーがジョー・ヘンからハンク・モブレイに、ピアノがメイバーンからマッコイ・タイナーに変わって、コンガが抜けるという編成。ベーシストやドラマーにも変動があるようですが、で、最後にCDオマケ曲が2つ。 ジョー・ヘンが復帰、スポールディングが撤退。 で、ユーフォニュームの替わりにバスーンが入ります。 でもって、ピアノはハービー・ハンコックでありますか。 オマケにしておくのが勿体ないような豪華メンバーでありまして、大いに期待が持てるところでありますが、ということで、では聴いてみましょうかぁ。

 まずは1曲目。僕の持ってるCDは輸入盤なんですが、ガイジンというのは平気でオリジナルの曲順をいじくったりしますからな。 果たしてこれが正規の順番なのかどうかは定かでありませんが、とりあえず 「ソウル・セージ」 。 いいですよね、 「ソウル・セージ」 。 とっても腸詰めで、美味しいです。…って、それは 「ソーセージ」 やがな! …と、ボケをかますことが出来るところが、いいと思います。 11月8日午前7時6分現在、徐々に日ハム敗戦のショックから立ち直りつつあるんですが、 「声援ありがとうセール」 で日ハムのソーセージが安くなれば、それでいいです。美味しいですもんね、シャウエッセン。 「ジャイアンツ日本一おめでとうセール」 で伊藤ハム (←オフィシャル・スポンサーらしい) のソーセージも安くなるだろうし、とまあそんなことで、 「ソウル・セージ」 です。 …と、ここまで書いて気が付いたんですが、 「SOUL SURGE」 だからもしかして、「ソウル・サージ」 ですかね? 今さら取り返しが付かないので、今後、曲名に関する話は無かったことにしておきますが、3つあるセッションのうち、キアネ・ザワディ (?) のユーフォニュームが入っている奴でありますな。 どういう楽器なのか、以前にも調べたことがあるような気もするんですが、忘れてしまったので改めて調べてみました。なるほど、 こういう楽器 なんですな。チューバの小型版といった感じ? 聞いてみた感じ、音的にはトロンボーンに類似しているような気がします。マリオとルイージと同じくらい類似してます。 で、曲のほうはアレです。余興要員としてビッグ・ブラックのコンガが入っているのもあって、やや軽めです。カルメ焼きほどではないが、カルメン・マキよりは軽め。ん〜♪ そういったところでしょうか? ゆったりしたテンポで、ソウル臭の強い仕上がりになっているんですが、4管のハモリ具合が、ちょっぴりモーダルな雰囲気も醸し出す鴨志田くん。そういった側面もあったりします。 で、ソロ先発はハバードなんですが、前半はホーン・アンサンブルを従え、後半はリズム・セクションだけをバックに、いずれも余裕のあるフレージングで大人のプレイを聞かせてくれます。 で、続いてはスポールディングのアルト・ソロですか。 この人の変態的なフレージングは好き嫌いの評価が分かれるところなんですが、ここではいい具合にアンサンブルが絡んでくることもあって、さそど毛嫌いされるに済みそうな気がします。 以下、ジョー・ヘン、ハロルド・メイバーンが各自、持ち味を発揮したホッケ。…といったプレイを披露して、ピアノで弾かれる主旋律をバックに、ビッグ・ブラックのコンガがフィーチャーされるパートもあったりして、ということで、テーマに戻って、おしまい。 ま、よかったんじゃないでしょうか。

 で、2曲目です。このアルバムはすべてハバードのオリジナルで占められているんですが、 「コンガ・ブラック」 でありますか。いかにもこう、ビック・ブラックのコンガをフィーチャーするぜ!…という気概が感じられるタイトルなんですが、危害を加えられない限り、気概があるのはいいことだと思います。 個人的にコンガって、ちょっぴり軽薄なイメージがあって、さほど好きではないんですが、 “魂餓” と漢字で書くと、ちょっぴり “族” っぽくて悪くないですけどね。 で、これ、複雑なメロディを持った、なかなかの佳作でありまして、コンガも無駄に前面には出てこないので、概ね大丈夫です。 ハバードのヒップなソロに続いて飛び出すスポールディングのフルートが、やや失笑モノなんですが、傍から見てると笑える水中クンバカも、本人は真剣ですからね。 いや、“失笑” と書いたところでふと、 シッシャ長谷川くんの顔が浮かんでしまったんですが、続くジョーヘンのソロは、ウネウネ感が最高にグルービィ。 ハロルド・メイバーンも、この手のジャズ・ロック調のナンバーでは独特の味を発揮しますよね。ホッキ貝の味とでもいいましょうか? 僕はあまり貝類が好きではないので、ホッキ貝の味というのも今ひとつよく分からんのですが、続くラリー・リドレイのベース・ソロが、なかなか渋くて、いいです。 で、最後、コンガが思い切りフィーチャーされるのかと思ったら、そのままテーマに戻って、終わってしまったんですが、それはそれで賢明だったと思います。思ったよりも真摯な演奏だった紳士服のコナカ。 そういった1曲でありました。

 で、次。  「アウター・フォーセズ」 。 メンバーが変わって、ジョーヘンが抜けることになります。 その代役がハンク・モブレイって、このメンバーの中では、ちょっと浮いちゃうんじゃないか?…と懸念されるんですが、麻原彰晃も空中浮遊で、めっちゃ浮いてましたしね。 ま、よく浮遊してたのはアニメだけで、実写版ではさっぱりだったんですが、で、これ、イントロはかなりフリーな気配が漂ったりしておりますな。 ま、テーマに入ると、それなりにオーソドックスだったりするんですが、いきなり飛び出すスポールディングは、ちょっとイッちゃってます。 ここからアドリブ・パートか?…と思ったら、まだテーマが続いていたんですが、で、そのうち、ハバードのソロが始まることになります。 前曲までのほのぼのムードから一転、ピリピリした非ピリン系。…といった前衛的な吹きっぷりなんですが、あ、非ピリン系はピリンを否定しているわけなので、ピリピリはしないんですかね? ま、いずれにしろ、かなり気合の入ったプレイでありまして、そのスピリッツは続くスポールディングにも受け継がれております。 この人、見た目がお茶の水博士だとよく言われるんですが、好き嫌いは別にして、個性という点では際立ったものがありますよね。 ある意味、立派だと思います。クッパよりも立派です。しばしばピーチ姫をさらい、キノコ王国の平和を乱し、大勢の部下と共に暴挙を繰り返したりしますからね、クッパ。 で、続いては問題のモブレイ君でありますかぁ。 案の定、気合が空回りして、やや周囲から浮いてる感があるんですが、ま、彼は彼なりにカレー鍋。 そういったレベルは維持していると思います。 続くマッコイは、いいです。 ハバードと言えば、ハービーやろ?…という気がするんですが、マッコイだって悪くありません。 タイコがピート・ラ・ロカなのも、トニー・ウイリアムスやエルビン・ジョーンズとは一味違って、ちょっぴり新鮮。  とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、4曲目です。アルバム・タイトル曲の 「ブルー・スピリッツ」 。 重厚な4管アンサンブルが心に染みる、スピリチュアルな作品です。 バラード?…と思わせておいて、軽めのミディアムに転じるんですが、テーマ部ではジェームス・スポールディングのフルートがいい味を出しておりますな。 やればできる子だったんですな、ジェー・スポくん。 で、ソロ・パートではリーダーのフレディ・ハバードの出来が群を抜いて、抜群です。 破綻のないフレーズの連続で、安心感と安定感のある安めぐみ。 そういったプレイを聴かせてくれます。 ややもすればテクニックに走りがちなキャラなんですが、ツボにはまった時の彼は、つぼ八。 居酒屋業界でそう呼ばれているのも、頷けます。 以下、ジェー・スポのフルート、モブレイのテナーと続くんですが、ここでのモブレイは変に気合が入り過ぎることもなく、自然体を貫いていて、んー、まあまあ? で、続くマッコイのピアノはさすがですな。 ブルーでスピリッツな曲調に、ぴったりマッチしたソロを披露してくれます。 おかげで、アドリブ・パートからテーマに戻る流れが極めてナチュラルだったりするんですが、とまあそんなことで、おしまい。

 で、次。 「ジョド」 。 タイトルは 「浄土」 の意味です。 日本は冬にも野菜が獲れるので、浄土に違いない。 ハバード本人がそんなワケのわからん発言をしているのを何かで読んだ記憶があるので、間違いありません。 冬に野菜が撮れて浄土なら、浄土真宗大谷派も苦労はないんでしょうが、 「浄土」 だからと言って、変に東洋趣味に走るでなく、普通にいい感じの曲なのは、何よりだと思います。 ガイジンの日本趣味って、ハズしますからねー。 ハバードの 「JODO」 は基本、同じ音の並びが上下にスライドするだけのシンプルな作りなんですが、そこのところがモーダルで、カッコいい♪…と、僕は思います。 ハバードのソロも完璧ですな。 途中でホーンのアンサンブルが被ってくるあたりは、60年代ジャズ・メッセンジャーズの香りがするし、以下、スポールディング、モブレイと、ま、彼らなりに持ち味を発揮したプレイを展開しております。 マッコイのソロの後、最後はラ・ロカが締めて、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ここまでで結構、おなか一杯だったりするんですが、まだCDオマケが2曲あります。 うなわさ丼と浜松餃子の後で “名物うなさんらいす” を買っちゃった気分なんですが、今度はハービー入りですからね。オマケだからと言って、あだやおろそかには出来ません。 でもまあ、所詮はCDオマケなので、軽く流しておこうと思うんですが、まずはえーと、 「ザ・メルティング・ポット」 ですか。日本語にすると 「ザ・るつぼ」 ですな。アメリカは人種のるつぼ。…とか言う時の “るつぼ” ですな。 “どつぼ” ではありません。 “つぼ八” とも違います。 るつぼ。漢字で書くと “坩堝” 。 うつぼ。漢字で書くと “?” 。 パソコンでは出ません。パソコンで出るだけ、まだ坩堝のほうがマシなんですが、理化学実験や鉱工業において、高熱を利用して物質の溶融・合成を行う際に使用する湯のみ状の耐熱容器。 なるほど、まさしく “MELTING POT” ですな。  で、曲のほうはというと、アレです。 坩堝らしく、なかなかいい感じです。少なくとも “痰つぼ” よりは、いいです。 比較する対象が間違っているような気もするんですが、ハバード作ながら、何となくジョー・ヘンっぽい雰囲気があったりしますよね。 ユーフォニュームに変わる新・地味楽器のバスーンは、ほとんど存在感がなかったりするんですが、ソロ・パートは tp→ts→p の順ですな。 正直、フロント陣はいずれも期待したほど突出した出来では無かったんですが、ハービーは、ま、健闘していたと思います。 でもって、テーマに戻って、おしまい。

 で、ラストです。 「トゥルー・カラーズ」 。 「真実の色」 ? …と思いつつ翻訳サイトに掛けてみたら 「正体」 という訳語が出て、ちょっと意外だったんですが、ここでのハービーはチェレスタを弾いております。 で、それが思いっきり、ヘンです。 チェレスタというのは概ね、ノスタルジックな雰囲気を醸し出すのに使われる道具なんですが、こんなに前衛的になったりもするんですな。全体的な演奏もフリー系と言ってよく、フリチンが決して嫌いではない僕としても、ちょっとツラかったっす。 あ、バスーン、今度はちゃんとソロでフィーチャーされておりますな。めっちゃ意味不明なんですけど。 とまあそんなことで、今日のところは、おしまい♪

【総合評価】

 オマケの2曲は無くてもよかった気がするんですが、本編の5曲は、よかったです。 コンガ入りの2曲は、やや軽めな仕上がり。 残る3曲は斬新もしくは重厚で、メリハリがあってよかったです。何だかひさしぶりに “めはり寿司” が食べたくなった、そんな1枚なのでありました。


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