THE MANGIONE BROTHERS SEXTET (RIVERSIDE)

THE JAZZ BROTHERS (1960/8/29)

THE JAZZ BROTHERS


【パーソネル】

CHUCK MANGIONE (tp) LARRY COMBS (as) SAL NISTICO (ts)
GAP MANGIONE (p) BILL SAUNDERS (b) ROY McCURDY (bs)

【収録曲】

(01-03) SOMETHING DIFFERENT / SECRET LOVE / ALICE
(04-05) ATRUTTIN' WITH SANDRA / NEMESIS
(06-07) THE GAP / GIRL OF MY DREAMS

【解説】 (2009年10月11日更新)

 よく調べもせずに Amazon で VR-150 というワイドバンドレコーダを買ったんですが、僕は今、ちょっと後悔しております。アイコムの IC-R5 は、操作性にちょっと癖が有ると書いてあったのでヤメにしたんですが、いろいろ調べてみると、こっちのほうが評判よさそうなんですよねー。 僕の買った受信機はどうも、 “空線スケルチ” に弱いらしいです。 “スケルチ” が “透ける乳” の略では無いことが判明した今となっては、個人的にはどうでもいい機能のように思えるんですが、鉄道無線好きには、かなり問題があるようです。 性能や機能の点では、電池の持ちが悪い点を除けば、すべて “IC-R5” の勝ち!…などと断言するヤツもいたりして、いいんだ、別に性能が悪くたって。。。電池さえ長持ちしてくれれば。。。 桑名の “安永餅” と四日市の “なが餅” では、どっちがエライか?…という話なら、僕は断然 “安永餅派” だったりするんですが、電池は普通に “長持ち” でいいと思います。 性能や機能が劣ると言われても比べなければよく分からないし、今のところ “VR-150” でも特に不満は無いんですが、ただよく調べずに Amazon で買っちゃったのは失敗でした。 Amazon なら間違いなく正しい受信機が届くだろうと踏んだんですが、送られてきたモノは、あまりにも正し過ぎました。 “Jマーク付き” の純正品だったんですよね、これが。 Jマークというのはアマチュア無線機器工業会というところが自主規制適合品に付与しているマークらしいんですが、どこをどのように自主的に規制しているのかと言うと、コードレス電話とかで使われる周波数は受信出来なくなっているという。 ああん、せっかくトップレス喫茶のコードレス電話を盗聴しようと思ったのにぃ。。。

 そういう目的でコレを買っちゃった人は愕然とするに違いありませんが、ま、最近のコードレス電話は盗聴を防ぐための “秘話機能” というのが付いているので、卑猥な会話もよくわからん秘話になってしまって、ああん!…といった結果に終わるに違いなく、受信出来たところであまり意味は無かったりするんですけどー。 それならそれで、今度は “秘話解読機能付き” という受信機が出てきたりして、いたちごっこが繰り広げられるわけですが、そうまでしてコードレス電話の会話を聞きたいものなんすかね? 聞けるとしても、ほんの近所だけですよね? 要は近隣に会話を傍受したくなるようなギャルがいるかどうかだと思うんですが、幸い、僕の東隣の家には高校生(?)から初期OL(?)くらいの年代の4姉妹が住んでいたりします。 マニアにとってはかなり恵まれた環境だと言えるかも知れませんが、盗聴がバレて “近所の変態おじさん” と思われたりするのも不本意だし、ここはまあ、時おり窓の外から聞こえてくる歌声に耳を澄ますくらいにしたほうが賢明かも知れません。 どうせ “VR-150” には秘話解読機能も無いし、コードレス電話は、別にいいかな?…という気もします。

 が、今回の目的である航空無線の周波数を調べてメモリーに登録しているうちに、いくつか選べない周波数があることが判明しました。取扱説明書によると

  253〜256MHz コードレス電話(子機)
  262〜267MHz 公共業務用
  271〜276MHz 公共業務用
  380〜383MHz コードレス電話(親機)
  412〜416MHz 各種業務無線
  810〜835MHz 電気通信業務用
  843〜846MHz 電気通信業務用
  860〜890MHz 電気通信業務用
  898〜901MHz 電気通信業務用
  915〜961MHz 電気通信業務・放送事業用

 …の範囲が自主的に規制されているようです。その周波数帯の用途に関しては何も触れられていなかったので、自主的に調べてみたんですが、なるほど。電話機のほか、業務用無線が駄目なんですな。人の不幸に関わる問題で、規制されても不思議ではない消防無線や救急無線は大丈夫なんですが、この世界で人気があるらしいTDLの業務無線は 414.9000MHz らしいので、駄目じゃん! オリエンタルランドから圧力がかかったんですかね? 聞いちゃ駄目と言われると、余計に聞きたくなるのが人情というものなんですが、オリエンタルランドなんか、別にいいっ! こうなったらもう、オリエンタルのマースカレーを食ってやるぅ!

 …って、そんなローカルなカレーを食ってみたところで、何がどうなるわけでもないんですが、いろいろ調べてみたところ、どうやら、いかがわしい無線ショップでは無線改造というのを行なっているようですな。早い話が、業界の自主規制を自主的に解除して売りに出しているようなんですが、何とも如何わしい話です。 焼きそば(イカ入り)と称して、実は焼きそば(ウシ入り)を売っているくらい、いかがわしいです。 いや、それは 「いかがわしい」 のではなく 「イカがウシぃ」 だし、個人的にはむしろ、そのほうが嬉しかったりもするんですが、受信改造も、出来ればそうして貰ったほうが有り難いですよね。 というか、 Amazon 以外、楽天市場に出している店ならどこでも受信改造して売りに出しているみたいなんですが、いやあ、失敗しましたなぁ。。。 でも、大丈夫♪ Amazon が改造してくれないなら、自分でやればいいだけです。 そんなこと、簡単に出来るのか?…と思われるかも知れませんが、どうやらメーカーは改造されることを前提に受信機を作っているみたいなんですよね。 例えば、僕の買った機種の場合、 これだけの手順 で大丈夫♪ こんなもの、大っぴらに載せていいのか、mitukete.jp ? 個人的にはコードレス電話の傍受とか、そういうのはちょっと、どうか?…という気がするんですが、「見つけて♪」 と言ってるのを見つけてしまった以上、これはもう、改造しなければなりません。そうすることが、見つけてしまった人に課せられた義務だと思うしー。

 …ということで、改造しましたー。 問題のチップ抵抗というのはニッパーで早く削除出来るようなシロモノではなく (←めっちゃ小さい) 、小さなマイナスドライバーで無理矢理こそぎ取るといった荒療治が必要だったんですが、いやあ、失敗して本体なり壊れちゃうかと思いました。 ま、壊れたら壊れたで、受信改造済みの “IC-R5” を買えばいいと思っていたんですけどね。 電池の持ちくらいしか取り得がないような機種には、あまり魅力を感じないしー。 ま、幸いというか何というか、手術は成功して、 “VR-150” が安楽死処分になることは無かったんですが、そのお祝いに RH103 という、航空無線専用のミニアンテナを買ってあげることにしました。

VR-150+RH103♪

 アンテナがクソ長くて邪魔だったのが、スッキリ♪ で、早速、 小牧基地 の航空祭で試してみることにしました。 日本各地で行なわれる航空祭の中でも、屈指の地味さを誇っているみたいなんですけどね、小牧。 妖怪でいうと “子泣き爺” みたいなもんですかね? 空いているのだけがメリットのようなんですが、電池の持ちがいいだけの受信機を試してみるには、ちょうどいいかも知れませんな。 が、今年は休日の高速道路料金が1000円になったおかげで、地味な筈の航空祭が、意外な混雑に見舞われているようで、油断はなりません。 臨時駐車場にクルマを止めて、そこからシャトルバスというのが一般的なルートのようなんですが、バスが激混みで、8時53分開始の飛行展示に間に合わなくなる恐れもあります。 いろいろ検討した結果、 ここ にクルマを止めて、そこから名鉄小牧線に乗って、2つ先の牛山駅に行って、そこから歩くことにしました。 “あじみ駅” ではなくて、“あじよし駅”。 世の中に、こんな駅があったんですなー。 牛山駅というのも初めて聞いたんですが、何となく味のよい焼肉屋がありそうなエリアではあります。 6時45分頃に桑名を出て、桑名東ICから東名阪に乗って、勝川ICで降りて、果たして、台数 27台の駐車場が空いているものなんでしょうか? その結果は、動画でご覧下さい。

  《勝川IC〜味美駅前パーキング アクセス動画》 (←右クリックで保存)

 いちいち動画をダウンロードするのは、やだ!…という人のために結果を書いておくと、楽勝でしたな。 27台中、10台分くらいは空きがありました。ちなみに名鉄協商のパーキングは、もうひとつ牛山寄りの 名鉄春日井駅前 にもあって、こちらは台数が 58台。しかも、うちきり料金は味美駅よりも 100円安い 500円となっていて、とってもリーズナブル。 ここを避けて味美駅を選ぶ必然性はどこにもないんですが、その分、混むかな?…と思って、今回は避けたんですけどね。 結果、空いてて何よりだったんですが、名鉄春日井駅前のほうも空いていたのかどうかは、定かではありません。 ということで、名鉄小牧線に乗車。 何だかちょっとローカル臭が漂っていたりするんですが、土日でも1時間に4〜6本くらい電車が出ているので、まったく問題はありません。もっと混んでるかと思ったんですが、余裕で座ることが出来ました。味美から牛山までは4分で 180円。 やや割高感が漂うんですが、春日井から牛山だと1分で 160円ですからね。それよりはマシだと思えば諦めもつくのではなかろうかと。 で、駅から基地の入口までは徒歩5分なので、とっても近く、8時前には余裕で到着することが出来たのでありました。入場待ちの列は、 こんな感じ です。かなり混んでるようにも見えるんですが、ここに写っている人たちが入場待ちの列のすべてなので、2年前に行った岐阜基地の航空祭に比べれば、ぜんぜん余裕です。 とまあそんなことで、8時17分頃、開門〜♪


<地上展示> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 小牧の航空祭が何故ショボいと蔑まれているのかと言うと、飛行展示の中心が輸送機とヘリコプターで、戦闘機があまり飛ばないからなんですが、地上に展示されている戦闘機を見るだけなら、むしろお薦めです。あまり人がいなくて、最前列でゆっくり鑑賞出来ますからね。給油機や輸送機に至っては、中にだって入れちゃいます。 ただ、空中給油機 KC-767 の内部公開は大人気で、長蛇の列が出来ていたんですけどー。 ガラガラやん♪…と思ってタラップを上っていったら、 「こちらは出口になりますので、あちらからお入り下さい。」 と注意されて、結局、30分ほど行列に並ばされました。 結果、並んでまで見るほどのものでもなかったな。…という程度のものであることが判明したんですが、輸送機 C-130H の内部公開のほうが待ち時間も少なく、中身もまだマシでした。地上展示に関しては、ま、そんなことろです。


<飛行展示 (U-125A/UH-60J/CH-47J) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ということで、次です。 8時53分頃より、第1回目の飛行展示、開始〜♪ まずは救難機とヘリコプターによる救難展示でありますな。 救難機 U-125A は根がビジネスジェットなので、お世辞にもカッコいいとはいえないんですが、ヘリコプター UH-60 はいいですな。通称 “ブラックホーク” ですかぁ。めっちゃカッコええ♪ 日本版の救難ヘリコプター UH-60J は白と黄色に塗装して、 何もかも台無し にしちゃったんですが、2005年生産分から悔い改めて、ダークブルーの洋上迷彩塗装に変更した模様です。 災害現場にこんなのが飛んできたら、とても救難して貰えるとは思えなくて、ダダダダダダダダダ!…と撃たれちゃいそうで、ちょっと嫌ですけどね。 が、見た目はミリタリーでも、心は救援隊。 この日も U-125A と編隊を組んで無駄に上空を飛び回った挙句、地上で発炎筒を焚いて救助を求めている人を発見し、ロープを使ってスルスルと地上に降下し、見事、被災者を救援して、颯爽と去っていきました。グッジョブ♪ で、もう1機の CH-47J はというと、こちらは大型の輸送用ヘリでありますな。愛称は “チヌーク” でありますか。 何かこう、ちょっとアレなような気もするんですが、前部ローターを左回り、後部ローターを右回りに回転させる、タンデムローター機というタイプのようです。 で、チヌたんは何を展示してくれるのかと思ったら、バケツをぶら下げて上空を無駄に飛び回った挙句、その中身をブチまけて、そのままどこかへ去っていきました。 山火事消火デモ? 何かこう、かなり地味なジョブだった気がしないでもないんですが、僕は後に、チヌたんの秘められた恐るべきパワーを体感させられることになります。意外と侮れないヤツだったんですよね、チヌーク。

 …ということで、このお話の続きは、また来週♪

 ということで、今日はザ・ジャズ・ブラザーズなんですが、それはそうと、航空無線の話は、どうした? …とか、そういうことを聞いてはいけません。 傍受した無線の内容を他人に漏らすのは電波法に違反する行為ですからね。 そんなこと言って、ホントは何も聞けなかったんやろ?…とか、そういうことも言ってはいけません。ちゃんと聞けました。世間の評判からして、あまり期待が持てそうにも無かった “VR-150” なんですが、ちゃんと航空無線を傍受することが出来ました。ミニアンテナも小型ながら、特に問題は無さそうです。 が、傍受しても何を言ってるんだか、さっぱり分からんっ!…のですよね、これがまた。エアバンドというのは基本が英語なので、僕にとっては “秘話機能” と、ほぼ同等でありました。秘話を解読して日本語に翻訳してくれるような受信改造は出来ないものですかねぇ。。。 ま、時どき 「了解っ!」 という日本語が聞こえてきたりして、それくらいは僕にも理解出来たんですけどー。 航空無線についてはもっと勉強しなければならないようですが、とまあそんなことで、今日はザ・ジャズ・ブラザーズです。 チャック・マンジョーネギャップ・マンジョーネの兄弟が満を持して、マンジョーネ。 ま、そういったブラザーズなのではないかと思うんですが、兄と弟を比べると、断然、弟のほうが有名な兄弟ですよね。 チャックには 『フィール・ソー・グッド』 という決め球がありますもんね。 フリューゲルホーンを胸に抱えて、ニパっ♪…という、このジャケットのセンスはちょっとどうかと思うんですが、そんなチャック君も若い頃は髪型もさっぱりしていて、オーソドックスなハード・バップに取り組んでいたんですな。 …ということを知らされるアルバムがリバーサイドには何枚かあったりするんですが、今日はその中から 『ザ・マンジョーネ・ブラザーズ・セクステット』 という1枚を紹介してみたいと思います。 後からこのジャケットの絵を書かなければならないのかと思うと、今からちょっと気が重いんですが、真ん中が兄のギャップで、左端が弟のチャックなんですな。一応は形だけでも年長者を立てたりして、その心構えはなかなか立派だと思うんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみましょうかぁ。

 まずはチャックくんのオリジナルで、 「サムシング・ディファレント」 。 何でもいいけどチャックくんって、 「く」 がダブって言いにくいので、以下 “チャッくん” と呼ぶことにしようと思うんですが、これはアレです。なかなかの佳曲です。 なかなかの佳曲というのも 「か」 が多すぎるので、以下 “なかな佳曲” と呼ぶことにしようと思うんですが、何と言うか、正統派のハード・バップって感じぃ? 3管編成のわりに、ハモり具合がややシンプルだったりするんですが、最初に飛び出してくるサル・ニスティコのワイルドな吹きっぷりがいいですな。 ジャケットで言うと左から2人目の猿顔の兄ちゃんがサルだと思うんですが、自己のリーダー作も出している実力派ですからね。 これ とかー。足の骨を折って入院してた時に書いたんですよね、これ。 読み返したら 「今ひとつ押しの弱いタイプ」 と書いてあって、ここでのヘビーな吹きっぷりとは少し印象が違うようなんですが、で、続いてはチャッくんのソロでありますか。後年、フリューゲルに走る彼も、ここではバリバリと元気にトランペットを吹いていて、若いっていいな♪…と思います。裁判でも和解したと聞くと、何となくホッとしますからね。若井はやとがお亡くなりになったという知らせは残念でしたけどー。 こうなったら若井ぼんに頑張って貰うしかありませんが、とりあえずソロ3番手のラリー・コンブズは頑張っていると思います。 ちょっと癖のあるアルトなんですが、いかにも昆布らしいダシは効いていると思います。 で、その後、3管のアンサンブルとドラムスの掛け合いで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ギャップくん (←ピアノ担当) のソロが無かったような気がするんですが、全体として溌剌としたプレイが展開されていて、とってもよかったと思います。

 で、次。 「シークレット・ラブ」 。 「秘密の恋」 ですか。いいですなー。 シークレットシューズとシークレット靴下と履いてたのがバレて、破局になったりするんですよねー。靴下があるから、靴を脱いで上がる座敷だって大丈夫だねっ♪…と思って安心してたら、最近はどこにでも 「足湯」 というのがありますからねー。頑なに靴下を脱ぐのを拒んで、怪しまれて問い詰められて、遂に白状しちゃったりするんですよねー。 シークレット靴下 (完全防水タイプ) というのを作れば、けっこう売れるような気がするんですが、僕がギャルの立場だったら嫌ですけどね。完全防水の靴下を履いて足湯に浸かるような男。 で、これはアレです。バラードなのかと思ったらそうではなく、ミュート・トランペットのワンホーンで、小粋にスイングする。 そういった作品に仕立てられておりました。これはこれで、なかなかいい味を出してますな。ミュートだけに微妙にマイルスっぽかったりするのはご愛嬌で、テーマの終盤、2本のサックスが地味に絡んでくるあたりも秀逸です。 で、そのままチャックのソロへと流れていくんですが、ロイ・マクルーディのタイコも軽快そのもので、続くサルのソロも時おり倍テンポを交えたりして、快調そのもの。 でもって、ワンホーンによるテーマに戻って、おしまい。 ここでも脇役に徹するギャップくんの謙虚さが泣かせます。 が、もうそろそろ、ソロで実力の程を聞かせて欲しいような気もします。もしかして、下手過ぎて、人に聞かせれないとか?

 3曲目の 「アリス」 はギャップのオリジナル。ピアノが駄目なら、作曲で勝負!…ということなんすかね? アリスというと僕の場合、奥飛騨のクマ牧場にいた 芸達者なクマたん が真っ先に浮かんでくるんですが、 「森のクマジアム」 を見たことがないオッサンだと、谷村新司や堀内孝雄の顔が浮かんでくるかも知れません。もしくは有栖川有栖とか。 が、そういった、むさ苦しいイメージとは違って、わりと爽やかな曲調だったりするんですが、いや、頑張りましたな、ギャップくん。 これで、弟の才能とのギャップを少しは埋められたかも知れず、で、ソロ先発はラリー・コンブスのアルトでありますか。 もしかしたら “COMBS” は昆布ではなく、コムズと読むのかも知れませんが、ちょっぴりジョン・ジェンキンスが入ってるスタイルは、それなりに個性的です。続くチャックのトランペットは正統的なブラウニー直系と言ってもよさそうで、意外とやりますな、この白人の兄ちゃん。 続くサル・ニスティコはロリンズ的な男気で迫り、蹴鞠好きの公家をも虜にします。 で、ここで満を持して、ギャップくんのピアノ・ソロ登場♪ お兄ちゃん、やろうと思えば出来るやん! やや、フレーズの閃きにキレが感じられない嫌いもあるんですが、そこはまあ、訥々としたスタイルということで。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 ま、兄としての立場は、何とか維持できたと言えるかも知れません。

 4曲目、 「ストラッティン・ウィズ・サンドラ」 。 「サンドラと一緒に気取って歩く」 ですかね? 僕の詩的センスでは、そう訳すのが精一杯なんですが、翻訳サイトならもう少し、ビシっと決めてくれるに違いありません。 「サンドラと共に横行しています」 。 何となく横行結腸に痛みを覚えるようなタイトルになっちゃいましたが、でも、大丈夫。 曲のほうはしっかり、いい感じにストラッティンしております。 ちなみにこれ、チャッくんのオリジナルなんですが、なかなか作曲の才能もありますよね。 ギャップと比べて、どうか?…と言われると、兄弟の仲にひびが入ってもいけないので、ここでの明言は避けますが、少なくともチャックは、山ねずみロッキーチャックよりは作曲の才能があると思います。所詮、ヤツは齧歯類ですからねー。 …って、動物をそうやって類別で差別するのはよくありませんが、ファンキーな香りのあるテーマに続いて、チャク・マン、ラリ・コム、サル・ニコの順でソロ廻しが行なわれます。アルト・ソロの終盤に残りの2管が絡んできたりするところがいいです。 で、最後にしっかりギャプ・マンのピアノもフィーチャーされて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、5曲目。アルト吹きのラリー・コムズのオリジナルで、 「ネメシス」 。 ややインパクトの弱い曲調ではあるんですが、天下りしてきた局長なんて、大抵そんなもんですからね。叩き上げの局長なら、叩かれて上がって来たな!…という貫禄があったりするんですが、ソロ先発は作曲者のコムズでありますな。 フレーズの流暢さという点では、やや不出来であるようにも思えるんですが、でも大丈夫。この人はもともと、そういうタイプなんだと思います。中盤以降、人が変わったかのようにスムーズになったりもしますからね。普通に吹くのが嫌いなタイプなんでしょう。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 どうやらこれ、 “コムスくん大フィーチャー” を意図したものだった模様です。

 ホレス・シルバーばりの、ジャンピーなピアノのイントロで始まる 「ザ・ギャップ」 は、その名の通りギャップ・マンジョーネのオリジナル。 謙虚なキャラなのかと思ったら、こんなところで思い切り自分の名前を出してきましたが、それもまあ、許せちゃう感じの勢いのある仕上がりでありますな。 ソロ先発のサル・ニコが快調そのもの。 こういう会長なら、昔、社長だったとしても、許せる気がするんですが、昔、社長ではなかった会長というのは、いるのか?…と言われると、そんなものは別に、世の中にはたくさんいます。町内会長とかー。 昔、魚屋のおっさんだった人だって、人望さえあれば会長にはなれますからね。 続くギャップのソロも極めて快調です。 でもって、怪鳥ロプロスは空を飛びます。 で、続くラリー・コムスも、素直に吹くしか仕方がないような超アップ・テンポなので、わりと素直な吹奏に終始しておりまして、で、続いてギャップのソロが出てくるところの流れが、ちょっと唐突過ぎたりしませんかね? 張り切りすぎたコムスが最後のところでミスって、慌ててテープを切り貼りして編集した気配が感じられなくもないんですが、で、ここでのギャップは大いに健闘しておりますな。決して長くは無いんですが、イントロ同様、シルバー・ライクなソロを展開していて、何より。 で、最後はフロント陣とドラムスとの4バースで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 マンジョーネ兄弟、まったく侮れません。

 ということで、ラストです。  「ガール・オブ・マイ・ドリームス」 。 サニー・クラップという人の作った歌物ナンバーのようです。終始リラックスした仕上がりでありまして、チャック→コムス→サルと続くソロも、どれもそれなりにアレだと思います。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 ということで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 チャック、全開っ!…と言いたくなるような素晴らしい出来でありました。 全7曲、最後まで大崩れしなかったのは立派だと思います。サイドマンの中ではサル・ニスティコの活躍ぶりが素晴らしく、こりゃ、クソ面倒なジャケ絵を書かされるのも、やむを得ないな。…という気がしてきました。 今から取り掛かるんですが、絶対に失敗する自信はあります。これでもうちょっと楽なジャケットにしてくれたら、言うことは無いんですけどねぇ。。。


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