KENNY DORHAM QUINTET (DEBUT)

KENNY DORHAM (1953/12/15)

KENNY DORHAM QUINTET


【パーソネル】

KENNY DORHAM (tp) JIMMY HEATH (ts,bs) WALTER BISHOP (p)
PERCY HEATH (b) KENNY CLARKE (ds)

【収録曲】

(01-03) AN OSCAR FOR OSCAR / RUBY MY DEAR (take 2) / BE MY LOVE
(04-06) RUBY MY DEAR (take 1) / OSMOSIS / I LOVE YOU
(07-08) DARN THAT DREAM (take 2) / DARN THAT DREAM (take 1)
(09-11) I LOVE YOU (take 2) / CHICAGO BLUES / LONESOME LOVER BLUES

【解説】 (2009年07月19日更新)

 出来ることなら、生まれ変われるなら、私、春の綺麗な夕陽になりたい♪…って、こんなヘンな希望を持っているのは柏原芳恵くらいだと思うんですが、綺麗な夕陽の写真を撮りたいと思っている人は少なく無いと思います。綺麗ですもんね、夕陽とか、夕焼けとか。僕も夕焼けは好きです。少なくとも、内田裕也家よりはいいと思います。奥さんが樹木希林って、あまりソソられるものがないですもんね、裕也家。 どうせなら 『夕やけニャンニャン』 に出ていた “おニャン子クラブ” のメンバーのおうちのほうが楽しいと思うんですが、例えばえーと、山本スーザン久美子ちゃんちとか。 選択があまりにもマニア過ぎるような気もするんですが、で、桑名のあたりで手近に夕焼けの写真を撮るとするなら、やはり木曽三川ということになりますかね? 例えば、 これ とか。 ちなみにこれは揖斐川に沈む夕陽を撮ったものなんですが、揖斐川には日が沈むだけでなく、日が昇ったりもします。 住吉神社とか、初日の出の鑑賞スポットとして地味に有名だったりします。 桑名市女性消防団の団員が撮ったらしい写真が ここ の一番下のところにあるんですが、鳥居の間から太陽が昇ってくるところがポイントでありますな。 どうせなら鳥居のど真ん中にくるように、もうちょっとポジショニングを工夫して欲しかったところなんですが、写真が趣味であるとは思えない消防団員のギャルにそこまで求めるのは酷かも知れません。 とりあえず、また僕の家が燃えたりした時には、よろしく♪…とお願いしておきたいと思うんですが、で、この夏、僕が泊まりに行こうと画策している石川県の片山津温泉というところもですね、日の出スポットとして、そこそこ有名みたいですな。

 目の前に柴山潟が広がり、その向こうには霊峰白山。 確かに絵になるロケーションなんですが、で、日の出はどのあたりから昇ってくるのかと思ったら、 こんな感じ だったりするみたいです。 おおっ、ちょっとしたダイヤモンド富士の白山バージョン状態? というか、 ちょっとしたダイヤモンド白山と言ったほうがいいかも知れませんが、ダイヤモンドと呼べるほど輝いて無いと言うのなら、 “バイカラークォーツ白山” とか。僕の誕生石なんですが、何か地味ですよね、バイカラークォーツ。とってもハイカラなクォーツのかと思ったら、色が2色だから “バイカラー” らしいんですが、ま、それはそうと、こんなに見事に白山の山頂から太陽が昇るんだったら、早起きして撮影に励まなければなりませんな。どれくらい早く起きれば大丈夫なんですかね? 去年の夏、 洞爺湖 で日の出の写真を撮った時は、朝の4時に太陽が出てきてしまって、何かと大変だったんですが、いくらなんでも早過ぎですよね。ああん、早過ぎなのぉ。…と、文句のひとつも言いたくなってしまいますが、日の出・日の入の時間を調べるには このサイト が便利です。見た目は地味なんですが、やることはやってくれます。シビアにやろうと思ったら、撮影ポイントの緯度と経度を調べて入力してやらねばならんのですが、細けぇことはいいんだよぉ。…というアバウトな性格の人であれば “地名で選択 (日本の主な都市)” で大丈夫です。片山津温泉なら、ほぼ金沢でしょうな、多分。 計算年月が “年” と “月” までしかなく、いくら何でもアバウト過ぎやしないかと心配になるんですが、でも大丈夫。2009年08月と入れてやれば、8月 1日〜31日までの1ヵ月分のデータが表示されるようになっております。 「☆よろしければ、用途をご記入下さい。」 のところは何も記入しなくても大丈夫です。 「よろしくないから、記入しない。」 とか、余計なことは記入しなくてもいいです。 で、僕が金沢付近で見るであろう、2009年08月09日の結果はというと

月日   日 出    日 没     日 正 中
     h m 方位  h m 方位  h m 高度
8 9  05:05 ( 69) 18:52 (290) 11:59 ( 69)

 …でありますか。味もそっけもない表記なんですが、言いたいことは分かりますよね、何となく。 05時05分に日が出る。そういうことなんでしょう。北海道ほどではないんですが、けっこう早いですなー。それにしても朝日って、どうして朝に出るんですかね? 朝日が昇るのが夕方なら早起きする必要がなくて、ぜんぜん楽なんですけどねー。 朝日が夕方って、そりゃ、無理やろ。…と思われるかも知れません。確かに朝日新聞の朝刊は、朝に配達されますからね。 が、朝日新聞の夕刊はちゃんと夕方に届くので、ヤル気になれば出来る筈です。朝日の奮起に期待したいところでありますが、それはそうと、日出、日没のところに () で書いてある “方位” というのは何なんですかね? 解説を見ると、方位・・北を0度とし、東回りに測った角度 (単位°) と書いてあるので、そういうことなんだと思うんですが、もしかして、季節によって太陽が出たり沈んだりする方向が変わってくるとか? とすれば、せっかく朝の5時前に起きて、柴山潟で日の出の写真を撮ろうと思っても、時期によっては白山とはまったく方向違いのところから昇ってくることも考えられるわけです。柴山潟から見て白山がどの方向にあるのか、きちんと調べてみなければなりませんな。

 ということで、地図を見てみました。北が上だとすると、白山は右斜め下。そういうところに位置しておりました。正確な方位で言うと、手元に分度器が無いので分かりませんなぁ。。。仕方が無いので、縦と横の長さを定規で測って、三角関数で求めてみましょうかね? 横方向に 107mm、縦方向に 64mmだったので、縦を横で割って、0.598。それをアークタンジェントしてやれば縦と横の間の角度が出るわけなんですが (←計算、合ってる?) で、その答えはというと、手元に関数電卓が無いので分かりませんなぁ。。。 でも大丈夫。そういう時には、 Web関数電卓 ぅ♪ いやあ、パソコンさえあれば何でも出来ちゃう世の中になりましたなぁ。 ということで、答えが出ました。約31°ですな。 これは真東から図った角度なので、真北を0とする場合は 90°を足して 121°ということになります。 で、僕が日の出の写真を撮ろうとしている 08月09日に太陽が出てくる方位は、69°となっております。駄目じゃん! 最初のほうに紹介した写真の撮影日は 09年01月08日となっているんですが、この時の日の出の方位はどうだったのかというと、117°ですかぁ。 いいぢゃん♪ ほとんど計算、合ってるぢゃん♪ 似たような写真で、 こちらのほう は撮影日が 07年01月01日となっているんですが、この時の日の出の方位は 118°ですか。 毎年、月日が同じなら日の出の方位は同じだと考えていいんですかね? 少なくとも夏至とか、冬至とか、春分とか、秋分とか、そういう区切りには同じ方位から出そうな気がするんですが、とりあえず、ここまでのところを図で示しておきましょう。

柴山潟と白山の位置関係♪

 08月09日の 69°だと、真横の線よりも上なので、ぜんぜん駄目ですな。地図で “河内” と書いてあるあたりですかね? 河内のオッサンの背後から昇る太陽。 それはそれで後光が射しているみたいで、なかなかよさそうなんですが、河内まではかなり距離がありそうですからね。 300mmくらいの望遠レンズでは、オッサンの姿を捉えるのは困難でありましょう。 もう、いいっ!日の出の写真なんか、撮らないっ! スーパーで “日の出みりん” を買って、料理に照りをつけるから、いいっ!…て、料理などしないのに、適当なことを書いてしまいましたが、ところで、柴山潟−白山−日の出が一直線に並ぶのって、年に1回だけなんですかね? 後学のため、金沢での日の出の方位の変化を簡単にまとめてみようと思うんですが、

日の出の方位:金沢♪

 おお、なるほど。 夏至にいちばん北になって、冬至にいちばん南になるっぽい? で、柴山潟から “バイカラークォーツ白山” が見れるのは、方位がいちばん南になるっぽい冬至の頃に限られるわけですな。12月下旬から1月の初めが勝負!…ということになるようです。 白山のような、のんべんだらりとした山容なら、1ヶ月くらいは誤差の範囲で何とかなりそうなんですが、先っちょが尖がっている富士山の場合、話はもっとシビアになります。 ここ を見ると、年に2〜4日が勝負みたいですな。 夏至の日を境に、その何ヶ月か前と、何ヵ月か後、年に2回ほどチャンスがあるって感じぃ? で、ダイヤモンド富士というと日の出というイメージがあったんですが、日没バージョンもあるんですな。日没でいいのなら、何もわざわざ朝日に奮起を促して夕方に出て貰わなくても最初から夕日に頼めばいいわけなので、話が早いです。 今回、日の出のほうは “みりん” で我慢するとして、日の入のほうで何か撮ってみますかね? 白山は無理としても、柴山潟の近くにあるものなら、撮影場所さえ工夫すれば方位は何とでもなりますからね。 で、調べてみると幸いなことに、柴山潟には大噴水というのがあります。 7:00、8:00、10:00、14:00、16:00、16:30、17:00、17:30、18:00、18:30、19:00、20:00、21:00、21:30 に水が噴き上がるみたいです。 08月08日の日没は 18:53のようなので、 18:30と19:00の部に合わせれば、噴水と夕日とのコラボレーションが見られるのではないでしょうか? どの地点から見れば一直線上になるのか、ちょっと調べてみますかね?

矢印♪

 準備段階として、こういう矢印 (↑) を用意します。続いて、 ねこのキャンバス を用意します。 ま、別のレタッチソフトでもいいんですが、個人的にはちょっとお気に入り♪ 2100円 (税込) も取られるのがネックなんですが、有料なだけに、それなりに優良だと思います。 で、ねこキャンで何をするのかというとですね、先ほど用意した矢印を “任意角度回転” させます。8月8日の金沢での日没の方位は 291°らしいので、その角度だけ回転させます。 で、回転した矢印を “範囲コピー” して、別途用意した地図画面に “透過で貼り付け” ます。 どの位置に貼り付けるのかというと、矢印の根元が大噴水の上にくるように貼り付けます。大噴水は柴山潟のほぼ中心ということ以外、詳しいことはよく分からんのですが、何となく 浮御堂 に至る桟橋の延長線上という気がするので、そこに “” を付けておきました。 で、矢印から反対側に線を延ばして陸地とぶつかったところが夕日の撮影ポイントということになるのではなかろうかと。

夏の柴山潟・夕日撮影ポイント♪

 なるほど、夏の時期は ダイヤモンド片山津温泉ソサエティ の辺りから、ダイヤモンド噴水が見えるわけですな。僕の計算ではそうなります。間違いなくそうなります。僕は計算があまり得意ではないので間違っているかも知れませんが、間違いがなければ、合ってる筈です。噴水と夕日と 中谷宇吉郎雪の科学館 とが一直線上に見える筈です。 もしかしたら計算が間違っていて、さっぱりだったりするかも知れませんが、太陽が 291°の方位に沈むのは間違いないですからね。コンパスを持っていって、291°の方向に噴水が見える地点まで移動すれば大丈夫かと。 ただ、夕日が沈むのって、何度の方位だったっけ?…というのを忘れてしまうとまったく意味が無いので、 “ニクい(291)夕日♪” と覚えておきたいと思います。 いやあ、これはニクい写真が撮れそうですなぁ。 …などと、下調べや準備をばっちりした時に限って、めっちゃ天気が悪くって、ぜんぜん見えなかったりするんですけどね、夕日。 ニクい写真が撮れなかったら、スガキヤで “肉入りラーメン” を食ってやるぅ!…と、どうでもいい宣言をしておいて、今日のお話はおしまい。

 ということで、今日はケニー・ドーハムです。いいですよね、ドーハム。僕は大好きです。 「どう?ハム。」 と試食を勧められたら、迷わず食べちゃうほど、僕はハムが好きです。 鱧 (はも) は、さほど好きではありません。  「どう?ハモ。」 と試食を勧められても、無視して前を素通りすることになると思うんですが、もしドーハムがケニー・ドーハモという名前だったとしたら、それほど好きにはならなかったかも知れません。 で、今日はそんなドーハムの 『ケニー・ドーハム・クインテット』 という1枚を紹介したいと思うんですが、何の工夫もないタイトルですな。チャールス・ミンガスが設立したんだったか、出資したんだったか、とにかくまあ、何らかの形で絡んでいるらしいデビューというレーベルの作品なんですが、1953年の録音なので、かなり古いです。今から56年ほど前ということになりますか。56年というと、3歳の幼児が59歳のオッサンになっちゃうくらいの年月でありまして、17歳の女子高生だって、73歳の婆ちゃんになっちゃいます。かなりの歳月ですよね。それだけ古いと、レコードもまだ10インチ盤しか無かったりするんですが、後年、12インチ化するにあたって、別テイクが2曲ほど追加された模様です。 で、近年、CD化されるにあたって、オクラ入りになっていた別テイク×1曲と、未発表作×2曲が更に追加されることになったんですが、この最後のオマケの2つがですね、なかなか面白いんですよね。どう面白いのかは教えてあげませんが、とまあそんなことで、とりあえず1曲目から聴いてみたいと思います。

 アルバムの最初を飾るのはドーハムのオリジナル、 「アン・オスカー・フォー・オスカー」「オスカーのためのオスカー」 ですか。オスカーというのは恐らく、てるやんのことだと思うんですが、小学生の時、同じクラスにいましたよね、大須賀照代。 “てるよ” の字が合っているのかどうか、今ひとつ自信は無いんですが、雪合戦の際、ぶつけられた雪の中に小石が入ってたとかで、かなりムッとしておりました。ということで、僕が “てるやん” に関して覚えていることは、そんだけです。 で、曲のほうはというと、ほんのりファンキーな香りのする、ビ・バップ。…といった感じでありまして、意外とハードでありますな。 さすがに56年も前の吹き込みだけあって、音質的には23点くらいの出来なんですが、ドーハム、ジミー・ヒース、ウォルター・ビショップと続くソロは、どれもハードです。根が10インチ盤ということもあって演奏時間は3分足らずと、かなり短くなっているんですが、その分、中身が凝縮されているような気がします。短いながらも終盤には tp→ds→ts の “ぷち4バース” まであったりして、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 ビ・バップからハード・バップへ。 そんな時代の息吹が感じられる伊吹文明元財務相。 そんな感じの1曲なのでありました。

 ということで、2曲目です。 「ルビー・マイ・ディア」 。 いいですよね、ルビー。僕は宝石の中ではルビーが1番か2番か3番目くらいに好きです。 ルビー、サファイア、エメラルド。この3つは甲乙つけがたいので、順位は決められないんですが、ダイアモンドというのはさほど好きではなかったりします。ただ透き通ってるだけやん!…という気がします。炭酸飲料なんかでも、ただ透き通ってるだけのサイダーとか、キリンレモンとか、スプライトなんかは何だか損なような気がして、どうしてもコーラとか、ファンタとか、チェリオとか。ミリンダなんかを買ってしまうんですが、いや、懐かしいですな、ミリンダ。僕は好きでした。ミリンダだと思って飲んで、実は味醂だったりしたら、ちょっと嫌なんですが、 この 「ルビー、私の親愛なる人」 は、かなり凝ったアレンジが施されておりますな。ここではジミー・ヒースがバリトン・サックスを吹いているんですが、2管のハモり具合が何とも言えずに絶妙です。 ウエスト・コースト・ジャズの影響を感じさせるサウンドでありまして、いいですよね、西海岸。どういうところがいいのかと言うと、夕日が沈むところがいいです。東海岸だと朝日しか昇らなくて、早起きしなければならなくなって、大変です。 ま、ジャズに限って言えば、僕は断然、イースト派だったりするんですが、いいですよね、イースト。 パンも膨らんだりするしー。 とか言ってるうちに、演奏のほうは、おしまい。 いや、ほとんどアドリブ・パートらしきものはなく、基本、テーマ部だけでありましたな。

 ということで3曲目です。 「ビー・マイ・ラブ」 。 ジミー・ヒースはバリサク。 2管の絡みでゆったりとテーマを奏でて、…とか言ってるうちに、テンポがミディアム・ファストになりましたが、で、一応、ドーハムのソロらしきものも聴くことが出来ます。歌心があって、いいと思います。少なくとも下心、があるよりはいいと思います。 ということで、終盤、再びテンポがスローになって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 サックスやピアノのソロがなくて、全体的にもちょっと短かすぎて、ちょっぴり物足りないものがあります。ギャルのスカートは短かすぎるほうがパンツが見えそうで、気分が充実するんですけどね。 で、次。 「ルビー・マイ・ディア」 。 12インチ化に際して、穴埋めで追加された別テイクなので、基本、どうだっていいですこっちのほうがファースト・テイクなんですが、出来としてはどっちも似たようなものかと。基本、アドリブがない演奏だしー。

 次第に投げやり感の漂うレビューになってきましたが、5曲目、 「オスモシス」 。 タイトルはおそらく 「おすも、死す。」 の意味だと思うんですが、そうですか。おすも、死んじゃいましたかー。 “おすも” というのは桑名の本町の新光堂のちょっと南にある、何を商っているのか今ひとつよく分からない店の名前なんですが、んーと、履物屋? “おすも” なので、お酢も売っているのかも知れませんが、このお店に関しては ここ に詳しく書かれておりますので、ここではあまり深入りはしません。 その代わり、お相撲の話をしてみたいと思うんですが、今、貴乃花が桑名に来ているんですなー。 名古屋場所の絡みで “うおせい” という料理屋を宿舎にしているみたいです。通勤ルートの途中にあるので前を通る時に横目で覗いたら、相撲取りがホースで水を掛けられておりました。 いや、イジメとか、そういうことではなく、ただ単に暑かったからなんだと思うんですけど。貴乃花親方は見当たりませんでした。 で、この 「オスモシス」 は、他のアルバムで演奏されているのを聴いたことがあるんですが、典型的なファンキー・チューンで、日本人好みのメロディーを持った曲であります。てっきり、ドーハムのオリジナルだとばかり思っていたんですが、オジー・ジョンソンの作でした。どうしてオジーが桑名の履物屋のオッサンの死を悼む曲を作ったのか、その経緯は定かではありませんが、調べてみたら “osmosis” というのは、どうやら “浸透” といった意味であるようです。おすものオッサン、もしかしたらまだ死んでないのかも知れません。 で、演奏のほうはドーハム以下、ジミー・ヒースのテナー・ソロもフィーチャーされて、ひさびさにバップっぽい仕上がりになっております。 でもって、テーマに戻って、おしまい。

 6曲目、 「アイ・ラブ・ユー」 。 ラテンのノリで、軽めの仕上がりとなっております。ジミー・ヒースがバリサクでテーマに彩りを添えて、で、アドリブはドーハムのみ。 Aパターン、Bパターンとあるうちの、Bのほうです。 7曲目、 「ダーン・ザット・ドリーム」 。 ビショップの弾くピアノのイントロがイケてます。片山津温泉にある “首洗池” と同じくらいイケてます。まだ行ったことがないので、本当にイケてる池なのかどうか定かではありませんが、ワン・ホーンでテーマのメロディを吹くドーハムもイケてます。 この人のバラード・プレイには独特の人間味がありますよね。まだ人間を食べたことはないので、人間味というのがどういう味なのか定かではありませんが、続くビショップのピアノ・ソロも絶品。 僕は基本的にこの曲が好きなんですが、いいですな、こりゃ。 再び登場するドーハムが 「煙が目にしみる」 のメロディを引用するところもいいし、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、とってもよかったです。 とは言っても、7曲目に同じ曲の別テイクを持ってくるのは、ちょっとどうか?…という気がするんですが、いくらアドリブが違うといっても、連チャンだとさすがに飽きますな、こりゃ。 こちらのほうがセカンド・テイクということになるんですが、やっぱり 「煙 (けむ) しみ」 は、しっかり引用されておりました。

 ということで、ここからはCDオマケ曲です。 まずは 「アイ・ラブ・ユー」 。 別テイクなので、基本的にどうでもいいです。 で、最後に未発表曲が2つ。  「シカゴ・ブルース」「ロンサム・ラヴァー・ブルース」 。 これはアレです。どちらもブルースです。 で、ここでは何と、ドーハムのヴォーカルがフィーチャーされております。ちょっとしたサプライズな驚きであると言っていいと思うんですが、正直なところ、あまりお上手ではないんですけど。旨くはないんだけど、その代わり、下手。…といった感じで、オクラ入りもやむなしでありますな。こりゃ。 “第2のチェット・ベイカー” への道は閉ざされたと言わざるを得ませんが、後年、ボーカルをフィーチャーしたアルバムを1枚だけリリースしているんですけどね、この人。 ドーハムって、こんな声してたんやぁ。…というのが分かっただけでも、ちょっぴり得をした気分になります。 とまあそんなことで、今日のところは以上です。

【総合評価】

 根が10インチ盤なので、実質的には6曲モノですな、こりゃ。 もっとジミー・ヒースやウォルター・ビショップのソロをフィーチャーしたナンバーがあったほうがよかったんですが、53年という時期にしては立派にハード・バピッシュだし、ドーハムの持ち味は十分に発揮されております。 歌も聞けるしー。 ということで、マニアにはそこそこ、お薦め…かも知れません。


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