BYRD’S EYE VIEW (TRANSITION)

DONALD BYRD (1955/12/2)

BYRD'S EYE VIEW


【パーソネル】

DONALD BYRD (tp) JOE GORDON (tp) HANK MOBLEY (ts)
HORACE SILVER (p) DOUG WATKINS (b) ART BLAKEY (ds)

【収録曲】

(01-03) DOUG'S BLUES / EL SINO / EVERYTHING HAPPENS TO ME
(04-05) HANK'S TUNE / HANK'S OTHER TUNE

【解説】 (2009年07月26日更新)

 いやあ、日蝕だったみたいですなー。日本で皆既日食が見られるのはかなり珍しいそうで、46年ぶりの天体ショーに期待していた人は少なくなかったに違いありません。いいですよね、天体ショー。少なくとも変態ショーよりはいいな♪…という気がするんですが、変態じみていて、ちっともよくなかったりしますからね、変態ショー。 “カストロ議長のスカトロショー♪” とか、絶対に見たくありません。 一方、天体ショーには大いなるロマンを駆り立てられるわけなんですが、僕は子供の頃、天体少年でしたからねー。 天才にして、天体好き。そういう子供であったわけなんですが、大きくなったら天体好きの大人になりたい! そう願っておりました。 結局、その夢を叶えることは出来なかったんですが、さば兄がもう少し秀才か天才だったりしたら、事態は変わっていたんでしょうけどね。 「天才クイズ」 に出場するというチャンスを得ながら、7問目くらいで間違えて、天才賞だか秀才賞だかの賞品の天体望遠鏡をゲット出来なかったんですよね。持って帰って来たのは “勝ち組賞” の食パン10斤だけでありました。おかげで天体好きの大人になる替わりに、食パン嫌いの大人になってしまったんですが、土星を見る予定だったのが、こんなに食パンばっかり、どうせいと?

 とか言ってるうちに7月22日が近付いてきました。 日蝕かもめがね も無事に届きました。ビクセンの日蝕グラスは一部、不良品が出回っていたようですが、僕のは大丈夫でした。試しに白熱電球を覗いてみたら、ちゃんとフィラメントを観察することが出来ました。 ただ、遮光プレートの部分が小さすぎて、カメラ用のフィルターとしては使えないところがちょっと残念ですな。せっかくなので記録に残しておきたいところなんですが、この際、あまりにも地味すぎるので端から馬鹿にしていた “ピンホール方式” でも、ちょっと試してみますかね? ピンホール方式というのは ここ の真ん中らへんにあるヤツで、わざわざトルコまで行ってこの写真じゃ、ちょっと寂しくないか?…と、画像提供:平野岳史氏を問い詰めたくなってしまうんですが、僕の場合はトルコでなくて墨俣町ですからね。 いや、その日は午後1時半から墨俣町の水源地での仕事が入っていたので、待ち合わせの時間に遅れることがないよう2時間ほど余裕を見て会社を出ることにして、その辺のスーパーの駐車場に車を止めて、こっそり観察しようと思っていたんですけど。会社からはクルマで約15分。墨俣ごときならこの程度の写真で十分でしょう。 ということで、前日になって慌てて準備を始めることにしました。

 ピンホールは使用済みのテレホンカードで代用出来るということだったので机を漁ってみると、おおっ、ちょうどいいのがありました。半分ほど使って、穴が5個ほど空いている奴がありました。まだ20度分ほど残っているんですが、この先、テレカを使う機会など、まず無いに違いないですからね。日蝕観察の為に犠牲になってもらうことにしましょう。 ただ、穴が5個ほど真っ直ぐ並んでいるだけというのはちょっと寂しいものがありますよね。 画像提供:平野岳史氏も “トルコ” などと穴で字を書いておりましたが、 『塩サバ通信』 のネタなので、サバらしく、魚の絵でも書いてみますかね? サバらしく、サバの絵ということにしなかったのは、サカナの種別を特定出来るような作品に仕上げるだけの自信が無かったからなんですが、ここまでハードルを低くしたにも関わらず、結論から言ってしまうと、失敗でした。めっちゃ失敗しました。とても魚類には見えないというのもあるんですが、穴そのものが綺麗に空きませんでした。歪 (いびつ) に歪んだ変な形の穴になってしまいました。ピンホールによる日蝕の観察は、穴の形は真ん丸なんだけど、太陽のほうが欠けるので、投影された像も欠けて見えるんだねっ♪…というところに真髄があるんですが、穴のほうが最初から変な形をしていたら、何が何だかワケが分からなくなっちゃいます。そこへいくと使用済みテレカの穴は、新円とは言えないまでも、かなりいい線いってます。ただ穴が開くだけやん!…と思って馬鹿にしていたんですが、公衆電話というヤツは、あれで結構いい仕事をしてたんですなー。 余計なことを考えたばっかりに、せっかくの穴が台無しになってしまいましたが、ま、使用済みテレカなど最初から無かったということにして。 そのまま捨てるのも何だか癪なので、カードを折り曲げて完全に駄目にしておいてからゴミ箱に投入しました。

 使用済みテレカが見つからなかったということになると、何か代替品を捜さなければなりません。普通の厚紙に千枚通しで穴を開けるというのは、恐らく失敗に終わるような気がするので、最初から綺麗に穴が開いている物があればいいんですけどね。 ふと足元に目をやると、靴下の親指のところに穴が開いていることに気付いたんですが、あまり綺麗な円形ではないので、駄目なようは気がします。 あとはえーと…、おっ、この車用のコロンの蓋なんかどうっすかね? 車の香水って、ただ臭いだけで、車酔いを助長する効果しか無いような気がするので、普段使うことはないんですが、通信販売でカーナビのオプションを注文したらオマケのつもりなのか、箱の中に入っていたんですよね。心ばかりのプレゼントというより、売れ残って処分に困った不良在庫を、どさくさに紛れて送りつけて来たという感じなんですが、外箱の蓋の部分に貼られたセロハンテープとか、完全に劣化して変色してましたからね。 余計なモノをくれたと疎ましく思って、そのまま放置しておいたんですが、プラスチックの丸い蓋に丸い穴がたくさん開いていて、日蝕観察に使えそう? ピンホールと呼ぶには穴が大きすぎるような気もするんですが、 「大は小を兼ねる」 という諺もあることだしー。 うまく像を結ばせるには絶妙な角度にセットしないと駄目なんでしょうが、片手で調整しながら、もう片方の手で写真を撮るというのも大変だと思うので、穴のひとつを加工して、小さな三脚にセット出来るように工夫をしてみました。日蝕観察用穴開き板 “アナーキー1号” 、堂々完成♪

アナーキー1号(全景)♪ アナーキー1号(穴開き部拡大)♪

 自分で作っておいて何ですが、まったく駄目っぽいですな、こりゃ。 やはり穴が大き過ぎるのがネックのような気がするんですが、ここはやはり、実績のある使用済みテレカも用意したほうがいいかも知れませんな。 …という気がしないでもないので、ゴミ箱から拾い上げて再生を試みてみることにしました。 が、無駄な穴を開けただけならまだよかったんですが、短気を起こして折り曲げたのが致命的だったかも知れず、そのままではとても使えるとは思えませんな、こりゃ。 公衆電話が開けてくれた綺麗な穴の部分だけを切り取って、厚紙に貼り付けるしか手は無さそうです。 5つ並んで空いていた穴のうち、3つめと4つめの間のところが折れ曲がっていたので、穴を3個だけ使うことにして、日蝕観察用穴開き板 (改) “アナーキー2号” 、堂々完成♪

アナーキー2号(全景)♪ アナーキー2号(穴開き部拡大)♪

 1号機に輪をかけて、とても使い物になりそうにもないシロモノなんですが、とまあ準備万端整ったところで、いよいよ22日がやってきました。墨俣町では皆既日食は見ることが出来ないんですが、僕の試算では78%くらいは欠ける筈なんですよね。京都で 80%、東京で 75%なので、恐らく “ナハナハ” の78%という読みなんですが、で、肝心のお天気はというと、朝からめっちゃ鈍曇りですなぁ。。。天気予報によると、運がよければ名古屋近辺でも、雲の切れ間からちょこっと見えるかも知れないね。…ということだったんですが、結果から言うと、さっぱりでした。 スーパーの駐車場に車を止めて待機していると、30メートルほど離れたところに止まっていた車の中からママと息子が外に出てきて、日蝕グラスで観察を始めました。 「あ、見えた!ちょっとだけ!」 という声が聞こえてきたんですが、とても太陽が見えるような空模様ではなかったので、恐らくあの息子は嘘つきなんだと思います。 ま、子供にはよくあることなので特に気にもせず、結局、僕は “日蝕かもめがね” を試すこともないまま、やさぐれた気分で水源地へと向かったのでありました。

 もしかして、肉眼では見えそうにも無かった太陽も、日蝕グラスだとちょっとは見えたのかも?…と、子供の発言を端から信用しなかった自分を、こうして自宅で原稿を書きながら少し悔やんでいるところなんですが、こうなったらもう、 “日蝕かもめがね” で白熱電球を観察してやるぅ! おおっ、フィラメントがよく見えて、めっちゃ楽しいっ♪ 部分日蝕なんかよりもこっちのほうが、断然楽しいっ♪ ついでなので、“アナーキー1号” と “ (同) 2号” も試してみますかね? 太陽の替わりに白熱電球の光を当てて、いろいろと角度を変えて、穴をすり抜けた光をコタツ板に投影してやると・・・

アナーキー1号投影(その1)♪ アナーキー1号投影(その2)♪
アナーキー2号投影♪

 おおっ♪ 我ながら、これにいったい何の意味があるのか、さっぱり分からんのですが、何となく無政府主義者な感じぃ? とりあえず、こいつら、何の役にも立たねぇ!…というのが分かったので、2012年5月21日の金環食までに体制を立て直したいと思います。おしまい♪

 とまあそんなことで、今日はドナルド・バードなんですが、これを書いている 7月25日は桑名の花火大会です。今年は不況の影響で協賛金が集まらなかったようなんですが、恐れていたとおり、NTNがスポンサーを降りちゃったみたいです。こりゃ、去年に比べると、盛り上がらないこと必至。それどころか盛り下がる事態さえ懸念されるんですが、とりあえず2尺玉はあがるみたいなんですけどね。 ま、去年が派手にやり過ぎただけで、3年ほど前の状態に戻っただけと思えば諦めもつくんですが、それはそうと、午後2時58分現在、天気が今ひとつです。朝の時点でめっちゃ曇っていて開催が危ぶまれたので、 ここ にある専用ダイヤルに電話してみたんですが、いやあ、緊張しましたなぁ。自動応答とあるんですが、“むじんくん” だって、実は裏にこっそり人が隠れているらしいですからね。電話機の向こうに誰か待機していて、怪しそうな電話が掛かってきたら有人で対応するということも考えられます。誰か人が出たら無言で切ろうと身構えて、おそるおそるダイヤルすると、幸いにもめっちゃ事務的な自動応答が出てくれたんですが、ん? 「桑名水郷花火大会を、“けっこう” いたします」? 飛行機とか船の場合、欠航だとアウトなんですが、 「けっこう仮面」 だったら、こりゃまたけっこうだし、この場合はどっちなんですかね? ま、中止するとか、順延するとかは言ってないので、おそらく決行なんだと思うんですが、と思っていた30分ほど前にザーッと雨が降って、雷が鳴っておりました。 今はもう止んだんですが、さっきの雨で花火がシケっちゃったりとか? ただでさえ今年はシケた花火になりそうなのに、更にシケってしまっては洒落になりません。 ま、今年は個人的にも気合が入っていなくて、場所取りもしてないので、もしかしたら見に行かないことになるかも知れませんが、とまあそんなこんなで、今回は 『バーズ・アイ・ビュー』というアルバムを紹介したいと思います。 『鳥目視線』 でありますな。 ま、正確に言うと “BYRD”と “鳥” とでは綴りが違うんですが、カーナビにもありますよね、バード・ビュー。 上空から見下ろしたような微妙に3Dっぽい表示のことをそう呼ぶんですが、メーカーによっては “スカイビュー” という名称だったりするんですけど。ちなみに僕が買ったミニゴリラでは “ゴリラビュー” という名前になっておりました。ゴリラ目ではまったく上空から見下ろしてくれる気がしないんですが、ま、鳥目だと暗いところではよく見えなかったりするので、どっちもどっちですかね?

 で、これ、トランジションなどというマイナー・レーベルの作品なんですが、サイドマンはかなり豪華です。テナーがハンク・モブレイで、リズム隊はホレス・シルバーと、ダグ・ワトキンスと、アート・ブレイキー。 ブルーノートっぽいというか、まんま、初代ジャズ・メッセンジャーズというか、更にもうひとり、ジョー・ゴードンが入って2トランペットになっているところも興味深いです。 正直、ジョーは余分だじょー。 …という気がしないでもないんですが、トランペッターを2人同時に片付けることが出来て便利だと評価することも出来るし、で、1曲目は「ダグス・ブルース」でありますか。タイトルからして恐らく、ダグ・ワトキンス作のブルースではないかと思われるんですが、クレジットを見ると、作曲者のところははトラディショナルとなっております。どうせマイナー・レーベルだから、誰もレコード買わないしぃ。…というので、適当な名前を付けたものと思われます。僕のこのホームページも、どうせ誰も読まないしぃ。…というので、勝手によそのサイトからパクってきたりと、やりたい放題だったりするんですが、マイナー系の特権でありますな、こりゃ。 とまあそれはそうと、この曲、僕があまり好きではないアーシーなスロー・ブルースでありまして、こんなのが 12分06秒も続くのかと思うと、始まって早々、ちょっぴり憂鬱になってしまいます。 出だしはワトキンスのウォーキング・ベース。 そこにホレス・シルバーのピアノが絡んできて、…という導入部は悪くないんですが、でもって、続いてテーマらしきものを吹くのは、2人いるトランペッターのうちのドナルド・バードのほうということになりますか? こういうのは大抵、リーダーの仕事ですからね。

 テーマらしきものと言っても、テーマらしいメロディは出てこなくて、基本、アドリブだけでいっちゃうタイプの曲だと思われるんですが、しばしトランペットの吹奏が繰り広げられます。児山紀芳クンの書いた日本語ライナーによると、やはり先発はバードで正解っぽいんですが、途中で倍テンポになったりして、意外と盛り上がっておりますな。彼にとってはこれがデビュー2作目ということになるようですが、ブラウニー系のハードバッパーとしてのスタイルは、すでに確立されつつあると言ってもいいでしょう。 でもって、ソロ2番手はモブレイですか。モブレイなのか、モブレーと伸ばすべきなのか、いつも判断に迷うんですが、ここでも後半は倍テンポになって、それなりに盛り上がっております。スロー・ブルースで辛いかと思っていたら、わりと大丈夫ですね。 で、続いてジョー・ゴードンの登場となるんですが、バードの乗りはファンキーで、リラックスしていてブルージーだ。音色はとても艶やかで、色気があり、温か味がある。一方、ゴードンはガレスピーとロイ・エルドリッジを師と仰いでおり、鋭いエッジのあるサウンドで、テンションの強いアタックで吹くが、ソロの構成力は抜群だ。…と、児山クンが書いているあたりを聞き比べのポイントにするといいのではなかろうかと。 でもって、以下、シルバーのソロがあって、バードが1コーラスだけソロを挟んで、テーマに戻って、おしまい。 こうして聞き終えてみると、一応、ちゃんとしたテーマがあったんや。…ということに気付かされるんですが、いや、意外と最後まで飽きませんでした。さっぱりあきませんな。…と、商人が口で言うほど、景気は悪くなかったりするのかも知れません。

 で、次。「エル・シノ」。機械器具設置工事に携わる職人にとって、 “しの” というのは欠かせない工具だったりするんですが、現場監督をしていても、 「そこの “しの” 取って。」 とか、よく言われますよね。果たしてそれは正式な名称なんか?…と、いつも疑問に思っていたんですが、篠金物 (しのがなもの) : 鎧(よろい)の籠手(こて)や臑当(すねあて)などに用いる、篠竹のように細長い鉄板または革板。…というのが語源のようです。シノにも、ええシノと悪いシノがあって、無論、高いシノが “ええシノ” ということになるんですが、で、この 「エル・シノ」 というのはボストンにあったクラブ 「ステイブル」 のテーマ曲なんだそうです。作曲者のところにはハーニーファンとか、マギードといった名前が見られます。 演奏はモブレーが抜けて、2トランペットによるエキサイティングなチェイスをフィーチャーしている。曲はAABA32小節、1コーラスの編成。冒頭、主題のブリッジ (Bセクション) はジョー・ゴードンが吹く。アドリブは、バード→ゴードンの順で、1コーラスずつ、全5コーラスにわたって綴られる。 ま、そういうことになっております。 どうせ誰も読まないマイナーなサイトなので、日本語ライナーを好き勝手に引用したい放題なんですが、この児山クンの曲解説はえらく懇切丁寧で、内容が充実しておりますな。とても全文を引用する気になれない程なんですが、正直、ぼーっと聴いていると、どちらがバードでどちらがジョーなのか、さっぱり分からなくなってきます。中盤以降は8バースやら、4バースやら、2バースやらで2本のトランペットが激しく入り乱れ、ますますワケが分からなくなってくるんですが、終盤、ホレスのピアノ・ソロが出てきて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、2トランペットによるエキサイティングなチェイスでありましたなぁ。ジョーは余分だじょー。…とか、余計なことを書いてしまったのを心の底から反省しております。ジョーくん、大健闘です。

 と、ここまで長めの演奏が2曲続いて、残りは短めのが3曲。 レコードだと恐らく、ここからB面ということになろうかと思うですが、 「エブリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」 。 このタイミングでバラードが出てきてくれて、心底、ほっとしました。ゴードンが抜けたクインテット編成ということなんですが、テーマ部はバードがワン・ホーンでしみじみと吹いております。温かみのあるトーンが心に染みます。からし醤油が口内炎に染みたりはしません。何週間か前までは染みていたんですが、さすがに完治しました。 で、そのままアドリブ・パートへと流れていくわけですが、でもって、続いてはモブレイの登場ということになります。このソロを45回転で速回しをして聴くとチャーリー・パーカーの演奏とウリふたつになるんだそうですが、CDを45回転で聴いたりしたら、めっちゃもっさりとしたものになるんでしょうな。内周で毎分 500回転、外周で 200回転くらいでしたっけ? mp3にリッピングして、速度を速めて演奏出来るようなソフトがあるなら 、パーカーそっくりな速回しモブレイを聴いてみたいところなんですが、終盤、再度バードが出てきて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 気分転換にはちょうどいいナンバーでした。 ということで、次です。 「ハンクス・チューン」 。タイトルからしてモブレイの書いた作品なのではないかと思うんですが、どうせマイナー・レーベルで誰もレコードを買わないと思って、適当なタイトルを付けたものでありますな。 あまり特徴のない、よくありがちなハード・バップ・チューンなんですがゴードン、モブレイ、バード、シルバー、ワトキンスの順でソロ廻しが行なわれます。 で、終盤、ゴードン→ブレイキー→モブレイ→ブレイキー→バード→ブレイキーの順で4小節交換があって、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、ラストです。 「ハンクス・アナザー・チューン」 。いくらマイナー・レーベルで誰もレコードを買わないからと言って、曲名が適当なのにも程があるんですが、日本語ライナーのソロ・オーダーを見ている限り、ゴードン抜きのクインテット編成っぽいですかね? テナー、トランペット、ピアノ、ベースのソロがあって、終盤、テナーとトランペットのチェイスがあって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 そういう演奏が繰り広げられているようです。 とまあそんなことで、今日は以上です。

【総合評価】

 所詮はトランジションだし、ブルーノートやプレスティッジに比べると、落ちるよね。…と、端から馬鹿にしていたんですが、なんのなんの。根がジャズ・メッセンジャーズ だけに中身はなかなか充実しておりました。おまけ扱いしていたジョー・ゴードンだって、かなり頑張ってます。 正直、最後の2曲はちょっと飽きましたが、前半の3曲は傾聴に値する出来であるといっていいでしょう。オススメ♪…とまでは言いませんが、ハードバップ好きなら押さえておいて損はしない出来であると言えなくもない1枚なのでありました。


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