STEP LIGHTLY (BLUE NOTE)

BLUE MITCHELL (1963/8/13)

STEP LIGHTLY


【パーソネル】

BLUE MITCHELL (tp) JOE HENDERSON (ts) LEO WRIGHT (as)
HERBIE HANCOCK (p) GENE TAYLOR (b) ROY BROOKS (ds)

【収録曲】

(01-03) MAMACITA / SWEET AND LOVELY / ANDREA
(04-06) STEP LIGHTLY / CRY ME A RIVER / BLUESVILLE

【解説】 (2009年08月02日更新)

 いやあ、桑名の花火大会でしたなぁ。今年は不況の影響で協賛金が去年の半分しか集まらなかったそうで、端から期待度はゼロだったんですが、“NTN” がスポンサーを降りちゃったのが、あまりにも痛いです。おまけに当日は朝から何とも微妙な空模様でありまして、欠航なのか、決行するのか、それとも “けっこう仮面” なのか、最後まで読めない展開だったんですが、結局は決行されて、烏骨鶏。そういう結果に終わって、まずは何よりでした。萱町にあった故・ヒロシ君 (←さば君の叔父) が経営していた大森屋という八百屋が、いつの間にやら 烏骨鶏本舗 というのに変わっていたんですよねー。 そこで、うちのおかんが 800円相当の買い物をしたところ、花火大会の一般招待券を貰ったらしく、いや、今年は場所取りをしてなかったのでラッキーでしたなー。招待券があれば招待席に座れるんですよね、多分。 招待席というのはアレです。 多分、コレです。 ここの真ん中らへんの写真に “招待された人々” というキャプションがあるんですが、その人々になれるという事だと判断しても、間違いでは無いんですよね? いや、意外でしたな。こういうところはNTNでベアリングをしこたま買ったりだとか、キッチン寿で “はまぐり会席” を100人分注文したりだとか、柿安で牛を1頭買いしたりだとか、そういう特別な功労がないと招待されないものだとばかり思っていました。生涯、僕には縁のない席だと思って端から諦めていたんですが、烏骨鶏本舗で 800円相当の買い物をするだけで、簡単に招待してくれるものだったんですなー。意外と敷居が低かったです。

 花火大会の開始は7時40分、招待席の受付は6時10分からとなっていたので、5時半過ぎに家を出ることにしました。さば家から会場までは歩いて30分弱の距離なんですよねー。天気予報を見ると午後3時頃に傘マークがあったんですが、それ以外は曇り。 で、実際、午後3時前にザーッと雨が降って、しばらくすると止んだので、これで今日の雨は終わった♪…と、すっかり安心していたんですが、会場を目指して歩いている途中で、また雨が落ちてきました。天気は最悪だったんですが、その分、招待席のほうは、なかなかサービスがよかったです。中日新聞の購読者でないと配布されなくて、どうしてウチは朝日なんや!?…と、いつも歯がゆい思いをさせられるパンフレットが付いて、団扇(うちわ)も付いて、更には紙パックのジュースだって1本支給されます。しかも、受付のところでミス桑名がニッコリ微笑んで、手渡ししてくれます。ミス桑名も十念寺のお祭りの時には七福神と一緒に写真を撮られたりして、何かと大変でありますなぁ。 で、招待されて始めて分かったんですが、招待席には特別招待席と一般招待席という、2つのタイプがあるんですな。NTN (←今年は撤退) とか、柿安とかのスポンサーに特別な功労があった人は、特別席のほうに招待されるというシステムになっている模様です。 ま、一般招待席も特別招待席も、席そのものは同じスチール椅子だったので、別に羨ましくはないんですが、特別席のほうは恐らく、スポンサーから特別な供与があったりするんでしょう。柿安だったら牛肉しぐれ煮弁当が出るとか、NTN (←今年は撤退) だったらベアリングの詰め合わせをお土産に貰えるとか。受付では一般招待客と同じ扱いであるように思わせておいて、影でこっそり特別なサービスを受けているに違いありません。例えば、ミスター桑名の兄ちゃんが扇子 (せんす) であおいでくれるとか。一般招待客はミス桑名だけだったというのに、そんな差別が許されていいのか!? …って、いや、別にいいんですけど。

 とまあ、そんな妄想に駆られつつ、一般招待席に到着〜。 何でもいいけど雨がますます強くなって来て、最悪のコンディションでありますな、こりゃ。。。 結局、この日は降ったり止んだりという状況でありまして、一応、カメラと三脚を用意していたんですが、とても落ち着いて写真を撮るような雰囲気ではありませんでした。そもそも招待席というのは、あまり撮影には向いておりませんな。 いや、花火そのものを鑑賞するには絶好のロケーションなんですが、川に浮かぶ船とかを構図に入れようとするのなら、堤防の上の一般席のほうがいいと思います。ちなみにこの一般招待席には椅子が用意されているんですが、その数以上の人々が招待されているようで、受付開始と同時に入場しないと、結局は地べたということになるようです。 が、撮影を目的とせず、純粋に花火を鑑賞するのなら、やっぱり招待されたほうがラッキーです。一般人に比べて、ほんの数10メートルほど川に近いだけなんですが、水中スターマインの迫力が10%ほどアップ♪…するような気がします。この分だと、川に船を浮かべて鑑賞している人々は、ほとんど爆死ムードでしょうな、ありゃ。 で、肝心の盛り上がりのほうはどうだったのかというと、やっぱりちょっと地味でした。NTNのスペクタクル超特大スターマインが無かった分だけ、去年に比べて、しょぼかったです。去年はアレがほとんど全てだったので、それが無いと、ほとんど意味が無かったりもするんですが、でもまあ、不況ですからねー。しょうがないよねー。そういえば、キッチン寿の仕掛け花火も無かったような気がするんですが、昔から、さば兄が “けっちん寿” と言ってたようなケチくさい出し物でありましたので、さほど大勢に影響はありませんでした。むしろ、スポンサーを降りてくれて清々しい気がする程なんですが、中盤に15号が2発、その後、水谷建設が尺玉 (10号) の名品を8発ほど打ち上げて、で、柿安のスターマインはここ数年、すっかりショボくなってしまいましたなぁ。 肉と惣菜とデパ地下部門にも不況の波が押し寄せているんですかね? この分では特別招待席の牛肉しぐれ煮弁当も格下げになって、今年あたりはコロッケ1個だったりするかも知れません。

 とまあそんなことで、最後は桑名観光協会提供の空中ナイヤガラ。 昔は普通にナイヤガラをやっていたんですが、最近は空中ナイヤガラに変わったみたいです。普通のナイヤガラだと、遠くの人にはまったく見えなくて地味なので、空中に打ち上げるようにしたんですかね? 数年ほど前までは中盤を少し過ぎたあたりで柿安が2尺玉を打ち上げて大いに会場が盛り上がり、この分だと、ラストにはどんなデカいのが上がるのか?…と、観客の期待が最高潮に達したところで、桑名観光協会が最後に地味な花火を打ち上げて、遠くの人にはまったく見えない普通のナイヤガラがあって、“おわり”という字が出て、おしまい。…という、尻つぼみもいいところな構成だったんですが、さすがに最近は観光協会のオッサンも少しはアタマを使うようになって来ました。 前半、ケチれるだけケチって、最後にクライマックスを持ってくるようになりました。今年は2尺玉 (20号) 2発を最後の最後に持って来て、辺りが煙で視界不良になっちゃうほどの空中ナイヤガラで、何とか最低レベルの面目は保ったと言えるのではなかろうかと。 が、2ちゃんねるの “東海地方の花火大会情報” というスレでは、、 「桑名しょぼかった」 と書かれてしまっておりました。でもまあ、同じ日にあった岐阜の長良川の花火も 「中日新聞の花火大会はここ数年間で一番しょぼかった」 と書かれておりましたので、どこも似たりよったり?

 とまあそんなことで、最後に撮影の成果のほどを披露しておきましょう。 今年は場所取りをサボったのと、悪天候に阻まれたおかげで写真のほうはさっぱりだったんですが、幸い、去年の分があります。2年前のヤツと、さほど代わり映えしないやぁ。…というので公開を差し控えていたんですが、この際なので復活させちゃいます。

<2008年桑名水郷花火大会・厳選写真集> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 いやあ、よかったですなぁ、去年の花火。 で、今年はですね、雨が止んだ隙を狙って三脚にカメラをセットして、準備万端整って、さあ!…と身構えたら、また雨が降り出してきて、即時撤退を余儀なくされてしまいました。 幸い、終盤は何とか持ち直したので、とりあえず動画だけでも撮ってみることにしました。 では、その成果をご覧下さい。

 『 今年の花火(水谷建設提供)♪ 』 へ ( ← Click Here!! )

 数年前に汚職やら脱税やらで元会長が逮捕された地元の土建屋提供のスターマインでありますな。羽振りがよかった頃は2尺玉を打上げ→元会長が逮捕されてスポンサーを自粛。…という経緯を辿り、ほとぼりが冷めた今年は尺玉8発という内容でありました。尺玉以外の小玉のほうは、ただ形が珍しいだけが取り得のヤツを地味に打ち上げておりましたな。 と同時に、下のほうでは水中スターマインが炸裂し、どっちを撮ればいいのか撮影者が右往左往している様が見て取れる意外、特に取り得のないムービー作品であると言えましょう。静止画だと多重露出を駆使して、実物以上に派手に見せることも出来るんですが、動画だと見たまんまなので、何だかショボいですなー。 でも大丈夫。 今年の数少ない見せ場であったラストの空中ナイヤガラは、動画でも十分にその派手さが伝わるものと確信しております。 では、さばクン渾身の自信作を、とくとご覧下さい。迫力を実感して貰うため、激重になるのは覚悟の上で、サイズを大きくしておきました。

 『 今年の花火(空中ナイヤガラ)♪ 』 へ ( ← Click Here!! )

 2分ほど動画を撮って、2秒ほど休憩。それを3回ほど繰り返してみたんですが、しまったぁぁぁ! “2秒ほど動画を撮って、2分ほど休憩” になってしもとるぅぅぅ!! 家に帰ってワクワク、ドキドキしながら動画を再生してみて、あまりの結果に2分ほど立ち直れませんでした。いつの間にやら、撮影開始と停止の操作が逆になっていたんですなぁ。。。 でも別に悔しくなんかありません。今年の花火はシケていて、とても記録を残すに値するようなものでは無かったですからね。失敗して、むしろ清々しい気がするほどです。もっとしっかりしろ、桑名観光協会っ! 来年こそ、NTTのスポンサー復帰を願わずにいられませんが、みんな、しこたまベアリングを買ってあげてね♪…とお願いしておいて、今日のところはおしまい。

 ということで、今日はブルー・ミッチェルなんですが、来週は個人的な夏レジャーに出掛けるので、このコーナーはお休みとなります。予めご了承下さい。…と、気分はすっかり 立山黒部アルペンルート に飛んじゃっている昨今なんですが、ここに来て問題が発生しました。8月7日(金)に有給休暇を取って、2泊3日で遊びに行こうと思っていたんですが、金曜日に仕事が入ってしまいました。某排水機場で排水ポンプの始動渋滞が発生し、某シオタニくんに調査を依頼したらしいんですが、今ひとつ原因がつかめず、僕のところに話が回って来ました。 僕はとっても優秀なので、始動渋滞の原因が始動器のリミットスイッチの動作不良にあることを突き止めたんですが、その調整を某三菱電機プラントエ○ジニアリングの太田クンに依頼したところ、 「んーと、7日なら。それが無理だと盆明けになりますねぇ。」 という返事が。お客さんに恐る恐る 「ぼ、盆明けでは遅過ぎる…ですかねぇ?」 と、お伺いを立てたところ、「やっぱり盆前にやっておきたいなぁ。」 という返事が。やっぱりですかぁ♪ 太田クンにはしつこく 「半日で終わりますよね?ね?ね?」 と念を押しておいたので、きっと彼ならやってくれるに違いなく、午後から半休を取って立山に向かうことにしようと思います。 その関係もあって、片山津温泉の “ホテル森本” はキャンセルすることにしました。柴山潟で夕日の写真を撮るという、ただ それだけのネタ で1回分を浪費してしまったんですが、あの話はなかったことにして下さい。2日間で室堂と弥陀ヶ原と称名滝を回るには、土曜日も富山に泊まらないと駄目なんですよね。 で、この際、 「おかずまずい」 のところで、いっかぁ。…と、捨て鉢な気分になりかけたんですが、ちょうどその頃に じゃんとこい魚津まつり というのが開催されることが判明したので、 魚津マンテンホテル駅前 に泊まることにしました。海上花火大会があるんですな。いいぢゃん♪ 片山津でも夏休みは毎日花火があるみたいで、いいぢゃん♪…と思っていたんですが、たったの 250発らしいですからね。ショボい花火に未練はありません。魚津のほうは 2000発上がるみたいだし、今年は第40回の節目なので、尺玉40連続を実施。水谷建設の8倍っ♪ 今度こそ2分くらいの動画を撮ってみせますぜ!

 同時に “たてもん祭り” というのもあるんですな。ポケモン祭りに比べると子供のウケはよく無さそうなんですが、パチモン祭りよりは本物っぽいだろうし、国指定重要無形民俗文化財らしいので、けっこう期待出来るのではなかろうかと。魚津の伝統的な踊り「蝶六」を市内中学校3年生女子がハッピ姿にて街流しをします。…というのも大いに気になるんですが、これは日曜日の午後5時からということなので、ちょっと厳しいですかね? 柴山潟の大噴水をバックにした夕日にはちょっと未練が残るんですが、でもまあ、魚津だって夕日は沈むに違いないし、とまあそんなことで、今日は 『ステップ・ライトリー』 というアルバムを紹介したいと思います。ブルー・ミッチェルというと、リバーサイドのトランペッターという印象が強いんですが、ブルーノートにも数多くのリーダー作を残しております。個人的にはこの人の場合、リバーサイド時代のほうが川沿いっぽくて好きなんですが、ブルーノート時代はちょぴり青帳面っぽいところがありますからね。 が、この1枚に限って言えば、サイドマンにソソられるものがあり過ぎるわけでありまして、ジョー・ヘンダーソンレオ・ライトを従えた3管編成。でもって、リズム・セクションはハービー・ハンコックジーン・テイラーロイ・ブルックスでありますか。 かなりの新主流派風サウンドなのではないかと期待されるわけなんですが、とまあそんなことで、では1曲目から聴いてみることにしましょう。

 まずはジョー・ヘンのオリジナルで、 「ママシータ」 。 お母さん、Θ (シータ) なんですかね? それだと毎日、椎茸ばかり食べさせられそうで、ちょっと嫌ですな。 それならまだ、ママα (アルファ) で、毎日アルファルファばかり食べさせられるほうがマシなんですが、一時期、健康野菜として大いに持て囃されたものの、最近とんと見かけなくなりましたよね、アルファルファ。やはり名前がふざけ過ぎているのが敗因なんですかね? とまあ、それはともかく 「ママシータ」。 新主流派っぽいような、ジャズ・ロックっぽいような、それを足して2で割った新流ャズ・ッロっぽいようなナンバーだったりするんですが、いくら足して2で割るにしても、そういう発音しにくい割り方というのは、ちょっとどうか?…という気もするんですけど。 せっかくの3管編成なのにテーマ部はシンプルなユニゾンとなっておりまして、そこのところがちょっと物足りなくはあるんですが、最初にソロを取るミッチェルの出来そのものは悪くないと思います。途中でホーンが絡んでくるところも3管っぽくて、いいと思います。絡みなくして、何のための3Pや?…という気がするので、これはなかなか賢明な措置だと思うんですが、続くレオ・ライトのソロは、ちょっぴりハズれ? いや、当たり外れといった良否の話ではなく、純粋に音がハズれているような気がするんですが、上田篤クンの日本語ライナーを見たら、レオ・ライトのチューニングが狂っていたので、録音当時には発表されず、長らくオクラ入りになっていたという旨の記述がありました。 いや、そう言ってるのは原文ライナーを書いたマイケル・カスクーナくんで、上田クンはむしろ、フロントのアンサンブルの平凡さ、曲によって出来不出来が激しいことが原因ではないか?…と指摘しているんですけど。 何も知らずに聴き始めたんですが、そういうヤツだったんですな、コイツって。

 言われてみればジャケットの “STEP LIGHTLY” という字体も趣味が悪いし、見た目的にも後出し感が横溢しているんですが、そういう事実を知ってしまうと、急速に本作に対する愛着が薄れてきました。巾着ほどにも愛着を持てなくなって来たんですが、ま、チューニングが狂っているおかげでアウトな雰囲気を感じることが出来るし、ジェームス・スポールディングならチューニングが合っててもこんな感じだし、続くジョー・ヘンのソロはそれなりに健闘しているし、3管もよく絡み合っていて、でもって、最後の締めはハービーでありますな。期待されたほどフィーチャーされてはいなくて、やや物足りないところもあるんですが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 2曲目は歌モノの 「スイート・アンド・ラブリー」 。 いいですよね、ラブリー。僕はラブリーが寒ブリよりも好きだったりするんですが、スイートなのもいいですな。 僕は “すいとん” がさほど好きではないんですが、 “スイートなすいとん” なら、ちょっぴり “ぜんざい” っぽくて、いいかな?…という気がします。 そんな気がするだけで、実際に食べたら甘ったるくて気持ち悪いだけだったりするかも知れませんが、テーマ部のアンサンブルはなかなか凝っておりますな。疑いなく凝っていると言っていいと思うんですが、ちょっとクドくて、個人的にはあまり趣味では無いんですけど。 で、ソロ先発はミッチェルなんですが、歌心をたっぷり示していると、辛口評論の上田クンもそれなりに褒めております。 が、続くレオ・ライトはやっぱりハズれているような気がするし、ジョー・ヘンのソロからは丁重な低調さが感じられたりして、最後のハービーでちょっぴり持ち直しはするんですが、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 「アンドレア」 。 ワルツ・タイムのスイートでラブリーなナンバーです。作曲したのはダラスのギタリスト、ロジャー・ボイキンという人だそうですが、子供の頃のあだ名は “バイキン” で、大人になってからのあだ名は “ボッキン” だったりするんでしょうな。 素敵なあだ名に昇格して、何よりです。 で、この曲、オリジナル・タイトルは 「リトル・ステューピッド」 なんだそうで、そっちのほうが何となく感じが出ているような気がするんですが、 「アンドレア」 なと何となく、アンドレ・カンドレの顔が浮かんで来ちゃいますもんね。アンドレ・カンドレの顔ということは、すなわち井上陽水の顔なので、あまりステューピッドなイメージが沸きません。 で、これ、出来不出来ということで言うと、出来のほうだと言っていいと思うんですが、ミッチェル、レオ・ライト、ハービーの順で良好なソロが繰り広げられております。アルトとピアノのソロの間にはアンサンブル・パートが挟まったりします。ジョー・ヘンの出番は無かったような気がします。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 で、次。 アルバム・タイトル曲の 「ステップ・ライトリー」 はジョー・ヘンのオリジナル。 ちょっぴりダルな雰囲気のあるダルビッシュ有。 そういった感じのナンバーだったりするんですが、ダルビッシュ(有)って、そのうち資本増強してダルビッシュ(株)になったりしないんですかね? いや、なったりしないんでしょうな、恐らく。 特に株式化するメリットは無いですもんね。 ま、それはともかく、ここでのテーマ・アンサンブルは、やや単調ですな。ぜんぜんハモってなくて、ただユニゾってるだけですもんね。こういうところが上田クンは気に入らないんだと思うんですが、 アドリブ・パートはトランペット、テナー、アルト、ピアノの順。随所にホーンが絡んでくるあたり、1曲目と同じパターンであると言えるでしょう。作曲者だけに活躍が期待されたヘンダーソンが割と地味だったのがちょっと残念なんですが、その分、はっちゃけたレオ・ライトのソロが悪目立ちしておりまして、で、最後を締めるハービーはそれなりに健闘しております。 が、鉦と太鼓の音にかき消されてしまっております。 いや、今ちょうど石取祭りなんですよね、桑名。 花火大会同様、天気が何とも微妙なんですが、今は雨が降っていないので、かなりやかましくなってきました。 “日本一やかましい祭り” らしいですからな。果たして、それを誇っていいものなんだかどうだか、よく分からなかったりするんですが、少なくとも “日本一やましい祭り” よりは、マシ? …とか言ってるうちに、テーマに戻って、おしまい。

 5曲目、 「クライ・ミー・ア・リバー」 。 歌モノです。バラードです。でもって、暗いです。 が、バラードは暗くて正解なので、特に異存はありません。 基本、ミッチェルがメロディを切々と歌い上げ、そこに2本のサックスが絡むというアレンジが施されているんですが、陰影感が豊かだと上田クンもそれなりに評価しております。言うほど長い距離を泳いでいるようには聞こえてこないんですが、遠泳感ではなくて陰影感なので、当然のことなのかも知れません。 で、ジョー・ヘンのソロもフィーチャーされるんですが、どうにも鉦と太鼓がやかましすぎて、素直に音楽の世界に入っていけませんな。石取期間中はバラードの鑑賞には不向きであるかも知れません。 で、ラスト。 「ブルースヴィル」 。作曲者として S.Kyner の名前がクレジットされておりますが、これはアルト奏者、ソニー・レッドの変名かいなー? 恐らく、それで正解だと思うんですが、どこかで聴いたことのあるナンバーだったりしますよね。恐らくソニー・レッドのアルバムで聴いたんだと思うんですが、タイトルどおりのシンプルなリフ・ブルースでありますな。 が、息苦しいほどアーシーというわけではなく、むしろ軽快にハード・バピッシュだったりするんですが、ミッチェルのソロは本アルバムで一番の出来であると言っていいのではなかろうかと。何というか、川沿いリバーサイドな雰囲気が感じられます。続くジョー・ヘンのリラックスした吹きっぷりも寛いでおりまして、そこにホーンが絡んでくるという手法もマンネリ気味ではありますが、それなりに効果的で、チューニングの狂ったレオ・ライトが出てこないところもよく、その代わりにほんの短くミッチェルが顔を出して、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いや、最後は悪くなかったですな。とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

【総合評価】

 強力なサイドマンを従えた割には “強力わかもと” くらいの薬効しかなくて、やや物足りないものがありましたが、所詮はオクラ入り作品ですからなぁ。 が、最初に過度の期待さえ持たなければ、適度な “ぬるま湯感” は、それなりに疲れをほぐす効果があって、熱い風呂が苦手な人には悪くないかも知れません。ラスト2曲が悪くなかったので、トータルとしての印象もやや向上しました。やはり花火大会でも何でも、最後の締めが大切なんですなぁ。…というのが実感出来る1枚なのでありました。


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