INTERACTION (ATLANTIC)

ART FARMER (1963/7/25,29,8/1)

INTERACTION


【パーソネル】

ART FARMER (flh) JIM HALL (g)
STEVE SWALLOW (b) WALTER PERKINS (ds)

【収録曲】

(01-03) DAYS OF WINE AND ROSES / BY MYSELF / MY LITTLE SUEDE SHOES
(04-06) EMBRACEABLE YOU / MY KINDA LOVE / SOMETIME AGO
( 07 ) LOADS OF LOVE 
【解説】 (2009年08月13日更新)

 僕は今、立山におります。立山と黒部をアルペンでルートしようという、そういう魂胆なんですが、アルペンルートというのはとにかく混みます。小鳥屋にコンドル買いに行ったら、混んどる。…という話はよく耳にするんですが、小鳥屋と同じくらい混んどるのがアルペンルートだと言われております。小鳥屋にコンドルなんか売ってるのか?…と言われると、おそらく絶対、そんなものは売られていないような気がするんですが、ちっとも小さな鳥ではないですもんね、コンドル。 ま、それはともかく、アルペンルートで混雑を避けるには、朝イチでケーブルカーに乗るのが得策のようなんですが、この朝イチというのが嫌がらせとしか思えないほど、めっちゃ早いんですよね。夏休み期間中は朝の6時から、お盆には臨時便 (りんじびん) が出て、5時40分から運行が開始されるみたいです。そんな早くから運行されたら、ゆっくりウンコしている暇もないんですが、となると、ケーブルカーの駅になるべく近い宿に泊まるのが得策ということになります。 ということで、やってきました、千寿荘。ケーブルカーの駅まで、徒歩1分。これは便利です。詳しいことはリンク先の宿ネタのほうを見て貰うとして、これだけ近ければ、朝、ゆっくりウンコをしても大丈夫ではないかと思うんですが、下痢気味で予期せぬ臨時便 (りんじべん) があったりすると、ちょっとヤバいかも知れませんけど。

 あまりにもロケーションがよすぎて、すぐ予約でいっぱいになることが懸念されたんですが、金曜日の夜に泊まることにしたので、大丈夫でした。こういう時のために有給休暇があるわけですからね。有給を取って悠久の時を過ごすべく、早めに片付けておかねばならない仕事は先送りすることにして、ぼーっとしながら8月7日(金)がやってくるのを楽しみにしていたんですが、1週間前になって、急遽この日に仕事が入ってしまいました。某・排水機場のポンプ駆動用のモータの始動期の調子が芳しくなく、その調整を某・三菱電機プラントエンジ○アリングというところに依頼したんですが、そこの太田クンがですね、7日じゃなければ、無理っ!…と、わがままなことを言ってきたんですよね。客は客で、盆休み前に何とかしろ!…と、ご無体な要求を突き付けてくるし、おまけに、かなりお値打ちに見積りを出したにも関わらず、めっちゃ値切られて、僕の取り分が1000円だけになってしまいました。そんなに値切られたら、ネギしか買えんやん! こうなったらもう、禰宜 (ねぎ) さんに文句を言ってやるぅ!…と思ったんですが、神職に文句を言ったところで何がどうなるわけでもないので、これはもう、おとなしく諦めるしか無いですかねぇ。。。幸い、太田クンは 「ちょいちょいと調整するだけ」 みたいなニュアンスの発言をしておりましたので、恐らく半日で片付くと思うんですよね。それなら午後から半休を取って立山に走ればいいので、ダメージを最小限に押さえることが出来ますよね。

 とまあ、そんなこんなで8月6日(金)。 太田クンからは特に何の連絡も無かったので、こちらから会社に電話してみることにしました。 「えっ? 明日でしたっけ? すっかり忘れて、他の現場を入れちゃいましたぁ♪」 とか、そういう事になればラッキーなんですが、太田クンを悪者にして、堂々と作業を盆明けまで延ばせますもんね。おまけに、約束をすっぽかしたペナルティとして作業費を値切ることも出来て、まさに一石二鳥でありますな。…と思っていたんですが、世の中、なかなか僕の思うようには進んでくれませんでした。太田クン、しっかり約束を覚えておりました。 いや、太田クンは外出中で、電話に出たお姉さんに 「太田は明日の18時まで戻らないことになっておりますがー。」 と言われてしまったんですが、その明日の行き先とやらを確認したところ、僕の予定ときっちり一致しておりました。ああん、やっぱりぃ。。。 ま、それは最初から覚悟していたので諦めもつくんですが、ただ、帰社予定時刻が18時というのがちょっと気になります。 「ちょいちょいと調整するだけ」 と言っておいて、も、もしかして、16時半くらいまで粘る予定だとか? その現場から立山まで4時間半かかるとして、千寿荘に到着するのが夜の9時になっちゃうとか? 太田クンは鳥目の僕に夜間ドライブを強要して、事故らせるつもりなんでしょうか?

 予め、千寿荘に夕食キャンセルの電話を入れておいたほうがいいのかどうか、ちょっと悩んだんですが、ま、当日の太田クンの仕事ぶりを見て、こりゃ、駄目だ。…と判断された時点で連絡を入れても間に合いますかね? とまあ、そんなこんなでブルーな気分のまま、8月7日がやってまいりました。 結論からいいましょう。太田クン、大丈夫でした♪ 10時半には作業が終わってしましました。 太田クンは極めて優秀な技術者でありました。…とかそういうことではなくて、不具合の原因は予め僕が突き止めていましたからね。太田クンはただ僕の指示に従って、ちょいちょいと調整をしただけなので、称賛するに値しません。 というか、助手と2人で1時間半、ちょいちょいと調整しただけで、14万4千円も取るのか?…と、不満を覚えずにはいられませんが、僕の場合、1時間半もの間、指図をしたり、ブレーカーを入れたり切ったり、作業写真を撮ったりと忙しく動き回って、人工賃はたったの1000円ですからね。時給666円ですか。ほとんど最低賃金なんですが、しかも予定より早く片付いたので、午後からの半休予定を変更して、1日の休みにしちゃいましたからね。 結局、タダ働きということになってしまいました。

 ただ、予定よりかなり早く出発出来たのはラッキーでありました。この分だと午後3時過ぎには立山に着けそうですなー。 スケジュール的に厳しそうなので諦めていた 称名滝 に行けるやん♪ ウキウキとした気分で快調に東海北陸道を飛ばすサバ君でありましたが、途中から半端でない激しい雨が降ってきました。小矢部・砺波ジャンクションから北陸道に入った頃には少し小降りになって、東のほうの空が少し明るくなってきたので、立山に着いた頃には止むに違いないという希望的な観測が持たれたんですが、世の中、なかなか希望どおりにはコトが進まないものなんですなぁ。立山に着いたのに、ちっとも雨は止んでおりませんでした。称名滝へ行くには、ここから車で20分ほど走ったところにある駐車場に車を止めて、そこから片道30分ほど歩かなければならないそうで、もういいっ!その辺の川を見るから、滝なんか行かないっ! 行けなくたって、ちっとも悔しくないっ! ということで、その辺の川とかをコンデジで撮った写真を掲載しておきます。

<立山駅周辺散策> (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ちょうどいいタイミングで富山地方鉄道が駅に入ってきて、 ばっちり“撮り鉄” できて、めっちゃラッキー♪ 砂防博物館の近くにはトロッコが展示されていたりして、見所満載っ♪ その辺の川も落差350mの称名滝にはちょっと負けるものの、落差35cmくらいのプチダムみたいになっていて、迫力満点っ♪ 立山駅の売店でお土産も買えたし、その直後、店から出たところで財布の小銭をぶちまけてしまって、とんだ恥曝しでありましたが、通りがかりの親切な兄ちゃんと可愛いギャルが拾うのを手伝ってくれて、人の温かさに触れることも出来ました。 雨の中を歩き回ってズボンの裾がびちょびちょになっちゃいましたが、それもまた1年くらいしたら楽しい旅の思い出になるに違いありません。現地点ではただウザいだけなんですが、それもすべて時間が解決してくれるでしょう。 とまあそんなことで、千寿荘にチェックインして、風呂に入って、ご飯を食べて、部屋に戻ってきたところなんですが、ま、あくまでも本番は明日からですからね。朝の時点で、土曜日の富山の天気予報は、終日 “曇り” となっていたんですが、今日、めっちゃ雨が降ったおかげで、明日はめっちゃ晴れるとか? ワクワクしながらテレビで天気予報を見ると、ん?富山地方は午前中、雨??? それを見て、すっかり気分が落ち込んでしまったんですが、とまあそんなことで、僕は今からフテ寝します。 じゃ、おやすみっ!

 ということで、おうちに戻って、今日はアート・ファーマーなんですが、いやあ、ちっともフテ寝出来ませんでしたな。 ま、詳しくは ここ を見て貰うとして、で、翌日はやっぱり天気が今ひとつだったりして、以下、詳細は次号。 ということで今日はアート・ファーマーなんですが、 『インターアクション』 、いってみましょうかぁ。 わりと普通にオーソドックスなハード・バップを演っていたプレスティッジ時代に比べて、アトランティックのファーマーは、やや企画モノっぽい作品が多くなるんですが、トランペットではなく、フリューゲルホーンがメインになったりもしますよね。 で、コイツもピアノレスでジム・ホールのギターが入ってたりして、やや変則的なセッションであることが予想されるんですが、ということで、では1曲目から聴いてみましょうかぁ。

  「デイズ・オブ・ワイン・アンド・ローゼズ」 、日本名 「酒とバラの日々」 、通称 「酒バラ」 。 神戸連続児童殺傷事件の “酒鬼薔薇” という名前を見て、この “酒バラ” が頭に浮かんだという人は少なくないと思いますが、それと同様、この 「酒とバラ」 という字面を見て、“鮭とば” を食べたくなるという人もいるに違いありません。 “鮭とばイチロー” とか、人気がありますもんねー。 個人的にはさほど食べたいとは思わないんですが、あまり好きではないですからね、鮭。ノリ弁のシャケを “ちくわ天” に変えられる店なら、僕は迷わずチクワのほうを選びます。 いや、ノリ弁は白身フライを“ちくわ天”に変えられるのであって、シャケは普通にシャケ弁でしたかね? ま、そんなことは別にどうだっていいんですが、そんな僕にとってこの “酒バラ” というのは、さほどソソられるものがない曲だったりします。 最初っからこれではちょっと気が重くなってしまうんですが、実際に聴いてみたところ、フリューゲルとギターという取り合わせが何とも言えずにソフトで、ちっともハードでなくて、ちょっとアレですな。 テーマの後、そのままファーマーのソロになって、続いてギターのソロが出てくるんですが、個人的にはさほどコーフンするような出来ではありませんでした。 などと適当な評論を書いていると、通りがかりの誰かに 「何なのか分からないけど、単に素人の主観に過ぎず」 とか言われてしまうに違いなく、所詮は個人のHPなんだから、素人の主観以外に何を書けちゅうねん!?…という気がしないでもないんですが、続くスティーブ・スワローのベース・ソロも、立っているのが辛くて、さっさと座ろうという気分になってくるし、とまあそんなことで、終盤、フリューゲルとギターのデュオがあったりして、でもって、テーマに戻って、おしまい。

 ということで、次です。 「バイ・マイセルフ」 。 立山の千寿荘はお茶を入れるのもセルフ、電子ジャーからご飯をよそうのもセルフ、布団を敷くのもセルフな、バイ・マイセルフな宿だったんですが、いや、そのほうが自分で好き勝手に敷布団を2枚敷けたりするから、よかったんですけどね。旅館の敷布団は薄っぺらくてシケた敷布団であることが多いので、2枚敷けたりすると助かります。 で、演奏のほうはというと、ギターのイントロに続いてファーマーがしみじみとテーマを歌い上げ、以下、ステッディなドラミングを底辺に、フリューゲル・ホーン、ギター、ベース3者の、軽快なからみとソロが楽しめる。…と、油井正一センセイが書いているとおりの演奏が繰り広げられております。 確かにこれ、3者のからみ具合がなかなか複雑ですよね。インタープレイというか、インターンシップというか、インキンに湿布というか、 “六一〇ハップ” とか、よく効くみたいですね。 さば兄はアスター軟膏派みたいなんですけど。アスター軟膏も確かによく効くんですが、アスター臭いのが難点でありまして、ちなみに 「アスター軟膏G」 は、同社 「アスターG軟膏」 と比べると水虫への効果がUPしたお薬になります。…という位置付けなんだそうです。 おくすりナビ にそう書いてあるんですが、その代わり 「イオウ」 が無くなった為、 「カチコチ水虫」 への浸透力は低下したと思われるようです。なるほど、アスター臭いのは硫黄が原因だったんですなー。言われてみれば確かに、そっち系統の臭さだったような気がします。 とか言ってるうちにテーマに戻って、とまあそんなことで、おしまい。

 今日のアルバムはあまり書くことがなくて、我ながら酷くて、見るに絶えない出来であるような気がするんですが、気を取り直して、次。 「マイ・リトル・スウェード・シューズ」 はパーカー作のラテン曲で、今度こそ御陽気な盛り上がりが期待されるところなんですが、実際のところは、んー、まあまあ? 冒頭、フリューゲルとドラムスとの絡みはなかなか面白く、そこに更にギターまで絡んで、この編成で考えられる最大限の “はっちゃけ” が展開されるんですが、でもって、ソロ先発はジム・ホールでありますか。 で、これを聴いてて気が付いたんですが、どうも全体的に寂しい感じがしてしまうのは、ピアノが入ってないのが最大の要因ではないかと思われます。白人とか知性派の人とかは、とかくピアノレスに走りがちなんですが、知性に溢れていても黄色い人種である僕は、どうもピアノの音が聞こえてこないと物足りません。アルバムの選択ミスだった!…と、ここに来て気付いた次第でありますが、今さら後戻りは出来ません。栄光のゴールを目指して、突っ走る所存でありますが、続くファーマーのソロは意外と骨があって、悪くありませんな。小骨の多いサバの味噌煮は食いにくくて駄目なんですが、これくらいの中骨なら問題はありません。 続くドラムスのソロは、タイコそのものにはまったく迫力が感じられないものの、部族的な怪しい声が聞かれたりして、珍味好きにはそれなりに楽しめるかも知れません。 とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。

 4曲目、 「エンブレイサブル・ユー」 。 静謐なバラードです。ファーマーとジム・ホールの持つ知性が色濃く感じられます。こうして聴いてみると、アート・ファーマーという人は黒人トランペッターとしては稀有なスタイルの持ち主でありますな。見た目は普通に水野晴郎なんですけどねー。 で、次。 「マイ・カインダ・ラブ」 。 タイトルは 「僕の下院だ、愛」 でも 「私の痒んだ、愛」 でもなく、“KINDA” というのは “KIND OF” の事なんだそうです。 愛し合った結果、毛ジラミをうつされて、痒んだぁ。…とか、そういった事態は知的なファーマーやジム・ホールには考えられませんもんね。 演奏のほうも実にインテリジェンスな仕上がりとなっておりまして、全体として、やや盛り上がりに欠ける嫌いが無いわけでもないんですが、ファーマーのソロそのものは、それなりに下院だと思います。 で、次。 「サムタイム・アゴー」 。 あご勇みたいにアゴが出ている生徒は、英語の授業で 「サムタイム・アゴー」 とか、 「ア・ロング・ロング・アゴー」 とか、そういう文章が出てくる度に笑いが取れて何よりですが、そんなん、何も 「何より」 ちゃう!…と、本人は思っているかも知れませんけど。 で、演奏のほうはアレです。ステッディなドラミングを底辺に、フリューゲル・ホーン、ギター、ベース3者の、軽快なからみとソロが楽しめるようになっております。特にスティーブ・スワローが大きくフィーチャーされていて、ベース・ソロ好きには、こたえられません。 が、ベース・ソロ嫌いには、耐えられません。

 ということで、ラストです。 「ローズ・オブ・ラブ」 。 これはアレです。CDオマケ曲です。 この吹込み時の最終テイクで、これまでアメリカ国内でのみ 「マイ・カインダ・ラブ」 と入れ替わって発売されていたそうです。コイツに関する油井センセイの解説は、そんだけ。 どうでもいいんですが、僕は昔、油井センセイのことを、あぶら・い?…と思っていたんですが、でもまあ、どうでもいい話なので先に進むことにすると、これ、他の曲に比べると、ほんのちょっとだけ陽気な雰囲気があったりしますな。そういうところがアメリカ人に評価されて、 「マイ・カインダ・ラブ」 と入れ替えられたのではないかと思うんですが、CDの最後にこれが入ったおかげで、ほんの少しだけ明るい気分になることが出来ました。 とまあそんなことで、今日は前半も後半もちょっぴり短めになっちゃいましたが、以上です。

【総合評価】

 こんな地味なのを選んだ僕が間違ってました。すいません。 こういうの、好きな人は好きなんだと思うんですが、僕はどうもあまり好きになれません。 そんなのを、ジャケ絵を書くのが簡単そう♪…という、ただそれだけの理由で選んでしまって、返す返す、申し訳ありません。。。


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