幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 12月11日 ● 次も女だったら、どうする。

 皇太子妃雅子さんが妊娠したらしいと、新聞もテレビもトップニュース扱いで報道しています。たまたま大きなニュースがなかったからとは言え、そこまで大騒ぎするようなことかと思いますが、一部マスコミの報道はますますヒートアップしているようで、相変わらず皇室関連報道というのは特殊な世界だと痛感しました。

 そもそも言葉使いが変。「ご懐妊の兆し」って普通は使わない言い方ですよね。「妊娠の可能性」で十分。これが松田聖子だったら「妊娠騒動」とか書かれてしまいますよ。昭和天皇が危なくなった時も「下血」を始め随分妙な言葉が連発されましたが。今回も出産までの間に、そういう聞き慣れない単語や言い回しがたくさん登場するんでしょう。

 僕は前にも書いたように、基本的に天皇制は廃止するべきだと考えています。イデオロギーの問題ではなく、人権問題として捉えて反対しています。血統によって人間に貴賤を認めることは、全ての差別問題とリンクしてきます。天皇家を高貴な血筋だとするならば、当然その反対に賤しい血筋も存在することになります。それが部落差別や人種・民族差別に結びつくことは自明の理です。また、天皇家の人々自身も基本的人権を制限された逆差別の環境下に置かれていることも間違いありません。

 天皇制の是非に関してはイデオロギーとの関連もあって、なかなか踏み込んだ議論が行われていないのが現状です。しかし、少なくとも天皇家の人々の人権に関しては、今回の雅子さんの妊娠騒動ひとつとってみても、かなり侵害されていることが明らかでしょう。彼女には想像を絶するほどのプレッシャーがかかっています。なにせ妊娠するだけでもひと苦労だった人に、男の子を生むことを日本中から期待されているわけですから、その心痛やいかばかりかと同情に堪えません。妊婦にそんなストレスを与えては良くないことは誰だってわかります。でも、それを許してくれないのが現在の日本の天皇制なのです。もし女の子が生まれてきたら、その子も可哀想ですよね。なんか江戸時代の話のようです。

 せめて皇室典範を変更して、女性でも天皇になれることにすれば良いと思いますがね。まあこれに関しては、今回生まれてくる子どもが女の子だった時には、多分議論が起きるに違いありません。女児しか生まれてこない天皇家なのに、天皇は男子に限るという条項を残す限り、天皇制が自ら崩壊するのは間違いないからです。うーん、そういう意味では、雅子さんには可哀想だけど、また女の子だと面白いかな。「面白い」なんて書くと、右翼の人に怒られそうだけど。



 
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