1998年12月中旬のコーカイ日誌



  理にかなっているグランパスの補強。(98/12/20)
 フリューゲルスの吸収合併、ヴェルディから読売新聞が撤退、ベルマーレの大胆なリストラ、ドゥンガやジョルジーニョの退団と、Jリーグに不況の風が吹き荒れる中、グランパスだけが別世界のように資金力にものを言わせた補強を重ねています。契約を更新するかどうか注目されていたストイコビッチと1億8千万円で再契約。さらにベルマーレから呂比須を獲得。ポストプレーができるFWという願ってもないタレントを得て、ストイコビッチとの黄金コンビ誕生です。しかもグランパスはフリューゲルスの(と言うより日本代表の)MF山口とGK楢崎も獲得濃厚と言われています。山口が望月とコンビを組めば中盤の底は万全。さらに30代の伊藤の後釜として楢崎を据えることができれば、攻守ともに補強は完璧だと言えます。

 GK楢崎、センターバックにトーレスと大岩、サイドバックにベテラン石川康とU-21代表の中谷。ボランチに山口と望月の日本代表コンビ。攻撃的MFにストイコビッチと平野。そしてFWに呂比須と福田、もしくは小倉。控えに岡山、野口、古賀、浅野、飯島とベテラン新鋭入り混じり、これに外国人選手を加えたら、弱点と言われた層の薄さも完全に解消されます。ドゥンガやジョルジーニョの抜けたジュビロやアントラーズよりも戦力は充実したと言っても言い過ぎではありません。

 この一見金にあかせた補強方法は、プロ野球のジャイアンツに似ているような印象を受けるかも知れません。確かに他球団の主力をいきなり持ってくるところは一緒ですが、実はジャイアンツとは大きな違いがあります。それはグランパスの補強は自チームの弱点を把握して的確に補って強くしている、きちんと的を射たまさに文字通りの補強なのです。ポストをこなせるFW、浅野に代わるボランチ、伊藤の後を託すGK。その点、落合がいながら広沢、石井、清原と同タイプの一塁手を立て続けに獲得した定見のないジャイアンツとは全然違います。これでグランパスが優勝したら、まさにこれはフロントの勝利だと言えます。昔は素人のようなフロントと酷評されたグランパスですが、いつの間にかしっかり成長したものです。これで後はベンゲル監督を取り返すだけですが、さすがにそれはちょっと無理かなぁ。
本当は好きじゃないのに。(98/12/19)
 また会社の忘年会&送別会の幹事をしました。毎月50人規模の宴会を仕切るのは大変です。完全に業務がひとつ余分にある感じですね。今年度は僕の部が担当なので来年3月までは逃げられないのですが、この1年は特に歓送迎会が多いので余計にしんどい思いをしています。

 今年は必ずビンゴを最後にやっているのですが、うちの部のK田がその担当をずっと引き受けてくれて、ハイテンションでビンゴの司会をしています。この忘年会などは、とうとうビンゴマンに扮して着ぐるみの衣装をオリジナルで作り、登場する時の音楽までプロのテノール歌手に頼んでオリジナルソングを録音してしまいました。もちろん忘年会では大受けでしたが(なにせ全身金ぴかタイツで頭の上に小さなビンゴを載せてクルクル回すんですから)、ただ彼は実は本当にそういうことが好きでやっているわけではないのです。あくまでもやらなくてはいけないのなら楽しんで貰おう、というだけの気持ちで頑張っているのに「好きなんでしょ、そういうこと」と言われると、ちょっとショックのようです。

 K田の気持ち、本当によくわかります。僕も一昨年に続いての幹事なので、この3年ですでに10回ほども幹事業務及び司会進行をしています。もはや我々の局では僕が宴会を仕切るものだと思いこんでいる節すらあります。それもきっと「好きでやっている」と思われているんでしょう。そうじゃない、と言っても「でも嫌いじゃないでしょ」と突っ込まれて終わりです。確かにどうしてもイヤなほど嫌いじゃないんですが、さりとて毎回幹事をやらされて嬉しいはずもありません。ただ役回りなだけなんです。役回りだからせめてちゃんとやろうと思っているだけなのに、それがどんどん自分の思いとは違う方向に引きずられてしまっているんです。

 仕事でも遊びでも、たまたまそういう役回りが続いただけなのに、「好きでやっているんだ」「向いているんだ」「これからもどんどんやってもらおう」ということで、損なことを押しつけられている人って多分いっぱいいるんじゃないのでしょうか。そういう人は自分の性癖をどんどん周りから決めつけられドツボにはまりながら人生を流されていくのかも知れません。本当は好きじゃない、本当は別のことがしたい、そう心の中で叫んで、いつか会社をやめてやる、と思っている人が世の中にはきっとたくさんいることでしょう。親の期待、上司の勝手な思いこみ、友人の膨らませたイメージ。世の中には誤解と偏見が満ちていて、そういうものに耐えながらみんな生きているんです。ここから抜け出すには「本当は嫌いなんだー!」と爆発してみせるしかないんでしょうか。ま、それが簡単にできないから難しいんですけどね。
減税、空爆。でも『眠れる森』。(98/12/18)
 9兆円という大規模減税案が自民党でまとまりました。これがそのまま景気回復につながるのかどうかは定かではありませんが、赤字国債を発行してますます将来の財政が苦しくなることだけは確かです。そう考えると、減税もひとつの博打ですね。うまくツボにはまれば景気が回復して税収も増えて万々歳ですが、逆にはまると雪だるま式にドツボにはまりそうです。

 世界に目を転じると米英共同でのイラク空爆。国連査察を拒んだから、という理由ですが、結局アメリカの対イラク政策が転換したということでしょう。叩いた以上、もう査察は難しい状況になりました。ある程度しっかりと叩いておかないと、いつイラクに逆襲をくらうことになりやも知れません。そういう意味では。この空爆も一種の博打であったことがわかります。もっとも博打じゃない戦争なんて世の中にないのかも知れませんが。クリントンには不倫問題をうっちゃる最後の一手でもありますしね。

 で、こういう大事件よりも恐らく明日のオフィスやキャンパスで話題になるのが『眠れる森』であることは間違いなしです。いよいよ記憶を取り戻す中山美穂。真犯人は誰か。次週の最終回に向けて盛り上がりまくっています。予想通り本上まなみもユースケ・サンタマリアも死にました。最終回では仲村トオル、そして木村拓哉も死んでしまうのではと思われます。肝心の犯人は今週の話で仲村トオルにぐっと傾いてきました。本上まなみが呼び出したのは仲村トオル。横恋慕で中山美穂の姉を殺したのも彼だとすると、まさにキムタクとユースケの関係そのままに、陣内と仲村が当時争っていたことになります。そのあたりが動機かと思えますが、まだどんな展開があるのか、このドラマは油断はできません。ただ教会に200万円を寄付したのは岡田真澄のようだし、複数犯人説もここは捨てがたいですね。

 ところで仲村トオルと中山美穂って言えば「ビーバップハイスクール」の時のトオルと今日子ですよね。あの頃のヤンキーが今では出世したもんです。ところで僕は最初このドラマの仲村トオルの役は、豊川悦司がやれば完璧だったのに、と思っていました。そもそも仲村トオルと陣内孝則がどうしても同級生には見えなかったからです。でもトヨエツが出たら主役のキムタクを食ってしまう恐れは十分にありますし、トヨエツ&中山美穂というのも映画『LOVE LETTER』のコンビですから新鮮味はどちらにしてもありません。ま、ドラマ乱立の時代ですから、同じようなキャストで回していてもすぐに組み合わせに詰まってしまいますけどね。
SMAPはトリを取れるか。(98/12/17)
 今年の紅白の曲目が発表されました。昔はその年のヒット曲をズラリと並べておけば良かったのですが、最近は流行っている歌と紅白を見る人が知っている歌との乖離が激しくて、そう簡単にはいかないようです。年々、歌謡曲がターゲットに合わせてセグメントされつつあるこの時代の紅白の難しさは、この曲目の選択をみてもよくわかります。

 まず注目のアムロですが、去年最後のステージとなった紅白で歌った「CAN YOU CELEBRATE?」をまた今年も歌うことになりました。1年間まったく進歩なしというわけです。ま、休んでいたんだから仕方ないとも言えますが、なんだか1998年はなかったことにしよう、というNHKからのメッセージのようにも受け取れます。次に注目の西田ひかる(笑)。なんで出るの?と思われた方も多いでしょう。その答は「ザッツ ディズニー ファンタジー」という曲選択で判明しました。今や彼女は由紀さおり・安田祥子ちょっと怖いぞシスターズ同様、流行歌を全然知らない人にも紅白を見て貰おう路線用歌手だったのです。バイリンで健康的で優等生でオヤジ好みの西田ひかるならではでしょう。もっとも、もはや現役歌手ではないことも明らかになってしまいましたが。

 紅白がいつから「思い出のメロディー」になったのかと思わせるのが、郷ひろみ「セクシー・ユー」、西城秀樹「傷だらけのローラ」、武田鉄矢「母に捧げるバラード」、谷村新司「チャンピオン」といった白組のラインアップ。30代〜40代に懐かしく聞いてもらおうということでしょうが、そういうことは紅白でなくてもいいんだけどね。もっとも橋幸夫「いつでも夢を」までいってしまうと逆に清々しい気さえしてきますけどね。この際だからパートナーは吉永小百合の代わりに、今回落選してしまった広末涼子にやってもらったらどうでしょうね?早稲田つながりということで。

 曲選択でちょっと疑問を感じたのは、Kiroro「未来へ」。ここはやはり「長い間」でしょう。T.M.Revolution「THUNDERBIRD」も僕は好きな曲ですが、彼の中では今年一番地味だった曲ではないでしょうかね?華原朋美「dairy news」も、かなり外した歌なのにねぇ。そんな中、至極納得の選曲はSMAPの「夜空ノムコウ」です。大ヒット曲でしかも名曲。トリはSMAPでいきましょう、って感じですよね。

 ただ問題はこれに対抗する紅組の楽曲がないことです。ELTの「Time goes bye」は良い歌だしヒットしましたが、トリにするには知名度が低く抵抗が大きいでしょう。モーニング娘。「抱いてHOLD ON ME」も新人にしては売れましたが、所詮新人だから無理でしょうね。その点、話題性ならSPEED「ALL MY TRUE LOVE」が紅白史上最年少のトリということになりますので抜群です。SMAPとともに今年を代表する人気グループということでも好一対です。少なくとも堀内孝雄「竹とんぼ」対石川さゆり「風の盆恋唄」なんて対決よりは今年のトリに相応しいと思うのですがね。

 ところで紅組には必殺の隠し技が用意されています。それは小林幸子「風といっしょに」。今年もサッチャンは派手なんだろうな、という期待だけではありません。この歌は実はポケモンの主題歌として秘かに大ヒットした歌です。歌手の格と言い、歌のヒットと良い、今年は小林幸子でトリは決まりですかね。
忠臣蔵なんて知らない。(98/12/16)
 来年のNHK大河ドラマは『元禄繚乱』、すなわち忠臣蔵ということです。僕は滅多に大河ドラマというものは見ないのですが、それにしても忠臣蔵とは新鮮味がない題材です。確かに戦国時代も幕末もやり尽くしたのかも知れませんが、だったら久しぶりに明治以降、特に戦前から戦後にかけての動乱期を描いたりしたら新鮮だろうに、と思うのです。しかし、どうもその時代はまだまだ大河で取り上げるには微妙なようで、NHKとしては朝の連続テレビ小説にお任せという感じですよね。つまらないことです。

 で、その忠臣蔵ですが、先ほども書いたように僕たちには今さらという感が強いのですが、なんとテニスサークルのメンバーの中に忠臣蔵とはなにかも知らない人間がいたのには驚きました。そのN田くんは27歳。若いと言っても10代の世間知らずではありません。しかも彼は現在高校教師に転職するため勉強中の身の上です。教師になろうとする人間が忠臣蔵について「年末になるとやる時代劇」というだけ(本当にそれだけ)の知識しかなくて大丈夫なのでしょうか?忠臣蔵って日本人の基礎知識ではなかったのでしょうか?松の廊下のパロディをバラエティのコントでやっても何のことだか全然わからない、ってことですよね。うーん、営々と積み上げてられてきた日本文化はどうなってしまうのでしょう。

 文化と言っても最近は世代性別ごとに極めて限られた時空間の中でだけ通用する文化が存在します。もしかしたら忠臣蔵もいつの間にやら40歳以上のための文化であり教養になってしまったのかも知れません。ま、Mっちゃん流に言えば「そんなこと知っていて何の役に立つの」って一言のもとに一蹴されそうですが。でも文化は実用とは違うからなぁ。
携帯電話をアップグレード。(98/12/15)
 2年前に替えた携帯電話機を11桁化を前に久々に新しい機種にアップグレードしました。これで11桁化対応もバッチリ、安心して年を越せる(11桁になるのは1月1日午前2時です)というものです。それにしても2年間で携帯電話機も実に機能向上していました。最近では当たり前のことばかりですが、まず小さくなって重量も125gから87gになりましたし、着信音もメロディが選べるし、表示も漢字が使えます。短縮番号も500件まで登録可能。4年前の最初の機種が100件、次の機種が200件で、常に登録できる件数ギリギリまで入れていましたから、この500件という数字は安心感があります。

 しかしなにより変わったのはメールが使えるということです。と言うより、このメール機能(tu-ka東海ではスカイメッセージと呼んでいます)が登場するのを待って携帯電話機を替えたんですがね。E-MAILも使えますが、これはとりあえず自分には必要ないとしても、同じ会社の携帯電話同士なら1件5円という安さでメールが送れるのですからこれは楽しいです。なるほど、女子高校生あたりに先発のIDOのプチメールが受けたわけだ、と今さらながら納得してしまいました。話には聞いていても、やはり何事も自分で経験してみないとわからないものですね。

 もっとも現在の悩みは同じようにメールを使えるtu-kaの機種を持っている人間が僕の周りにはわずかに1人しかいないこと。2人でメールをやり取りするのも悪くないかもしれませんが、折角の機能なのですからコーディネイター機能とかリレー機能とか、とにかくグループで使ってみたいものです。これではオモチャを与えられても使うチャンスがなくてウズウズしている子どもみたいですが。もっともtu-kaユーザー自体は周りに結構いるので、みんなが順次新しい機種に替えていけば、半年くらい後には多分使える機能になるだろうと期待しているんですがね。
墓地もボチボチ。(98/12/14)
 わが家は八事霊園という名古屋でも有数の大きな霊園の隣にありますが、かと言って墓地や墓石に特に興味があるわけではありません。ところが僕の母親が「墓地を買いたいから付き合え」と言ってきたので、わざわざ春日井市にある霊園まで見に行ってきました。もちろん初体験ですが、なかなか興味深いものがありました。

 墓地は当然の事ながら年を経るごとに不足してきているそうで、特に都市近郊では深刻な問題になっているようです。なにせ住宅のように買い換え需要とかありません。基本的に永代使用が前提ですから、人が死ねば死ぬだけ墓地は必要になるわけで、決して墓地がだぶつくとか値崩れするということもないわけです。ですから例え住宅地の価格が下がっても、墓地の価格が下がることはないそうで、うちの両親もそういう事情を知ってとりあえず墓地だけでも、と思い立ったようです。

 とりあえず見に行った春日井の墓地は2平米で62万円。4.5平米なら103万円(そうそう、墓地は基本的に売買契約ではなく使用契約なんだそうです)。なかなか日当たりも見晴らしも環境も交通の便も良く、中に入る人がとりあえず気に入ったようなので、2平米の一区画を契約することにしました。とりあえず両親も死後の住処が決まったことでホッとしたようです。よくよく考えれば長男である僕もそこに入るわけですが、さすがにそこまではピンときません。墓地は親が金を出すようですが、墓石は僕が立てなければいかんかなぁ、というくらいです。

 それにしても、このまま墓地を増やしていったらどうなるんでしょうね。日本の場合は家の墓ですから個人の墓である欧米よりは効率的(?)ですが、それにしたって狭い国土に多くの人間がひしめいて住んでいる以上、いつか日本中が墓地で埋め尽くされてしまうのでしょうか。こと宗教文化に関わることだけに、簡単に合理化もできないでしょうしねぇ。
ダイエーなんか潰してしまえ。(98/12/13)
 自浄能力がないのは政界だけかと思っていたら、どうやらこれは日本の組織共通の病のようです。スパイ疑惑に対してある意味予想通り(?)の調査結果をダイエーは出してきました。もともと身内で調査したところで、ちゃんと疑惑を解明できるのか、という疑問はありましたが、現場写真まで出ているというのに、あまりにもお粗末な報告に呆れてものが言えません。「世界の王」だかなんだか知りませんが、最初からタブーを作っていては真相に迫ることなど絶対にできないことでしょう。

 このまま放置しておけばダイエーのみならずプロ野球全体のイメージダウン甚だしいこと間違いなしです。かつての「黒い霧」事件の時に、プロ野球界は思い切って主力選手をバッサリ切りました。あの英断がなかったら、今でもプロ野球は大相撲同様に八百長疑惑を持たれ続けていることでしょう。なにかあるんだろうな、と思われているというのは、多分関係者が考えている以上にマイナスになると思います。この上はコミッショナーがきちんと調査して欲しいですね。ふだんは何のためにいるんだか全然わかんないんだからさ。

 それにしても最近のダイエーはダメダメですね。本業が不振を極めているためか、スポーツ界へのマイナス効果も大きいです。強い陸上部やバレー部(後で撤回しましたが)もやめちゃうって言うし野球はこのていたらく。かつての価格破壊者、小売りの革命児ももはやその使命を終えてしまったのかも知れません、と言うのは言い過ぎかも知れませんが、なんだか良いところなしですよねぇ。
29歳のクリスマス。(98/12/12)
 F屋さんは夏に僕が講義をしたコピー講座の受講生。現在はある精密機器メーカーの子会社で広報を担当していますが、今の仕事に飽きたらず、なんとかしてコピーライターになりたいとコピー講座を受講。才能があったのかそれとも運が良かったのか、卒業制作で一席を取ってしまったのが運の尽き(?)。コピーへの熱意がますます燃えたぎり、とうとうこの冬のボーナスを貰うと同時に会社に辞職願いを提出してしまったそうです。一応次の就職先となる広告制作プロダクションは見つけてあるようですが、なにせこのご時世ですから、収入はかなり下がる模様。安定性だって今いる会社に比べたら月とスッポンなのですが、それでも情熱は条件を超えてしまいました。

 僕は彼女が会社を辞める前に「じっくり考えた方がいいよ。それで、なおかつ転職したいと思うなら、悔いの残らないようにしなさい」と言いました。彼女ももう29歳。決して転職するに若いという年齢ではありません。卒業制作で一席を獲ってそれが広告として掲載されたのも、たまたまコピーライターの空きができてプロダクションへの道が開けたのも、もしかしたら単なる偶然かも知れませんが、この偶然をみすみす逃す手もありません。せっかく貰ったチャンスは精一杯活用させていただくべきです。29歳のクリスマスを前にしての彼女の迅速な決断と行動は、彼女にとって大きな岐路でした。思い切ってその岐路を選択してみせた彼女を、応援していきたいと思っています。
大魔神4億8千万円。(98/12/11)
 今年の流行語までになった「ハマの大魔神」こと横浜ベイスターズの佐々木主浩投手が、年俸4億8千万円で契約更改したとか。いやぁ、横浜も頑張りましたね。もちろんFA宣言されて大リーグ入りとかされてはかなわない、という思惑があっての大盤振る舞いでしょうが、メジャーのトップクラスに比べたらまだまだささやかなもの。果たしてこの程度の金額で来年佐々木をつなぎとめられるのでしょうか。

 それでもリストラが続くJリーグと比べたら、プロ野球選手は恵まれています。かつては長嶋・王でも年俸数千万円だったのが、落合の頑張りで一気に1億、2億、3億と大台を突破。とうとう5億近い額をひとりの選手が稼ぎ出すまでになったのです。日本代表クラスでも1億円に及ばないJリーグとは大違いです。これだけサッカーと野球で年俸に差がつくと、いくら少年の間でサッカー人気が高くとも、Jリーグとしては苦しいでしょうね。ドメスティックな野球と違い、常に世界と勝負していかなければならないサッカーは、運動能力の高い子どもたちがサッカーを選んでくれないと、いつまで経っても世界に追いつけません。なのに現状ではまた昔のように野球に優れた才能が流れていってしまいそうです。

 しかも佐々木が4億8千万円ならイチローや松井だって4億くらい貰ってもいいはずです。特にイチローは5年連続の首位打者という前代未聞の大記録を打ち立てたのですから、佐々木と同額くらい出してもオリックスは罰が当たらないでしょう。3億、4億と稼ぐプレーヤーがゴロゴロいる野球と、1億円も払って貰えないサッカー。昔のようにハングリーではなくなったとは言え、この差が将来に与える影響は大きいでしょうね。


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