幹事クリタのコーカイ日誌2024

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2月23日 ● 消えゆく片手バックハンド。

 とうとうその時が来たか、という印象が強いですが、ATPのランキングで男子シングルスのトップ10から片手バックハンドの選手が姿を消しました。チチパスが11位に陥落したことで、トップ10全ての選手が両手バックハンドになりました。これは史上初めてのことです。フェデラーの引退後、いつかそういう時が来るだろうとは思っていましたが、やはりオールドテニスファンとしては寂しい限りです。

 50年前のテニス界はほとんどが片手バックの選手でした。そこにコナーズ、ボルグが両手打ち選手として登場して覇権を握り、少しずつ両手バックが片手バックが凌駕していく歴史が始まりました。それでもマッケンロー、レンドル、エドバーグ、サンプラス、フェデラーと片手バックの選手がベッカー、アガシ、ナダルら両手バックの選手と競いながら王者の系譜を近年まで続けてきたのですが、ナダルがフェデラーのバックを執拗に攻め続けてフェデラーの牙城を崩したあたりから「両手有利」という認識がテニス界の常識になったように感じます。

 フェデラーと同世代のワウリンカやガスケといった片手の名手はいますが、フェデラー以下の世代となると、ディミトロフ、ティーム、チチパスくらいしかトップ10に入るような選手は見当たらなくなってきました。現在のランキングでは11位チチパス、13位ディミトロフ、26位ムゼッティ、34位ユーバンクス、42位エバンスとトップ50に片手バックは5人しかいません。ワウリンカは67位、ティームは89位です。

 両手に比べて片手の方が技術的に難易度が高く、腕力のない子どもが片手で打つことはさらに難しいので、今後もジュニアから片手バックの選手が育ってくる可能性は低くなるばかりでしょう。指導者もリスクを冒してまでジュニアに片手バックを教えることはしないと思います。優雅で華麗なクラシカルな片手バックハンドが消えていくのは残念ですが、これも時代の趨勢ですから受け入れるしかないのかも知れません。サーブ&ボレーの選手が消え、さらに片手バックハンドの選手も少なくなってきた今のテニスは、多様性が薄れていくばかりです。



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