幹事クリタのコーカイ日誌2010

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4月23日 ● 前原ガンバレ!

 自民党の選挙目当ての人気取り政策「1000円高速」はムダだと僕は以前にも書きました。これに対抗して言い出した民主党のマニフェストは「高速道路無料化」でした。僕はこんな実現性の低いバカなマニフェストは反対だと当時ここで書きました。で、実際に政権を取った民主党は財源がないので地方のわずかな区間だけ無料にするということでお茶を濁そうとしました。まあそれならそれでも良かったのですが、先日前原国交相は「平日休日問わず2000円上限制」を発表しました。

 先日書いたように僕はこの案は良い落とし所だと思いました。土日限定よりは全日定額の方が交通量も平準化して渋滞緩和にもなるし、ETC利用者だけではないのも公平でわかりやすい。しかも浮いたお金で高速道路の整備も進めるというのですから、民主党にしては素晴らしい案だと称賛しました。

 ところがこの案が発表されるや否や、マスコミは「実質値上げ」と騒ぎ始めました。意味がわかりません。そりゃ土日に1000円で利用している家族連れにインタビューすれば「値上げ」だと言うでしょう。短い距離の輸送をしている運送業者も同様。でも平日しか休みが取れない人、渋滞で時間が計算できないから平日に移動する人、多くの長距離運送業者など、実質値下げになる人だってたくさんいるはずなのに、それを無視して「多くの人が値上げになる」なんて書きたてるマスコミは一体誰の意図を受けてやっているのかと不思議に思っていました。

 そして、小沢一郎が選挙に勝てないと反対を言い出し、それに呼応して鳩山首相の腰が例によってガクッと折れ、担当大臣の面子丸つぶれのカタチで再調整になりかけました。しかし、ここで前原国交相が毅然と「変えない」と言い放ち、どうやら最初の案どおりに審議に回すことになりそうだということです。もっとも民主党議員すら反対意見をだす可能性が高いのでまだすんなり通るわけではないとか。与党が反対してどうするんだと、ますます民主党には絶望的な気分になります。

 何度も書いていますが、高速道路は受益者負担が原則で良いと思います。利用しない人、ましてや車にすら乗らない人からの税金を高速道路の利用料に投入する意味がわかりません。税金が余っているならともかく、国の借金を莫大に膨れ上がらせてまでやることではありません。

 しかも休日だけの1000円高速は渋滞をひどくして高速道路の利用価値を著しく下げ、環境に悪影響を及ぼし、公共交通機関の経営を苦しくしています。安くて助かるという家族連れだって、1泊2日で遠出するなら、よほど土曜日の朝早くに出発して、日曜日の夜遅くに帰ってこなければなりません。お父さんの疲労度はハンパじゃありません。しかし、それがイヤならはるかにバカ高い料金を取られる平日に走るしかないのです。どう考えても今回の改正は一般的なファミリーだって万々歳のはずなのに、それに反対する人たちの頭の中身を疑ってしまいます。

 ちなみにタイトルの「前原ガンバレ!」はかつてのベルリン五輪の伝説の実況中継「前畑ガンバレ!」のパロディですが、もう知っている人も少ないんでしょうねぇ。前原も頑張って勝って欲しいです。



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