幹事クリタのコーカイ日誌2009

[ 前日翌日最新今月 ]


 
8月10日 ● のりPにかすむ総選挙。

 解散から投票日までなまじ時間があるからいけないのかも知れませんが、総選挙の話題が芸能人の薬物事件のせいですっかりかすんでしまいました。酒井法子、押尾学の知名度は、どの候補者よりも上でしょう。さらに言えば、どの政治家よりも酒井法子の方が肝が据わっているかも知れません。口をひん曲げた麻生とか悪代官顔の小沢とか、宇宙人みたいな鳩山よりも、のりPなどと言われていた清純派女優の方が悪役として格上だなんて、つくづく日本の政治家もまだまだです。

 さて、その総選挙向けマニフェストの中で、気になるのはやはり民主党の主張。なにせ民主党が勝つことがほぼ確定的なだけに、マニフェストも自民党よりも現実になる可能性が高いだけにずっと心配です。で、読むと「高速道路無料化」とか「子ども手当」とか、どうも無意味な、と言うよりもムダなバラまき政策が書かれているのは心配を通り越して呆れます。

 「1000円高速」ですら「損失5億円」と言われているのに、高速道路を無料化なんてしたら損失の額は宇宙的な数字になるのではないかと思います。環境にもエネルギーにも負荷を生じさせますし、かなりの痛手を被る業種も多いでしょう。渋滞によるロスも慢性的なものになって物流に及ばす影響もはかりしれません。

 高速道路なんて受益者負担で十分です。このご時世に税金を投入してまでタダで利用させる意味なんてありません。民主党はすぐにでもマニフェストを見直してもらいたいと思います。

 さらに「子ども手当」。子どもに金がかかるのは小中学校ではなく、高校大学の時です。小学生のうちから塾代でお金がかかるというのは東京など一部地域だけの話ですし、そもそも「お受験」をさせられる経済的余裕のある家庭なら「子ども手当」なんて必要ありません。それよりも家庭環境のせいで進学を諦める高校生や大学生の方がよっぽどフォローが必要でしょう。しかも「子ども手当」の財源が配偶者特別控除の廃止となると、多くのサラリーマン家庭が増税になります。こんな意味のないマニフェストも即刻見直すべきです。

 そもそも民主党に国民が期待しているのは、こうした「自民党よりも甘い生活を送らせてあげますよ」という話ではないはず。今まで自民党が長年政権の座にあってやってきた政官民の癒着を断ち切ること、官僚支配の政治を打破すること、不透明な政策決定をもっと透明化すること、悪しき金の流れをやめること、そういった日本的な「政治システム」を変えて欲しいと思って民主党に投票しようとしているのです。自民党とのバラまき合戦なんて、やって欲しくもないしやる意味もありません。

 こんなひどいマニフェストを掲げていても民主党が勝ってしまいそうなんだから、結局マニフェストなんて真剣に考える必要はないってことになってしまいます。選挙に勝つのに大事なのは「風」とか「空気」とか「流れ」といったこと。やれやれです。