幹事クリタのコーカイ日誌2004

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12月11日 ● 「時の人」河村たかしを聞く。

 何回かここで書いているように、僕の高校の同窓会は毎月月例会を開いていて、みんなで食事を取るとともに、卒業生の1人が講師となって1時間くらいの講演をしています。僕は昨年春にその講師をやって以来、時々機会があると顔を出しています。大抵は面白そうな演題の時だけで、過去に出たのは河合塾の先生の受験講座だったり、大学の先生の「バイオマス」講義だったり、女性バイオリニストの生演奏つきの「公演」だったり、浜名湖花博のパビリオンプロデューサーだったり。で、先日出席したのは講師が「河村たかし」だったからです。

 ご存知の方も多いと思いますが、河村たかしは愛知県選出の民主党の衆議院議員で、名古屋弁丸出しの庶民的キャラクターとして「TVタックル」などテレビ番組によく出ています。世間では「目立ちたがりの妙な代議士」という印象なんでしょうか?その彼が来年春の名古屋市長選に出馬するということがこの秋に報道されて以来、名古屋ではずっとすったもんだしています。

 と言うのも、現在の松原名古屋市長は共産党以外相乗りのオール与党で、このまま素直に再選されると思われていたからです。そこに民主党の人気議員である河村たかしがいきなり出ると言うものですから、地元政界は大慌て。もちろん、民主党が総力を挙げて河村たかしを推せば、愛知は民主王国ですし、河村は人気がありますから現職相手でも当選する可能性はかなり高いでしょう。しかし、民主党はこれまで松原市長をずっと担いできたのに、取り立てて失政があるわけでもなく、愛知万博も控えたこの時期に現職をひきずり降ろすというのは全く理屈に合いません。

 しかも、河村たかしの政策は議員定数を削減、議員手当てもカット、市職員も減らすという過激なものですから、同じ民主党とは言え市議たちが推せるわけもありません。さすがに民主党愛知県連代表の古川元久(実は彼も僕の高校の卒業生なので河村たかしとは先輩後輩になります)は慎重な対応を見せていますが、そんなわけで、恐らく民主党は松原市長を推薦することになり、河村は民主党の代議士でありながら、民主党の支持も得られずに孤軍奮闘することになりそうな状況です。

 そんな時節だけに、同窓会で講演することにも賛否両論があったようで、政治や思想は持ち込まない方が良いという意見も強かったようですが、講師が決まっていたのは市長選出馬表明の前だからということで、市長選の話はなしという前提で同窓会はOKとしたそうです。と言っても、話を聞きにきた方としてはせっかくの「時の人」だけに、そのあたりこそ聞きたい核心部分ではあるんですけどね。

 さすがに今回は河村も直接的に市長選の話はしませんで、自分の著書『国破れて議員あり』を元に、自分の基本的な政治理念を語るにとどまりました。もちろんテレビで見るそのままの名古屋弁で、さすがに話は人をひきつける力があります。彼の語る内容も至極もっともで、決して横紙破りなパフォーマンス政治家というだけではないと思いました。二世議員でも官僚出身でもないというのも今は貴重だと思います。

 ただ、果たして今回のタイミングでの名古屋市長選出馬はどうでしょう?周囲に求められていない、根回しもしないでいきなり出るというのも河村らしいのかも知れませんが、彼自身のキャラクターはバランスと調整を求められる行政官としての市長よりも、やはり一点突破型の代議士の方が向いているような気がします。と言うか、国政でこそ活躍して欲しいとどうしても思ってしまいます。

 もちろん、名古屋の顔として河村のようなキャラクターが出てくるというのも、「元気な名古屋」を象徴する意味では面白いと思いますし、一概にダメだとも思いませんけどね。これからは地方自治の時代だとすれば、河村がここで国政から転身しようと考えるのもわからなくはありません。一緒に記念写真を撮って握手もしましたし、なんだかんだ言っても高校の先輩だけに、頑張って欲しいとは思います。河村自身が何回も講演中に引用していた我が母校の校訓「運動を愛せよ、正義を重んぜよ、徹底を期せよ」の精神。僕も久しぶりにその言葉に触れて少し身が引き締まる思いがしました。


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