幹事クリタのコーカイ日誌2011

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6月27日 ● 練習を超える本番もある。

 サックスを習いはじめて間もなく2年になります。昨日は音楽教室のホールでの発表会。ちょうど1年前に初めて参加した発表会は、自分が思っていたよりもはるかに緊張してしまい大失敗しました。本番に強いタイプだと自負してきただけに昨年はかなり落ち込みました。また今年2月のバンド形式によるライブハウスでの発表会でも不出来な演奏になってしまいました。自己採点なら1年前が30点、2月が40点といったところ。とても合格点には達していません。

 発表会に臨む曲というのは十分に練習してきちんと演奏できるようになっている曲です。なのに本番になるとガチガチに硬くなって失敗をしてしまいます。テニスの試合でも講演でも大して緊張しないのに、どうしてサックスだけはこんなに上がるのか自分でも不思議なくらいです。

 それでも昨日の発表会は1年前に経験しているだけに慣れは確かにありました。去年は早く着いて他のスクール生の発表を1時間半も客席で聴きました。お陰でみんなの緊張と不安が自分にも伝染したような気がします。今年は自分の演奏までは控え室に籠もってあまり他人のプレッシャーを感じないようにしました。

 また昨年は控え室でも吹いて練習をしたのですが、今年は音だけちょっと出したくらいで、なるべく気楽に先生と喋るようにしていました。また服も昨年は気張ってブラックスーツを着てかっちり決めていったのですが、今年は普段着で行きました。胸に大きく「PLAY」と書いてあるコムデギャルソンのTシャツにしたのは、楽しく「プレイ」するぞというメッセージのつもりです。

 そしていよいよ本番。去年は舞台袖で待っている時に、すでに緊張しているのが自分でもわかりましたが、今年は先生や伴奏のピアノの先生と喋ってなるべくリラックスを保ちます。出ていったらチューニングをして、そしてプレイ。客席を見ないで目を閉じて音に集中します。最初の音はうまく出ました。しかし序盤で1ヶ所指がうまく動かずに失敗。「やっちまった」と思った瞬間に右足がガクガクと震えだします。この症状は去年も起きてビックリしたのですが、さすがに今年は2度目。すぐに足を動かして重心を変えて落ち着かせます。

 序盤のミス以外は比較的順調。いつものように口が硬くなって「ピッ」と鳴らしてしまうこともなく、音も思ったより素直に伸びています。ちょっとリズムや音の長さが譜面とは違ったりする時もありましたが、それは味の部類。ポップスですから譜面通りに完璧に吹こうとは最初から思っていません。その時のノリで良いのです。

 「調子いいぞ」と自分でも感じてきた後半はますます乗ってきました。サビもうまく乗り切りラストへ。気持ちが良くなってきたので高らかに吹きました。最後のロングトーンもバッチリ決まって大満足。去年と違って大きな拍手を貰いました。袖に戻ると先生やスタッフがみな笑顔です。去年は「よく頑張りましたよ、大丈夫です」という慰め半分の笑顔でしたが、今年は「本当に良かったです、バッチリですよ」と満面の笑顔。それで自分の演奏が自己満足ではなく聞く人にもちゃんと伝わったことがわかりました。

 その後も知人でもない他のスクール生(サックスだけではなくピアノやフルート、バイオリンなど)の人から何人も「良かったですよ」と声をかけてもらいました。ある男性は「今度一緒にやりましょう」とまで言ってくれて、さすがに恐縮して逃げてきてしまったのですが、去年とは全然違う周りの反応に戸惑うほどです。

 2年間サックスを習って、3度目の発表会でようやく誉めてもらえるような演奏ができました。自分でも曲の後半は練習の時よりも良くできたと思います。練習以上のことはできないとよく言われますが、時々練習を上回る本番もあります。スポーツでは過去に何回もそういう経験をしてきましたが、音楽では初めてのことでした。こういうご褒美があると、またやる気に火がつきます。まだヨチヨチ歩き程度ながら、もっと歩いてみたいと思った発表会でした。




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