幹事クリタのコーカイ日誌2010

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5月17日 ● さよならだけが人生だから。

 このコーカイ日誌でも何回か登場しているK藤ちゃんが来月から東京に転勤することになり、昨晩はその送別会をサークルで開きました。本人も含めて男性12人女性9人総勢21人という大宴会は久しぶりのことで、これもひとえにK藤ちゃんの「人徳」だと本人は言っていましたが、まあそれが本当かどうかはともかく、大盛況だったことだけは確かです。

 久しぶりに顔を見せたメンバーもいて、こういう時に駆けつけてくれる人は本当に幹事としても嬉しいし、みんなで盛り上がってくれると幹事冥利に尽きます。しんみりした会ではなく、あくまでもK藤ちゃんが主役らしい賑やかで楽しい会だったのですが、ある古株の女性メンバーが「本当は一番寂しいのはクリタさんじゃないかと思う」と言われたのには参りました。

 実際、K藤ちゃんと一番深い付き合いをしているのは当然サークル内では僕ですし、テニスのペアとして多くの大会に参加したし、時には優勝したこともあります。それだけではなく、合宿や飲み会も数知れず、一緒にテニス観戦ツアーにも出かけていて、東京まで見に行っただけではなく、遠くメルボルンに全豪オープンを見に行ったこともありました。ある意味、お互い家族以上に親しく遊んだ仲です。

 僕としてはこの調子で二人とも体が動かなくなるまで一緒にテニスして遊べるのではないかと期待していた部分もあっただけに、今回の転勤は仕方ないとは言え寂しい限りです。サークルのコアなメンバーは単なるテニスを一緒にするだけの仲間ではありません。プライベートの大きな部分を共有する友達ですから、いなくなるというのは時として翼をもがれたくらいの衝撃なのです。

 もちろん27年もサークルをやっていれば、幾多の別れを経験してきました。K藤ちゃんだけが残念でも寂しいというわけでもなく、これまでもこれからも同様の別れがあることでしょう。ただ、だからと言ってやはり寂しさが薄れるものでもないのです。

 「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」

 はじめて聞いた時にはまだ子どもで全然ピンとこなかったこのフレーズ(井伏鱒二が漢詩を訳したもの)が、今では痛切に胸を打ちます。しかし、さよならだけが人生だとわかっているからこそ、ひとつひとつの出会いを大事にしていくことができるのです。



twitterでもつぶやいています@kanjikurita

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