幹事クリタのコーカイ日誌2009

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12月28日 ● 極私的ドラマアカデミー賞2009。

 昨年一昨年に続いて今年もテレビドラマの「幹事クリタ」版アカデミー賞を考えてみました。と言っても、今年はあまりにもドラマの低迷がひどくて見るのを途中で断念した作品が多く、そういう意味では本当に例年以上に偏った「極私的」ジャッジです。そこはあしからずご了承ください。

 まず作品賞。ノミネート作品5本は『キイナ 不可能犯罪捜査官』、『BOSS』、『白い春』、『MR.BRAIN』、『JIN-仁-』の5本。『官僚たちの夏』を入れようか迷いましたが、ちょっと時代とズレ過ぎている感じがしたのが残念。今の時代に官僚賛歌はやはりなかったと思います。骨太で男臭くて良いドラマではあったんですけど。なお、年をまたぐ『不毛地帯』は来年に回します。

 この中で1本というと今年は断トツで『JIN-仁-』です。原作をうまく生かしながらオリジナルな味付けを加えた脚本、地味ながら演技派を揃えたキャスティング、大河ドラマよりもはるかにしっかりした時代考証。SFファンタジーと時代劇と医療ドラマと恋愛ドラマという異なる要素をうまく組み合わせて見応えのある作品を作り上げたスタッフに拍手です。次点は僅差と言うか、ドングリの背比べですが、そのベースに漂う「軽さ」が好みなので『MR.BRAIN』にします。

 次に主演男優賞。ノミネートは瑛太(『ヴォイス 命なき者の声』)、阿部寛(『白い春』)、木村拓哉(『MR.BRAIN』)、佐藤浩市(『官僚たちの夏』)、大沢たかお(『JIN-仁-』)。これは迷いましたが、阿部寛にします。大沢たかおも良かったと思いますが、ドラマ全体の力があり過ぎて、座長としてのパワーが負けてしまった感が若干あったのが残念。それに比べれば阿部寛はその存在感でドラマを確実にパワーアップしていました。コメディでなくてもそこはかとなく漂うユーモアが阿部寛の良さです。

 次に主演女優賞。ノミネートは以下の5人、としたかったのですが、残念なことにとても5人選べませんでした。菅野美穂(『キイナ 不可能犯罪捜査官』)、天海祐希(『BOSS』)の一騎打ちです。今回5部門の中でもっとも不作な部門で、とてもこれ以外のドラマはノミネートにも値しません。警察官を演じた2人の実力派女優の争いはやはりその力強さと剽軽さのどちらでも抜きん出た力量を発揮した天海祐希に。

 助演男優賞は今年も昨年に続き一番充実していた部門になりました。ノミネート5人に絞るだけでも大変でした。沢村一樹(『キイナ 不可能犯罪捜査官』)、遠藤憲一(『白い春』)、竹野内豊(『BOSS』)、堺雅人(『官僚たちの夏』)、内野聖陽(『JIN-仁-』)。もう芸歴の長い俳優ばかりです。遠藤と内野のどちらを選ぶか迷いましたが、やはりこれ以上の龍馬は見たことがないという意味で内野聖陽にします。来年の大河ドラマで龍馬を演じる福山雅治はかなり内心プレッシャーがかかっているのではないでしょうか。

 最後に助演女優賞。ノミネートは石原さとみ(『ヴォイス 命なき者の声』)、戸田恵梨香(『BOSS』)、綾瀬はるか(『MR.BRAIN』『JIN-仁-』)、相武紗季(『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』)、中谷美紀(『JIN-仁-』)。実は相武のドラマは今回ほとんど見ていません。見ていませんが、噂を聞いただけでもノミネートしたくなりました。で、この中から選ぶのは中谷美紀です。ドラマ2本の合わせ技で綾瀬とも考えたのですが、やはり中谷の鮮烈な花魁は素晴らしかったと思います。

 最後に期待外れ賞はダントツで『天地人』に。期待外れの作品は多々ありましたが(『トライアングル』とか)その期待からの外れ方のスケールではやはり『天地人』をおいて他にありません。あんな無茶苦茶な時代劇はあり得ないと思うのですが、最後まで視聴率が落ちなかったのが不思議です。あれで視聴率が取れたことで、NHKが変に大河ドラマを勘違いしなければ良いのですが。


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