幹事クリタのコーカイ日誌2009

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9月13日 ● 久しぶりの結婚式。

 昨日はテニスサークルのメンバーの女性の結婚式&披露宴。久しぶりに招待されたので出席してきました。結婚式に出たなんて、弟の時以来ですから6年振りです。最近は葬式ばかりで結婚式はなかなか機会がないので、張り切ってタキシードを着込んで出かけました。新婦は過去に見たことがないくらいキレイで、彼女史上最高記録だと僕は思いました。幸せそうでとても良かったです。

 ただそれとは別にいろいろと気になったことがありました。たとえば新郎の友人たちのファッションが、揃いも揃ってとにかく地味。せっかく新婦の友人がみんなオシャレして美容院へ行って髪もセットしてきているのに、新郎の友人は「会社帰り?」みたいなファッションなのです。地味な紺かグレーのスーツにレジメンタルのタイ、胸にチーフのひとつも入っていません。ダークワインレッドのボウタイとカマーバンドをしたタキシード姿の僕は完全に男性陣の中では浮いています。と言うか、一緒に参加したK藤ちゃんのダブルの黒の礼服に白いネクタイすら「決めすぎ」と思えるほどに、男性陣は普通の格好なのです。

 僕の会社は広告代理店なので、結婚披露宴に参加すると言えば大半がタキシードでした(こんな感じです)。まあそれは特殊かも知れませんが、ただパーティ文化のない日本で盛装して出かける場所は少なく、結婚披露宴くらいしか派手に決めて楽しめる場所はありません。だからこそタキシードなのに、なんで会社帰りのような普通のスーツ姿で出てくるのでしょう?僕には理解できません。せめて黒の礼服でしょう。そもそも、新郎新婦にもきちんと盛装してきている女性陣に対しても失礼じゃん、と思えるんですけど。

 新郎の友人のファッションだけではなく、結婚披露宴自体が昔に比べると随分とカジュアルになっている気がします。司会の女性の言葉遣いもまるでコンサートのMCのようで、盛り上げようとしているのでしょうが、かなり乱暴で失礼な言葉遣いが多く、僕たち40代はついつい引っかかってしまいました。慇懃でなくても構いませんが、友人ではなくプロなんだから、もう少し落ち着いたきちんとした日本語を使ってもらえないかなぁと思いました。そもそも敬語もちゃんと使えない司会者を披露宴で使ってはいけません。

 中でも酷かったのは、新郎新婦がお色直しのために一時退席したのですが、その時に司会者は「ここで新郎新婦が中座します。皆さん拍手でお送りください。では中座!」と叫んだこと。もうビックリです。中座って拍手で送り出すような素晴らしいこと?しかも「合掌!」みたいに言われても困るんだけど。挙げ句に「ここで中座のご挨拶です」だって。単に部屋を出る前に頭を2人で下げただけなのに。

 友人からのスピーチもいきなりその場で指名。いや、会社の忘年会じゃないんだから。あらかじめスピーチはお願いしておくってもんじゃないの?真っ先に指名されたのが何と僕で、しかも司会者の言うことには「こちらで早くもステーキのお皿をペロリと食べてしまった男性の方にお話をお願いします。いかがでしたか、ステーキは?」だって。失礼じゃないか、その振りは?とりあえずジョークを最初に言ったら「今のところは笑うところですよ、皆さん」と口を挟まれたし。それじゃあ僕のジョークが滑ったみたいじゃないか、失礼じゃないか、それも?まあ僕はスピーチ慣れしているので大丈夫でしたが、他の人たちはいきなり指名されて本当にあたふたと困っていました。あれじゃあ例え面白いネタがあっても、きちんと話すことができずもったいないです。僕以外の招待客にもいろいろと失礼な発言の多い司会者で、それを「こなれている」と思い込んでいるみたいだったので、あれではプロ失格だろうと思いました。

 結婚披露宴というのはたとえ主役は新郎新婦の2人であっても、彼らはあくまでも立場はホストであり、招待客がゲストなのだから、その関係を間違えてはいけないと思います。主役を盛り立てるためにはゲストは何でも協力すべきだし、バカをやらせても構わないと考えているとしたら、それは明らかに勘違いです。ましてスタッフである司会者はもっと控え目にすべきであって、まるで自分が主役のように出しゃばるなど完全に立場をはき違えています。

 ただ、こうしたフランクさ、カジュアルさは、これまでの堅苦しい形式ばった結婚式&披露宴に対するアンチテーゼなのかも知れません。40代以上は「おいおい」と思っても、20代30代は「いいじゃん、気楽で」と感じているのなら、今後もこの流れは変わらないでしょう。まあ料理は美味しかったし、何より肝心の新婦がキレイで幸せそうだったから、何でも良いって言えば良いんですけどね。