幹事クリタのコーカイ日誌2009

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3月11日 ● 体が硬いと苦労も多い。

 力士が入門すると最初に苦労するのが股割りだそうで、かつて高見山がハワイから来日して泣きながら股割りをやらされ「目から汗が出た」と言った、なんて話を覚えているのは40才以上でしょうか。なにせ高見山の現役時代なんて30年以上も前ですからね。

 格闘技では怪我の防止のために体の柔軟性を高めるのは当たり前で、僕も高校時代、柔道部だったので毎日柔軟体操(今でいうストレッチ)をやらされました。ところが僕は子どもの頃から体が硬く、これが本当に苦手です。小学生の頃の体力テストで「立位体前屈」というのがありましたが、僕は手が下まで届かないので当然本来ならマイナスになります。ただテストの時には瞬間的に膝を曲げて記録を出す技を身につけていたので、それで何とかやり過ごしていました。

 高校時代に毎日柔軟体操をやらされていても、ようやく指先が畳につく程度で、手の平までぴったりつく人なんて信じられませんでした。人生で一番体が柔らかかった当時でもその程度でしたから、その後はひたすら体は硬化が進んでいます。最近はそりゃもうアストロンの呪文をかけられたのかというくらい酷いもので、よく人に笑われるほど曲がりません。

 なにせ前屈は90度以上前にいかないのですから、届くのはせいぜい足首まで。横に曲げても後ろに反らしても、見ている人にしてみれば「首を傾けているだけ」にしか見えないくらいらしいのです。本人的にはそれでも懸命に体を曲げているつもりなんですけど。

 股関節の硬さも相当なもので、なにせ胡坐も満足にかけないので毎週整体に通っているくらい。普通に畳に座る時に気をつけないとすぐに後ろにひっくり返りそうになります。開脚も冗談でしょ、と言われるくらいしか開きません。高校時代は一応開脚前転とかできたわけですが、今では単なる前転や後転も体が丸くならないので、背中が伸びたまま転がる、というか倒れるだけです。とても危なくてできません。肩の柔軟性も全然ないので、背中が痒くても全く手が届きません。孫の手は必需品です。

 体が硬いと怪我をしやすいと先に書きました。実際によくそういう話を聞きますが、実は僕はそんなことはありません。さすがに柔道部時代は競技が競技ですから、打ち身や捻挫は結構やっていて整形外科によくお世話になっていましたが、テニスをやるようになってから約30年、プレーの頻度からすると意外なほど怪我は少ないのです。

 3年前に肉離れをやりましたが、あれは体が硬いからではなく寒さのせいでしょうし、10年前に踵にひびを入れたことがありましたが、あれは高いところから飛び降りた衝撃で、テニスとは関係ないし、そもそも体の硬さではなく体重増加を甘く見たのが原因です。

 それ以外では、テニスのやり過ぎによって腰、膝、肩、肘、手首、指などを痛めてはいますが、体が硬くて怪我をした記憶はありません。時々プレー中に転ぶことはありますが、柔道経験が生きているのか転ぶのは上手いので、すり傷程度で大怪我をしないのです。

 とは言え、もう50代も見えてきている年齢になってきたので、あまり過信しているのは良くないと自分でもわかっています。毎日風呂上りにストレッチをして少しでも体の柔軟性を高めようと思っています。ただ、筋トレに比べてストレッチは続かないんですよねぇ。だってとにかく痛いから。伸ばそうとするところが悲鳴を上げるほど痛くて「目から汗が出る」んですよ。体の柔らかい人には想像もできないような苦労があるんです。