幹事クリタのコーカイ日誌2008

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9月5日 ● 認めたくない訃報。

 このコーカイ日誌でもこちらこちらこちらで登場したことがある会社の先輩のMさんが、突然亡くなってしまいました。あまりにも急なことで、驚きとまどうしかない状態です。誰が聞いても「あんなに元気で若々しい人が!?」とびっくりします。

 Mさんとは1ヶ月半ほど前に一緒にテニスの大会に参加しました。そしてここ1年ほど週に1〜2回は2人で一緒にランチをしていました。話題はほとんどテニスのことで、自分たちの試合の話、技術論や戦術論、プロのトッププレーヤーの話題など、お互いにひけをとらないテニスバカ同士だけに尽きることもなくいつまでも話を続けることができました。最後にランチをしながらテニス談義をしたのは、まだこの月曜日のことです。

 もちろん会社の先輩後輩ですから、会社の話、仕事の話もすることはありますが、会話の9割はテニス、テニス、テニス。よくもまあ飽きないなとお互いに思うほどです。月曜日も2人で一緒にランチをしながら、いつものように僕がスクールのコーチに言われたテニスの技術論やら、Mさんのテニスクラブの団体戦の話やら、全米オープンの錦織の活躍やらと、1時間以上にわたって熱くテニス論議をしたばかりでした。

 Mさんとの思い出話はうんざりするほどたくさんあります。個性の強い人だったから面白エピソードもいくらでもあります。付き合いは20年以上になりますし、一緒にテニスをした回数も数え切れません。家も近所だったので、朝の通勤電車が一緒になることもありましたし、会社の飲み会の帰りも一緒にタクシーで帰りました。テニスに行く時にもどちらかのクルマを出して一緒に行きました。

 Mさんは9才僕より年上で、いつも「クリちゃんも10年後にはオレみたいに衰えてくるぞ」と言っていましたが、体を常に鍛えているMさんは全然衰えたようには思えなかったし、むしろあれほどの元気さは僕には望めないとも思っていました。あんなに頑健で若々しい50代半ばは見たことがありません。それなのにこんなにもあっさりこの世を去ってしまうなんて。本当にわからないものです。

 Mさんのお通夜は土曜日で日曜日が葬儀になりました。この土日は僕は恒例の「ひるがの高原テニスフェア」に参加するので名古屋にいません。肉親が亡くなったわけでもないのに、さすがに各方面に迷惑をかけるドタキャンもできません。仕方ないので土曜日のお通夜のためにひるがのから片道2時間かけてトンボ帰りしようと思っています。日曜日の葬儀はたぶん参列できないでしょう。まあテニスのためならMさんも「クリちゃん、いいよいいよ、気にするな」といつものように笑って許してくれると思います。テニスバカにはとことん優しい人でしたから。

 まだそこにMさんがいるような気がします。こうしてここに書いていても、嘘を書いているような妙な気持ちです。ご冥福を祈る、なんて言葉すら軽々しく言えません。たぶん、僕の中でまだMさんの死を認められないのでしょう。参りました。