幹事クリタのコーカイ日誌2008

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8月2日 ● 『ヒットメーカー 阿久悠物語』。

 阿久悠が死んで1年。日本テレビが一周忌に阿久悠の実録ドラマ『ヒットメーカー 阿久悠物語』を昨晩放送しました。主演の阿久悠役に田辺誠一を起用したほか、まだまだ現役で活躍している芸能人、業界人を役者を使っての再現ドラマ的手法で制作、昭和の歌謡界を描きました。

 物語の中心は阿久悠が企画し審査委員長としても関わった日テレの看板番組『スター誕生!』の裏話です。森昌子、桜田淳子、山口百恵、ピンクレディーを中心に、スタ誕(当時はそう略して呼んでいました)出身の歌手を絡めて当時の歌謡界を再現してくれたわけですが、タイトルが「阿久悠物語」な割には、阿久悠はどちらかと言うと狂言回し役で、本当の主役は山口百恵とピンクレディーのライバル対決でした。

 ただそれとて、そんなに深い話や知られざる秘話というほどのことではなく、結局見せたかったのは阿久悠のヒット曲と昔の映像、日テレの歴代ヒット番組のポスター、それに当時の世相風俗と言った「懐かしもの」でした。もちろん、GSからピンクレディーまで全てオンタイムで見てきた僕のような「ジャストターゲット」な人間はこれはこれで大喜びですが、恐らく当時を知らない若い世代や、あまり昭和40〜50年代のアイドル歌謡界に興味がなかった人には退屈な内容だったと思います。それくらい脚本や演出は陳腐で、ちょっと「やっつけ」感が漂っていましたから。

 かつてフジテレビが渡辺プロの創設者である渡辺晋のドラマを作りましたが、あれはかなり力が入ったドラマでした。それに比べて今回は昔の映像を中心に回しているのでいかにもチープです。キャストも安っぽいし、当時のアイドルを演じている役者達もいかにも「パチモノ」臭くて、もうちょっと名前のある役者を使えよと思ってしまいました。

 まあ文句を言えばキリがありませんが、久しぶりに山口百恵の本人映像をたっぷり見られたので、かつての百恵ファンとしてはそれだけでも十分満足でした。