幹事クリタのコーカイ日誌2007

[ 前日翌日最新今月 ]


 
10月8日 ● フェデラー飛車と銀桂香の交換。

 世界王者にして「生きる伝説」ロジャー・フェデラーの欠場でどうなることかと思われたAIGジャパンオープンですが、代わりに招聘したヴィーナス・ウィリアムズ、ダビド・フェレール、リシャール・ガスケの3人が全て決勝に進む活躍で、何とか盛り上がって終わることができました。大会関係者もホッと胸をなでおろしたことでしょう。

 一昨年までAIGジャパンオープンは、その大会の格の割にはビッグネームが出場しないと批判されていました。特に一昨年はビッグネームとは言えないまでもトップ10クラスが軒並み欠場し、ランクが低い女子の方が注目される始末でした。

 そこで昨年は王者フェデラーを招待し有明コロシアムは超満員に。相手役がいないと思われましたが、引退間近であまり期待されていなかったティム・ヘンマンが決勝まで進み、その華麗なるサーブ&ボレーを日本のファンの前で披露してくれました。

 そして優勝して気をよくしたフェデラーは今年も来日すると約束していたのにドタキャン。超目玉の欠場に慌てた大会側が呼んだのが先ほどのヴィーナス、フェレール、ガスケの3人だったわけです。と言っても、フェデラーが将棋で言えば飛車(本当は王将ですが、王は交換できないので)だとすると、ヴィーナスは銀(昔なら角か金でしたけど)、フェレールとガスケはせいぜい桂馬、香車といったところです。このコマ交換が得か損かは微妙なところだと思いました。もちろん大会側としては精一杯の努力だったとは思いますが、コアなテニスファン以外にしてみればヴィーナスはともかく後の2人は「誰それ?」に近いレベルですから。

 しかし、結果としては大会は白熱した戦いが続き盛り上がりました。フェデラー唯一人が圧倒的な力で勝ち進むのではなく、言っちゃ悪いですが「どんぐりの背比べ」であったとしても、どちらが勝つかわからないような試合が続いた方が面白かったということです。

 女子は決勝戦まで圧勝かと思われたヴィーナスが、なんとラザノに大逆転負けを喫してしまいましたが、2時間半を超える熱戦に観客は大満足でした。男子の決勝戦は反対に1時間かからない一方的な試合でしたが、準決勝のフェレールvsカロビッチ、ガスケvsベルディハの2試合はどちらも手に汗握る好ゲームでした。

 やはりテニスにはビッグネームも必要だけど、それ以上に好試合が大事だということです。恐らく来年もフェデラーとナダルが揃って日本に来てくれることはないでしょうから、せめてフェデラー以外にトップ10選手が最低3人いてベスト4がトップ10選手になるか、もしくは第1シードはロディックでも良いから、トップ20の選手が8人くらい揃うように大会関係者には頑張って欲しいと思います。