幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月9日 ● 「でもそんなの関係ねぇ!」の前向き。

 10月になると今年の流行語大賞は?という話もチラホラ聞こえてきます。まあ何が大賞になろうが実はどうでも良いのですが、要は今年1年を振り返るきっかけとなるわけです。今年はこんなものが流行ったなぁと思い起こすことで、2007年という年を我々は記憶します。

 今年の流行語大賞は個人的には「でもそんなの関係ねぇ!」で決まりです。若手芸人小島よしおのギャグですが、この言葉の強さは他の言葉に比べて群を抜いていると思います。どんな話をしていても、この言葉を最後につけるだけで一気に様相を転換させてしまえるからです。

 ネガティブに考えれば、この言葉は関係性を断ち切る現代社会の人間関係の不毛さを物語る言葉です。何をどう語ろうが、努力を重ねて関係を築いていこうが、最後に「でもそんなの関係ねぇ!」と言われて一方的に関係を断ち切られてしまったら全てが水泡に帰してしまいます。年配の人からは「コミュニケーション拒否か、いやな世の中になったもんだ」と思われるかも知れません。

 しかしポジティブに考えれば、これは全てのしがらみを振り切ってそれでも前に進もうとする積極果敢な姿勢を示す言葉だとも言えます。できあがった社会システムの中では「前例がない」とか「手続きが不備だ」とか、物事を何かしようとしても様々な慣習が行く手を阻みなかなか新しいことを始められません。しかし、そこで「でもそんなの関係ねぇ!」と叫ぶことで、壁をぶち破っていくことができるのです。

 そう考えると、この言葉は世代によって受け取り方や好悪がわかれるかも知れません。いま世の中を支配している世代には不快でも、これから何かをやりたいと思っている若い層には気持ちよいシュプレヒコールとして受け取られている可能性があります。

 福田政権の誕生によって「改革」イメージは後退しましたが、あの頃世の中を動かした小泉劇場はまさに「でもそんなの関係ねぇ!」と小泉が叫んでいたからこそです。「ダメだ」とか「できない」とか、頭から拒否反応をする硬直化した思考に対して「でもそんなの関係ねぇ!」と言うことで、何かが動き変わるかも知れない。そう考えれば、今年の流行語大賞としてこの言葉が選ばれても決して悪くはないと思います。