幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月10日 ● パ・リーグ2つの奇跡。

 パ・リーグのクライマックスシリーズが始まっていますが、今年のパ・リーグには奇跡に近い驚きが2つありました。ひとつは楽天が4位になったこと、もうひとつは日本ハムの連覇です。

 楽天は球団創立以来最下位が定位置でした。ご存知のようにオリックスと近鉄が合併し、「いらない」選手だけで作られた球団が楽天です。いわば戦力外の2軍選手ばかり。それで勝てないのも無理はありませんでした。ところが、その「いる方」の選手だけ集めたはずのオリックスに勝ち越したばかりではなく、25年もAクラスを続けてきた常勝軍団西武すら超えてみせたのです。3年目でここまで戦力をアップさせてきたことは驚くべきものであり、野村監督の手腕を高く評価すべきでしょう。

 そしてもうひとつの驚きである日本ハムの連覇。なにせ去年の日本ハムの優勝ですら「新庄効果」によるフロック視されていたのに、その新庄に加え主砲小笠原までが巨人に去ってしまい、春にはこれで優勝できるはずはないと考えられていました。千葉ロッテとソフトバンクに劣るのはもちろん、松坂の抜けた西武とAクラス争いをするのがやっとだろうと。

 しかし、実際には新庄が抜けたことも小笠原が抜けたことも微塵も感じさせないほどの強さを発揮。さすがに春先こそ低迷していましたが、交流戦で一気に調子を上げてからは磐石の野球でした。安定した投手陣と守備力、そしてきっちりつないで点を取るそつのない攻撃力。緻密で完成された野球は、ヒルマン監督の「作品」と呼んで良いでしょう。

 問題はそのヒルマンが今年限りで勇退しアメリカに帰ってしまうことです。いま後任には梨田の名前が取りざたされているようですが、弱いチームを連覇を果たすまでに育て上げた監督の後任という重さは計り知れません。「勝って当たり前」で、優勝しても評価されず2位以下なら落第なんですから。「負けてもともと」のチームを育てる野村の方がはるかに楽でしょう。

 梨田としては、せめてクライマックスシリーズで日本ハムが負けて「俺」を楽にしてくれよぉと思っているかも。2年連続日本一なんてチームを引き受けるのはさすがにしんどいと思いますよ。