幹事クリタのコーカイ日誌2004

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5月6日 ● フラッグおじさん。

 1月にメルボルンまで全豪オープンテニスを見に行った時のこと。コートでプレイしている選手の母国の国旗を掲げて応援している白人のオジサンがいました。最初はその選手のファンかと思ったのですが、そのオジサンは、あちらこちらのコートに出没しては、その時にコートでプレイしている選手の国旗を持って応援しているのです。持っているバッグには各国の国旗が数十枚もびっしりと詰まっていました。なんてオジサンだ、気合いの入り方が違うぞ、と、僕たちはその人を「フラッグおじさん」と名付けて注目していました。

 恐らくはメルボルンに在住のテニス愛好家で、毎年この全豪オープンを楽しみに応援している人なのだろうと思っていて、我々の仲間のK上くんにも「あのオジサンに弟子入りして日本で開かれる国際大会ではキミが日本のフラッグおじさんになりなさい」とけしかけたものです。

 ところが。先月発売されたテニス雑誌「スマッシュ」になんとこのフラッグおじさんが紹介されていたのです。彼はオーストラリア人ではなくアメリカ人。年間に世界中の20近いトーナメントを回って、僕たちが見たような応援を世界各地で繰り広げている名物オジサンだったのです。

 彼の功績はテニス界も認めていて、なんとATP・WTA(男女のテニスツアーを統括している組織です)がオフィシャルパスを渡しているとか。つまりフラッグおじさんは公式に認定されているサポーターなのです。もちろん日本で開かれるトーナメントにも来たことがあるそうです。K上くん弟子入りできず。

 残念ながら雑誌には彼がどうやって生計を立てていて、どうして世界中のツアーを回っていられるのかが書かれていなかったのでわかりませんが、恐らくはもうリタイアした裕福な人なのでしょう。59才だそうですから、まだまだ元気。今後10年以上はツアーについて回れそうです。

 羨ましい限りです。ようやくのことで全豪オープンをわずか2日半見ることができた身の上としては、一年中ツアーを追いかけて世界中を旅することができるなんて夢のような生活です。もちろん、選手のスタッフになったり、テニスジャーナリストになれば、世界中のツアーを回れる可能性はあるわけですが、仕事と趣味は全く違います。やはり理想は何の責任も義務もなく、ただただ好きという情熱だけで動けること。僕の憧れと理想の人、それが「フラッグおじさん」です。


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