幹事クリタのコーカイ日誌2002

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12月16日 ● 『利家とまつ』最終回。

 NHKの大河ドラマ『利家とまつ』が最終回を迎えました。放送初回1ヶ月後に感想を書いたのですが、結局なんだかんだ言いながらも最終回まで見てしまいました。1年間通して同じドラマを見るのは根気がいる作業なので、それができたということは、やはり面白かったのでしょう。

 このドラマの魅力は、まずタイトルからもわかるように男女2人の主人公がいたということです。男の視点と女の視点の両方から戦国時代を描いたところに新しさがありましたし、またそれが単調にならずに視聴者を飽きさせない長丁場を乗り切る手法としてうまく活用されていました。

 また、批判はあったものの時代考証を無視してホームドラマ仕立てにしたのも、今の時代に合ったと思います。いちいち女が男の会議に口を出したりしなかっただろうし、大名の奥方が家事をいそいそしていたとも思えないし、側室どころか男色趣味すら当然の時代において、あれほど現代的な夫婦愛があったはずもありませんが、それを敢えて無視して今風にアレンジしたところが見事でした。

 キャスティングの妙もありました。民放連ドラで人気の松嶋菜々子、反町隆史、竹野内豊、的場浩司、高嶋政宏、酒井法子、瀬戸朝香らに、舞台出身の香川照之、山口祐一郎、天海祐希らを組み合わせ、座長の唐沢寿明は舞台もテレビドラマでも人気という俳優だけに、どちらの演技も受けられるという絶妙さ。しかも周りをベテランの松平健、菅原文太、丹波哲朗、中条きよし、三浦友和、里見浩太郎、赤木春恵、草笛光子、八千草薫、池内淳子、加賀まりこ、松原智恵子らで固めて、しっかり時代劇らしい雰囲気も維持したあたりが見事でした。

 ただ、プロデューサーと脚本家、俳優はとても頑張ったと思いますが、肝心の演出はちょっとなぁ、と首を捻る場面が多々ありました。あまりにもわかりやすいというか、マンガのような過剰な演出が多く、見ていても吹き出してしまうことがしばしばありました。最終回でも、まつらの回想シーンで、信長の周りを利家、秀吉らが刀を持って踊るイメージ場面があったのですが、なんとも珍妙で、折角の感動の最終回がコントになってしまいました。

 視聴率も好調だったようですが、これは大河ドラマで一番人気の戦国時代、しかも信長・秀吉・家康が出てくる王道路線でしたから、ある意味当然です。問題は来年の『宮本武蔵』です。マンガ『バガボンド』人気がどこまで大河ドラマの視聴率につながるかが成否を握るような気がします。キャストが地味だから、今年ほどはいかないと思いますけどね。

 

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