1998年3月中旬のコーカイ日誌


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Mっちゃん式「超手帳法」。(98/3/20)
 すでにこの「コーカイ日誌」の常連と化している会社の同僚Mっちゃんが、「クリタさん、手帳って持ってる?」と聞いてきました。システム手帳を使っているのでそう答えると「僕も持とうかな」と言います。そう言えばMっちゃんが手帳の類を持っているのを見たことがありません。「今まではどうしていたの?」と聞いたら、なんと「今まで持ったことない」とのお答え。
 「えー、スケジュールどうやって覚えておくの?」「ああ、何となく頭の中に」「だって忘れちゃうじゃない」「うん、だからよく忘れちゃう」・・・。さすがです。社会人やって10数年、特にスケジュールが錯綜しやすいこの広告業界で、よくぞ手帳なしでここまで生きてこられたものです。
 「電話番号とかアドレスはどうしてるの?」「電話は携帯にメモリしてある」「それだけ?」「うん」「他に控えてないの?」「ない」「今まではどうしていたの?」「実はさ、自分の名刺の裏にイニシャルと番号だけビッシリ書いてたんだよ」「ええっ、名刺の裏!?」「うん、もう表にも回ってたけどね。でもイニシャルだけだからさ、わかんなくなっちゃうわけ」「どうすんの?」「仕方ないからさ、かけてみてね、あなた誰ですか、って聞くの」・・・。
 Mっちゃんがこれほどの大物だとは、さすがの僕も気づいていませんでした。まだまだ認識が甘かったみたいです。「でね、最近忘れっぽくってさ、さすがにこれじゃまずいかなぁ、と思って、手帳でも買ってみようかと」「なんで今まで使わなかったの?」「だっていちいち手帳を持ち歩いて開いて書き込むのなんか面倒じゃん」「だって持ち歩かなきゃ手帳を買っても使えないよ」「うーん、どうしようかなぁ。ねぇ、携帯みたいにズボンのポケットに入るようなの、ない?」「ええっ、ズボンのポケットに入れておくの?」
 携帯電話サイズ(いや、もっと小さくないと携帯と一緒にズボンのポケットには入らないか)の面倒くさくない手帳なんて、どんなんだ?と思っていて、僕は閃きました。「Mっちゃん、学生の時に使ったような英語の単語カードはどう?」「単語カード?」「そう、あれならちょっとメモするのも簡単だし、ズボンのポケットにも入るし、いらなくなったらすぐに捨てられるから整理も簡単だよ。Mっちゃん式“超手帳法”としてどう?」「おおっ、それはいいかもしんない、ありがとう、クリタさん!」・・・。いいのか、ほんとに?
 そう言うわけで、今Mっちゃんは嬉しそうに単語カードを持ち歩いています。もっとも持っているだけで、何か書いているところは未だに見たことがありません。持っているだけで満足なのでしょう。夏休みの計画を立てて満足しているのと同じで、Mっちゃんはもうこれでスケジュール管理は完璧だと思っているのですから。
●誤報を恐れず、遅報を責めよ。(98/3/19)
 先日の「2028年、小惑星地球に激突!?」というニュースが、1日後には「衝突の可能性ゼロ」と否定されました。きちんとした検証を行わずにニュースが世界中を駆け巡ってしまったための誤報だそうですが、インターネットをはじめとした情報ネットワークが、地球上に張り巡らされている20世紀末、インパクトのある情報が広まるその速度ときたら、少し前では考えられないほどのものでしょう。
 こうしたパニックを引き起こすかも知れないニュースの扱い方は難しいですね。よく言われるのが地震予知による警戒情報をどうするか、ということ。外れるかもわからないのに、あまり頻繁に警戒情報を出していたら「オオカミ少年」になってしまって、本当に危険な時にも信じて貰えない可能性があります。何でもない時によく鳴る火災報知器の故障と同じですね。「あ、また故障か」と思って誰も逃げようとしない火災報知器ほど、無意味で危険なものはないと僕は思います。しかし、だからと言って情報を出すのに万全の確認を取っていたら、速報の意味はなく手遅れになることでしょう。特に地震警報は、一刻を争います。10秒あれば使っている火を消すくらいのことはできます。
 まあ30年後の小惑星激突のニュースについては、慌てる必要はなかったかも知れません。しかし、それとてあまり隠しだてしていると、特に情報公開にうるさいアメリカあたりでは、いろいろあらぬ詮索を受けることになるでしょう。僕の個人的見解としては、情報はなるべく操作せずに早めに出して欲しいですね。知らないで後で困るくらいなら、玉石混淆の情報でも与えてくれた方が、自分が判断できる余地があるからです。間違っていた場合、ちゃんと後で訂正が出ることが必要ですが、基本的には自分で責任を持って選ぶという前提で、速報性を重んじたいと思います。金融ビッグバンならぬ情報ビッグバンですね。「誤報を恐れず、遅報を責めよ。」と言ったのは、マクルーハンでも竹村健一でもなく、何を隠そう僕です。スイマセン、さっき作りました(笑)。
●一目惚れ。(98/3/18)
 久々にテニス関連の話題ですが、ラケットを思い切って買い換えました。今まで使っていたヨネックスのRA-2000TLはまだ使い始めてから1年半。特に悪いわけじゃないのですが、ちょっと気分を変えたくてウィルソンのHAMMER3.2Stretchにしました。ウィルソンにしたのは、機能的にすぐれていそう、ということもありましたけど、それ以上に手に持った感じが長ラケの中で(今回は長ラケを使ってみたかったということも大きな買い換えの理由です)一番しっくりときたことですね。かれこれ丸19年もテニスやっていますが、結局ラケットを気に入るかどうかって、持った時の感覚的なことが大きいような気がします。
 友達や異性は第一印象が悪くても(悪い方が?)、後になってグッと親しくなることも多いものですが、ラケットに関しては一目惚れの方が大抵好結果ですね。過去のラケット遍歴を振り返ってみても、長く使ったラケットって、最初からしっくりきていたんですよ。フタバヤのウィニングショットに始まり、フタバヤ・ゴールデンショット(ここまでウッドラケット)、ヘッドのエッジ、ヨネックスのR-7、R-27は続けて2本、RQ-200(厚ラケ)、RQ-500(デカラケ)、RA-2000TLときて、今回のウィルソンHAMMER3.2Stretch(長ラケ)にたどり着きました。過去9本のラケットで特に長年愛用したのはR-27とRQ-500。ともに数年使いましたが、最初から「これはいい」と思いました。記念すべきテニス歴20年目、通算10本目の今回のラケットも、かなり一目惚れから入りましたから、当分これ一筋でいきたいと思っています。
 で、余談ですが、女の子に関しては一目惚れってロクな結果になりませんね。最初から入れ込み過ぎるからダメなのと、醒めてしまった時がねぇ。なにせはじめが一番好感度高いんだもん。首相の支持率と同じで、後はどんどん下がっていくだけですよ。それとも日本国民と同じで見る目がないのかもね。
「東大合格者全氏名発表」もうやめない?(98/3/17)
 今年もこの季節になると「サンデー毎日」が東大合格者全氏名を公表しています。昔は同じことを「週刊朝日」もやっていたし、他の新聞社系週刊誌も競って東大合格者を調べ上げてランキングを発表していました。さすがに今ではサンデー毎日を除く各誌はやめてしまいましたが、建前では受験競争を煽るからとか、どうこう言ってみても、結局手間暇かかる割には売り上げに結びつかないというあたりが本音なのでしょう。そういう意味では一貫して頑張っているサンデー毎日には一種共産党的潔さは感じます。
 とは言え、決して東大合格者を勝手に公表することが良いことだとは思っていません。まだ高校生だった頃、僕は週刊誌が発表するこの東大合格者ランキングをとても楽しみにしていました。母校は伝統的な進学校だったために、灘・開成・麻布・ラサール・筑駒などの超有名校には到底及ばないものの、当時全国でtop20に入るくらいの位置にはいました。甲子園には出られそうもなかったので、代わりに単純な母校愛を東大合格者ランキングに注いでいたような気がします。愛知県内のライバル校に勝った負けたと一喜一憂していました。
 しかし、3年生になり自分が大学受験をする番になった時。僕は早々に東大なんて諦めていましたから部外者だったのですが、にも関わらず当惑しながらこの合格者リストを眺めていました。そこには親友のTの名がありました。他にもクラスメートや知った名前もありました。しかし同じように一緒に遊んだ仲間である別の友人達の名前はありません。「ああ、あいつ落ちたんだ」。母親も一緒に週刊誌を見て「GクンもMクンもダメだったの?」と聞いてきます。「そうみたい」と答えながら、何とも複雑な気持ちだったのを覚えています。
 翌年。浪人したはずの彼らの名前はまたありません。「ああ、今年もダメだったんだぁ」と思った僕は、ふと「一体どれだけの人がこうして彼の不合格のことを知っているんだろう」と考えたら怖くなりました。受験に失敗したことをこんなに多くの人に無理矢理知らされてしまうなんて嬉しいはずありません。もちろん合格していたって同じです。どちらも無許可でかなり個人的で重要な情報を勝手に漏洩しているのですから。
 大蔵官僚がバッシングされるこのご時世、東大なんてどれほどのもんじゃ、変なエリート意識の助長をはかるな、といった議論はこの際おいといても、そろそろ東大合格者全氏名発表という愚挙はやめにしてはどうでしょうかね、サンデー毎日さん。甲子園も東大も、曲がり角だと思うし。
●季節遅れの『サザエさん』。(98/3/16)
 日曜夜の象徴、日本のテレビアニメの代表とも言うべき『サザエさん』。国民的テレビアニメとして、21世紀を目前にした今日でも相変わらずサザエさんはおっちょこちょいだし、カツオくんはいたずらを繰り返していて、マスオさんはいい人です。サザエさんを見ていると、この番組が受けている限りは、日本人のメンタリティも根っこのところではあまり変わっていないんだろうな、と安心してしまいます。
 ただ僕は昔からひとつ(本当はいくつかあるんだけど)サザエさんについて気になるところがあります。それはオープニングソングのバックに流れるアニメ。ご存知のようにオープニングのアニメは全国の観光地をサザエさんが紹介するスタイルです。現在は冬の東北地方を巡って、なまはげだの蔵王だのが登場しています。何が気になるのか?そう、3月だというのに相変わらず季節が「冬」なんですよ。サザエさんのオープニングアニメは、1-3月が冬、4-6月が春、7-9月が夏、10-12月が秋のバージョンが流れるようになっています。実際の体感温度ではその季節のあてはめ方でもいいかも知れませんが、普通はもう1ヶ月早い、例えば3-5月が春という感覚でしょう。それなのに3月下旬、梅はとっくに終わり桜が咲く季節になっても、サザエさんの中では冬のアニメ。これではあまりにも季節外れな感じです。
 そもそも日本人は季節を先取りすることが得意です。年が明ければもう春だし、夏の暑い盛りに立秋があります。この季節の先取りは、四季がはっきりしている日本だからこそ楽しめる感性なのです。サザエさんも今や日本を代表する文化のひとつです。だからこそ、オープニングのアニメを今より1ヶ月、できたら2ヶ月早く衣替えをして欲しいですね。2月から春バージョン、5月から夏バージョンが流れたって、早い分には誰も文句を言わないと思いますけどね。
マンガ喫茶の謎。(98/3/15)
 久々に「名古屋の謎」シリーズ(過去の名古屋の謎は、フレッシュの謎台湾ラーメンの謎放課の謎などです)。今回は「マンガ喫茶」。僕は大のマンガ好きですから、当然マンガ喫茶も大昔(学生時代です)から通っていました。結婚する前に住んでいた賃貸マンションの1階がマンガ喫茶で、しかもそこは食事も美味しかったので本当にお世話になったものです。
 ところが名古屋以外の地方で育った人に聞くと、マンガ喫茶なんてなかった、という人が多いんです。東京や京都のように学生が多く、いかにもマンガ喫茶が受けそうな地域の人ですら、名古屋のようにマンガ喫茶が学生やサラリーマンの憩いの場所になっていないとか。
 なんで?マンガ喫茶って名古屋独自の文化なの?と思っていたら、先日の朝日新聞に「マンガ喫茶の発祥は名古屋」という記事が掲載されていて、長年の疑問からようやく解放されました。あのシステムは考え出したのは名古屋人。うーん、確かに名古屋っぽい。安いお金で楽しく暇つぶしができる。記事に寄れば給料日前とか月曜日とか雨の日とか暑い日寒い日とかにお客が増えるそうな。つまり元気があって懐もあったかで陽気の良い週末とかには絶対行かないところなんです。寂しいとき暗いとき嫌なとき金がないときに行く店です。いいですね、こういうすえた匂いがしそうな貧乏くさい話。名より実を取る名古屋らしい発想です。もっとも最近は東京にもかなり増えてきたとか。となると、全国区の風俗ですから、これからはマンガ喫茶を舞台にしたトレンディドラマや映画が生まれてくるかも。でもキムタクと松たか子じゃ似合いそうもないね。堂本剛と鈴木沙理奈ならOKか。関西系なら似合うってか。
●2028年10月人類滅亡!?(98/3/14)
 報道によると、今から30年後の2028年10月、直径約1.6kmの小惑星が地球をかすめることがわかったそうです。月と地球の軌道の内側に入り込み、地球から約3万マイルのところを通過するとか。なんだ、たった直径1.6kmか、3万マイルも離れているのか、と思ってはいけません。6500万年前に直径数kmの小惑星が地球に衝突して恐竜は絶滅したのです(仮説だけどね)。1.6kmとは言え、もし衝突したらどんな影響が出るか。でも3万マイル離れているんでしょ、と安心してはダメです。誤差が18万マイルは考えられるとか。18万マイルの誤差があるのに距離3万マイル。ぶつかったって全然不思議はありません。
 さて、これが本当の話になると、俄然いろいろと面白くなってきます。まず地球人類最大の危機ですから、地球規模の対策委員会を結成してこの難事に当たらねばなりません。SFでよくある宇宙人襲撃と似ています。外敵に共同して当たることで、戦争が地球上からなくなる、という例のアレです。もし衝突が確実ということになったら、どこにぶつかるのかが大問題。ヨーロッパやアメリカなど人がたくさん住んでいるところがダメなのはもちろん、例えば海の真ん中に落ちたって、津波とか海底火山の爆発とかいろいろ考えられます。エルニーニョ現象ひとつで世界中が気象異変になるのですから、小惑星がぶつかったら、海からどんな天変地異が起こるかわかりません。もちろん南極大陸に落ちても、氷が一気に溶け出すかも知れないし、砂漠の真ん中だって砂塵が空を覆って世界的に作物が収穫できなくなったりすることでしょう。
 そうなると今から30年後の技術で、小惑星を破壊するか方向を変えるしかありません。核攻撃すれば爆破できるかも知れないけれど、宇宙であっても核爆発が起きたらどんな影響があることやら。無難なのは方向変換でしょうが、そのための費用はいったい誰が出すのか、とても簡単には話し合いがつきません。うーん、どういうことになるのか、今から30年後が楽しみです。それに僕はもうその時60代後半ですからね、死ぬ間際の面白いショーなんて高みの見物ですよ、きっと。
●貴乃花も勤続疲労。(98/3/13)
 先場所に続いて貴乃花が途中休場。曙も武蔵丸も貴ノ浪も毎日バタバタ負けて、荒れる春場所の異名通りの展開になっています。それにしても貴乃花。ちょっと前までは「面白くない」と言われるほどに強かったのに、ここにきての凋落ぶりは、まるで引退間際の横綱のようです。まだ若いのに、どうしてこれほどまでにボロボロになっているのでしょうか。
 僕は貴乃花も「勤続疲労」しているのだと思います。若いとは言え、15才で大相撲入りして以来、10年以上常に注目の的。異例のスピード出世のせいで、10代のうちから厳しい幕内で戦い続けてきました。過去の大横綱(大鵬・北の湖・千代の富士)たちだって、横綱になって10年近く経つと身も心もボロボロになっていました。貴乃花の場合は、下位にいる頃からずっと横綱以上のプレッシャーの中で相撲を取ってきただけに、疲れが出るのも早かろうと思います。ここはひとつ気長に体調の回復を待って、準備万端で再び大相撲界に君臨してもらいたいですね。
●鬼太郎の歌は熊倉一雄。(98/3/12)
 以前取り上げたスズキのCM「スズキにきたろう」。このCMの中で流れている歌を歌っているのは、もちろん熊倉一雄です。フムフム、とこれで頷いたあなた、30代でしょう?実は朝日新聞に「CMの歌を歌っている人が番組と違うようですが、誰なんでしょう?」という質問が載っていたのです。そう、何と「ゲゲゲの鬼太郎」の有名な主題歌は、最初は確かに熊倉一雄が歌っていたのですが、以後吉幾三、憂歌団と変わっていたのです。知らなかったでしょ、30代の人。憂歌団が歌っているんではねぇ。熊倉一雄とはイメージ違うわなぁ。
 こういうことって結構ありますよね。「コメットさん」が大場久美子と思っている人はまだ若いです。九重祐三子ですよね、40代の人(笑)。『17才』は森高千里か南沙織か、「岩崎ひろみ」「佐藤あいこ」と聞いて誰を思い出すか。昔「クイズ年の差なんて」という番組がありましたが、今でも企画としては古くはないと思いますから、ぜひリニューアルしてまた復活させて欲しいです。もっともそろそろ古いことしかわからなくなってしまう世代になってきているので、個人的には面白くないかなぁ。
●切れたら負けよ。(98/3/11)
 会社の営業のS部長。押しの強い営業マンが多い中、ソフトな人当たりと論理的な話し方で結構「やり手」とか「切れる」とか評判のようですが、僕は今まで仕事をしたことがありませんでした。それが先日、初めて一緒に仕事をして、さあプレゼンに行くぞ、というタクシーの中。ほんの些細なことからいきなり怒りだしてしまったのです。発端は簡単なことで、「今日は誰が説明するんだ?」と彼が聞くから、僕が軽く「部長が詳しいんだからご自分でされたらいかがですか?」と言った、それだけなんです。別に彼から「おまえが話せ」と言われれば「ハイわかりました」と答えて終わりだったと思うのですが、僕が彼に軽口っぽく話を振ったために、それが彼には僕の責任逃れ、やる気なし、と映ってしまったようです。
 もう後は罵詈雑言のオンパレード。こちらの言い分を聞く余裕もなく、それも狭いタクシーの中で、目を剥き口から泡を飛ばして大声で怒鳴るのですから手に負えません。話はどんどんエスカレートしていき、我々の局全体の仕事のやり方にまで文句を言い始めました。それも自分で怒鳴って、その声にますます興奮していくという自己陶酔的興奮状態で、もう何を言っても全然耳には入らない様子です。仕方なく僕は黙って彼の怒鳴り声を聞いているしかありませんでした。しばらくしたら、少し怒り疲れたようで静かになりましたが、その後もブツブツと文句を言っています。「おまえの上司にも報告する」(だから上司の指示で僕は動いているんだってば)「資料に目を通すようにもっと朝早く来たらどうだ」(目を通すもなにも、その資料を作ったのは僕ですってば)「だいたいプレゼン前日に他の仕事で出張するとは何事だ」(あんたは案を決める時に出張していなかったろうが)。もう彼の言っていることは八つ当たりとしか思えませんが、どうせ言ってもまた興奮させるだけですから黙っていました。
 それにしても最近中学生とかが「切れる」ので危ないとか言いますが、いい年したオトナでも同じように「切れる」人はいるんですね。彼が「切れる」という評判も、その後よく聞いてみると「切れる」の意味が違っていたようです。他の件でも同じように「ぶち切れ」したことがあったらしく、ほんと、バタフライナイフは持たせたらいけないタイプみたい。ヒステリー状態にあるオジサンって、本当にみっともないですよ、って彼に教えてあげたいけど、また切れちゃうんだろうなぁ。


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