幹事クリタのコーカイ日誌2020

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9月11日 ● 『葬送のフリーレン』は大傑作。

 少年サンデーで連載中の『葬送のフリーレン』(原作:山田鐘人、作画:アベツカサ)という作品があります。先月にようやくコミックス第1巻が発売されたところですが、早速購入しました。実はコミックスを買うのは随分と久しぶりでした。我が家にはアホほどマンガがあります。14年前に今のマンションに引っ越した時に5000冊以上ありましたが、それ以降は数えていないのでわかりませんが家族3人のマンガの蔵書を足したら恐らく7000冊以上になっていることでしょう。

 ただ僕自身は極力コミックスは買わないようにしています。収納場所がないからです。今のマンションに引っ越す時に80万円かけて壁にマンガを収めるための扉付き本棚を作りました(こちら)。そこに約6000冊が入ったのですが、それでもういっぱいで後はマンガが溢れ出すばかりだからです。一度700冊ほど売りましたが、まだまだ妻と娘が買ってくるので家の中に溢れています。僕はもう新しいコミックスは買わないと誓ったので、この14年間で新しく購入したのはテニスマンガの『ベイビーステップ』だけでした。『葬送のフリーレン』はそれ以来です。まさに「10年に一度」レベルのお気に入りということになります。

 このマンガは勇者一行が魔王を倒した後から始まる後日譚です。主役は何百年も生きるエルフで魔法使いのフリーレン。物語がスタートした時にはまだパーティの勇者、僧侶、戦士も元気ですが、勇者と僧侶は人間なので年老いていき寿命がきて死んでいきます。戦士はドワーフ族なので人間よりは長生きですが、それでも年老いて衰えていきますが、エルフのフリーレンだけは全くと言っていいほど年を取りません。そのフリーレンが勇者の死に悲しみを感じたことで、なぜ悲しいと感じるのか、人間を「知る」ために旅を続ける物語です。

 このマンガのどこが良いかは読んでもらえればすぐわかります。とてもきれいでかつ可愛い絵。いかにもサンデーらしい洗練された都会的な絵に、哲学的ともいえる登場人物たちのセリフが被さってきます。この絵とセリフの取り合わせが絶妙なのです。テーマは限りある命だからこその人間賛歌なのですが、ユーモアを交えながら決めるところではバシッと決める原作の手練れの業が光ります。第1話から良かったのですが、物語が進むにつれてますます面白く深くなっています。久々の日本マンガの傑作と言って良いでしょう。まだ連載始まって半年も経っていませんけど断言できます。


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