幹事クリタのコーカイ日誌2018

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2月19日 ● 藤井聡太は想像を超えてくる。

 およそ1ヶ月前、「藤井四段はマンガの主人公か」というエントリーを書きました。朝日杯将棋オープン戦準々決勝で佐藤天彦名人に勝った時のことです。中学生棋士が現役名人に公式戦で勝つなんてことはおよそ考えられないと思いました。デビューからの劇的なストーリー展開も含めて、もうこれはマンガの世界の出来事だと。

 ところが彼はさらにそれを上回ってきました。その半月後にC級2組であっさり1組への昇格を決めて五段に昇段。そして一昨日の朝日杯準決勝で羽生竜王と対戦してこれを破り、さらに決勝で広瀬八段も圧倒して優勝してしまったのです。中学生棋士が全棋士が参加するオープン大会で優勝するなどまさに空前絶後の大快挙です。この優勝でわずか五段在位16日で六段に上がってしまいました。

 最年少六段、最年少優勝。どちらも加藤一二三九段の最年少記録を破りましたが、加藤だって五段から六段にあがるのに1年かかりました。普通は1年かかる順位戦で昇格して段位を上げていくのですから当然です。藤井が飛び級し過ぎるのです。

 最年少優勝にしたって、加藤をはじめ谷川も羽生も初優勝はみな若手しか参加しない大会でのことでした。藤井のように名人や竜王を破って優勝するなど規格外もいいところです。まだ六段、まだC級棋士ながら、もしかしたらすでに全棋士で一番強いのかも知れません。実際、2017年度の成績では対局数、勝数、勝率、連勝の年度四冠もキープしています。これを達成すれば羽生以来史上2人目の快挙です。

 もはや藤井六段は「将棋界の未来を背負う若手の代表」などというレベルではなく、羽生や佐藤らタイトルホルダーと肩を並べる実力者の域ににすでに達していて、あと1年もしないうちに誰も勝てないくらいの圧倒的な最強棋士になっている可能性も大きいのです。それほどの成長速度です。マンガを超える現実があるとは恐ろしいです。


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