幹事クリタのコーカイ日誌2018

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1月16日 ● 藤井四段はマンガの主人公か。

 藤井聡太四段が朝日杯将棋オープン戦準々決勝で佐藤天彦名人と対局し快勝しました。公式戦で名人を倒すとは本当に恐るべき15歳です。次は準決勝で羽生善治竜王との対戦。過去に非公式戦では1勝1敗ですが、公式戦では初対局となります。最高にホットな組み合わせになりました。

 それにしても藤井四段のプロデビューからの活躍ぶりはマンガの主人公並みです。そもそもデビュー戦の相手が加藤一二三九段だったのも天の配剤。最年長棋士であり神武以来の天才であり、藤井四段が最年少デビューの記録を破った当の本人とデビュー戦で当たるというのはまさにマンガの世界のように「できすぎ」の展開でした。

 さらにデビューから負けなしで連勝記録も作り、藤井四段から始まった将棋ブームが引退した「ひふみん」ブームを呼び、そこに加えて羽生永世七冠が誕生し、さらに囲碁でも井山七冠が生まれたことで、合わせ技で国民栄誉賞を受賞するという、全てが将棋界にとって良い方向に回っています。こんな好循環はなかなかあるものではありません。

 思い起こせば将棋界ではまだつい最近の2016年に「将棋ソフト不正使用疑惑」が起こりました。三浦九段がスマホの将棋ソフトでカンニングをしていると訴えられた事件です。将棋界全体を巻き込んだ大騒動になり、結局三浦九段は出場停止処分を受けたものの疑惑は疑惑のまま真相は突き止められず、不正行為に及んでいたという証拠がないまま終結。谷川浩司会長らが責任を取って辞任しました。

 2017年になった時点でもまだ騒動が終息していなかったにも関わらず、その間に藤井四段がデビューして連勝記録を更新していくうちにすっかり世間の関心は藤井四段に移ってしまいました。結果、疑惑の方は何となくうやむやになっています。大きなイメージダウンを打ち消して余りある藤井四段の活躍は、まさに将棋界を救ったと言って良いでしょう。

 そんなヒーロー藤井四段に対するラスボス感が半端ない羽生竜王との一戦は、まさにマンガなら序盤のクライマックス。少年ジャンプなら第20話あたりでしょうか。マンガならここで負けることで大きな壁を知ってさらに今後の飛躍へとつながるストーリーもあるし、一気に羽生を倒して次なるステージへと向かう展開もあるでしょう。いずれにしても楽しみな一戦です。


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