幹事クリタのコーカイ日誌2016

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4月25日 ● 予想通りの市松模様。

 2020年東京五輪の新しいエンブレムが決まりました。候補案4点の中から市松模様をモチーフにしたA案で決定。予想通りです。最終4案が提示された時点でこのコーカイ日誌で書いたように(「無難なだけの候補案」)、他の3案はほぼ「捨て案」であることは見え見えでした。一般人を安心させるために作った他の3案と比べてA案だけが今回のエンブレムとしての役割を全うできることは明らかでした。これになるだろうということは、業界の人間なら大抵予想がついただろうと思います。

 前にも書いたように機能性・展開性・独自性・耐久性などを考えたら、他のベタな古臭い3案はあり得ません。A案だけが合格ラインを超えているのですから当然です。本来ならB案以下も合格ラインを超えた案を出してほしかったのですが、おそらく商標チェックなどで除外されてしまったのではないかと思います。そういう意味では妥協の産物ですが仕方ないことだったのでしょう。

 ただ残念なのは、この市松模様のA案でもまだ撤回になった佐野研二郎のエンブレムを超えていないということです。Tと日の丸をモチーフにした佐野案の方が東京・日本を一瞬でイメージできてわかりやすさと独自性がありますし、配色も紺一色の市松模様案よりはカラフルで視認性も高いです。また佐野案はデザインの潮流に乗っているだけではなく、クラシカルな雰囲気も合わせて醸し出しています。こうなると、あの案をあっさり潰されたのは本当に残念です。

 やっぱりクリエーティブなものは凡百の「好き嫌い」なんて聴いていてはダメです。決して斬新で世の中を切り開いていくようなものは生まれません。その再確認だけはできたのが今回の騒動の唯一の収穫でした。


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