幹事クリタのコーカイ日誌2015

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12月24日 ● 極私的ドラマアカデミー賞2015。

 昨日に続き恒例企画。極私的ドラマアカデミー賞2015の発表です。今年もたくさんのドラマが放送されましたが、昨年ほど話題になったドラマが少なかったので選考が難しいです。いつものお断りですが、あくまでも個人的な感想です。また僕が見ていないドラマはどれだけヒットしていてもエントリーされないのでご了承ください。ちなみに昨年はこちら(「極私的ドラマアカデミー賞2014」)で。

 まず作品賞から。エントリーは『アイムホーム』『天皇の料理番』『花咲舞が黙ってない』『コウノドリ』『下町ロケット』。全て原作のマンガもしくは小説がある作品ばかりで、オリジナル脚本の難しさがよくわかります。知名度の問題だけではなく、骨格がしっかりしている、もしくは取材が緻密である作品じゃないと質の高いドラマは作りにくいのでしょう。この中から最優秀作品賞はと言うと『天皇の料理番』が僕の中では断トツでした。ストーリーだけではなく、演出も脚本もキャスティングも素晴らしく、笑いもあり感動もあり涙もありと、ドラマの全てがある作品でした。次点はどれもそこそこで迷いましたが原作のイメージをよく守った『コウノドリ』で。

 主演男優賞のエントリーは以下の通りです。木村拓哉(『アイムホーム』)、佐藤健(『天皇の料理番』)、綾野剛(『コウノドリ』)、濱田岳(『釣りバカ日誌〜新入社員は浜崎伝助〜』)、阿部寛(『下町ロケット』)。これは佐藤健の圧勝です。彼のエネルギーを全開にした熱い演技、特にその包丁さばきの見事さは、どれほど練習をしたのかと驚くほどのものでした。時点は濱田岳。西田敏行を前にして見事にハマちゃんを演じきりました。

 主演女優賞は毎年人材不足です。今年も寂しい戦いでした。エントリーは多部未華子(『ドS刑事』)、杏(『花咲舞が黙ってない』)、芳根京子(『表参道高校合唱団』)の3人のみ。主演した女優はたくさんいますが、ドラマとして面白くないと主演も輝けないということです。この中で選ぶとしたら杏になります。パート2ですから評価は厳しくなるのですが、すっかり役を自分のものにして杏=花咲舞のイメージがすっかり定着しました。次点は芳根京子。良いドラマでしたがちょっと地味すぎたのが惜しいところでした。

 多士済々の助演男優賞のエントリーは以下の通りです。桐谷健太、鈴木亮平(ともに『天皇の料理番』)、上川隆也(『花咲舞が黙ってない』)、新井浩文(『ド根性ガエル』)、西田敏行(『釣りバカ日誌〜新入社員は浜崎伝助〜』)。ここは毎年のことながら激戦です。大減量して鬼気迫る演技を見せた鈴木亮平、立場を変えて軽妙な演技を披露した西田、杏の相棒としてこれ以上はない上川も良かったのですが、ここは主演の佐藤健の陰で何とも言えない哀愁を演じて見せた桐谷健太にします。次点はゴリライモを魅力的に演じた新井浩文。彼は『アイムホーム』『下町ロケット』でも敵役を見事に演じていたので合わせ技です。

 助演女優賞。エントリーは上戸彩(『アイムホーム』)、蒼井優(『Dr.倫太郎』)、黒木華(『天皇の料理番』)、前田敦子(『ド根性ガエル』)、吉田羊(『コウノドリ』)。ここは抑えた演技で魅せた黒木華に。彼女は美人ではないのに美しい演技ができる女優で素晴らしいと思いました。次点は難しいところですが、さすがの存在感を見せつけた蒼井優にします。

 恒例の期待外れ賞は大河ドラマ『花燃ゆ』でとも思いましたが、最初から期待していなかったことを思い出したので除外。作品賞にもノミネートした『下町ロケット』にします。確かに作品として話題になったし視聴率も取ったし面白くなかったわけではないのですが、このスタッフのドラマはあまりにもワンパターン過ぎて途中で少々ウンザリしたことも確かです。勧善懲悪の時代劇風味でわかりやすいのが受けたのだろうと思いますが、『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』に続く3作目ですからもう少し捻りが欲しかったかも。期待が高かっただけに期待外れの部分も大きかったということで。

 また特別賞は満島ひかり。『ド根性ガエル』のピョン吉の声は神がかっていました。声だけでもあれだけの演技ができるとは満島ひかり恐るべしという強い印象を残しました。主演女優でも助演女優でもあるのですが、敢えてその部門から外しての特別賞とさせていただきます。


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