幹事クリタのコーカイ日誌2013

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4月3日 ● ミスターとゴジラ。

 長嶋茂雄と松井秀喜が国民栄誉賞を受賞、という発表があったのが4月1日。てっきりエイプリールフールのネタだと思いました。大鵬が亡くなってようやく貰えたので、このままでは長嶋も死なないと貰えないから松井の引退に合わせて抱き合わせで国民栄誉賞をあげちゃおう、という発想はいかにもエイプリールフールのネタっぽくて、嘘話としてはまあまあの出来です。

 ところが翌日になってもそのニュースが取り消されていないことにビックリ。まさか本当だったとは思いませんでした。これまでの国民栄誉賞の経緯からして松井くらいの人気・実績で国民栄誉賞は相応しくないとは言いませんがバーゲンセール感が強いですし、本当に「抱き合わせ」なんて長嶋、松井どちらにも失礼な話じゃないかと思います。

 当然各方面から異論が出ているようで、なんでこのタイミングなんだとか、2人一緒なんだとか、巨人優遇かとか、松井にやるなら野茂が先だろうとか。僕も野茂と松井の単純な比較なら当然パイオニアである野茂の方が優先順位は上だと思いますが、今回のポイントは長嶋に受賞させる「理由づけ」が松井の引退だったわけで、議論すべきはむしろ国民栄誉賞を出すのにそういう理由づけが必要になってしまったことにあると思います。つまり記録達成か死去かの二択しかない現状がおかしいということです。

 この「コーカイ日誌」では何度も国民栄誉賞のあり方について書き続けています(例えばこちらとか)。僕の考えは基本的に「もっとバンバン出せ」ということ。出し惜しみするから政府の人気取りだと言われるし、死んでからの後出しになりがちだし、誰がもらって誰がもらっていないのがおかしいと問題になるのであって、毎年「今年の国民栄誉賞」ということでどんどん受賞させていけば、もはや人気取りにもならないし、貰うべき人はみな貰えることでしょう。イチローのように辞退することも特別じゃなくなるし、それによって批判を受けたりもしなくなります。

 それにしても松井の心境を考えると複雑でしょうね。自分は恩師長嶋の「理由づけ」であることは明白ですし、恩師のために断ることもできず、かと言って貰ってもどこか後ろめたいし、今後努力して相応しい実績を挙げようにも選手を引退してしまったし。まるで高校時代の5連続敬遠を思い出させます。松井自身は何もしていないのに巻き込まれて渦中に立たされるのは彼の運命なのでしょうか。参院選向けパフォーマンスなんかのために彼をこんな事態に追い込んだ政府関係者の罪深さが際立ちます。別々に賞を出しておけば松井にこんな思いをさせなくても済んだのにねぇ。



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