幹事クリタのコーカイ日誌2010

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11月11日 ● sengoku38の義憤。

 尖閣衝突事故のビデオ流出事件の犯人「sengoku38」は、僕が以前予想したようにやはり義憤にかられた海保の隊員でした。彼の気持ちは良くわかります。政府の訳のわからない対応で、うやむやのうちに「なかったこと」にされて闇から闇へと葬り去られそうな今回の事件。海保としてはこんなことが続いたらやってられないと感じることでしょう。世間にビデオを公表して、自分たちが間違ったことはしていないし、いかに危険なところで仕事をしているのかを知ってもらいたいと思うのも当然です。

 sengoku38は自ら自分がやったと名乗りを挙げました。そしてその前に読売テレビの取材にも堂々と答えています。明らかに覚悟の上での犯行ですし、いろいろと考えた挙げ句のことだったことも窺い知れます。彼は読売テレビの取材に対して「国民は映像を見る権利がある」と語ったそうです。その通りだと僕も思います。我々には見る権利があります。政府は何をもってこのビデオを秘匿するのか、海保や地検、そして国会議員だけが見られて、我々が見ることができないのはなぜか、全く納得いく説明がされていません。

 もちろんsengoku38はあくまでも「犯人」です。国家公務員が守秘義務を守らないというのは困ります。彼を真似して公務員が様々な機密をネット上にばらまかれては大事です。だから彼はあくまでも国家公務員法違反として処罰されるべきだとは思います。ただ彼は機密漏洩をしたと言っても、それはスパイ行為ではありませんでした。中国から日本を守るために敢えて行ったことですし、むしろ中国におもねり日本を危機に陥れようとしているのは政府だから、仕方なく彼は犯行に踏み切ったのだと思います。そんな彼を誰が本当に責められるというのでしょう?

 仙石官房長官は激怒して彼を厳しく処罰したいことでしょう。しかしそんなことをすれば今でも危うい民主党政権は確実に転覆すると思います。国民は仙石よりも「sengoku38」を支持しているからです。かと言って温情的な処分をすれば、何より大事にしている中国との関係がさらに冷えてしまいます。政府はますます難しい局面に立たされました。ま、自ら蒔いたタネですけどね。問題はそれが他人事ではなく、まさしく自分たちが選んだ政府の失態だということです。自らタネを蒔いたのは我々でもあるのです。




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