幹事クリタのコーカイ日誌2010

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11月6日 ● ソーシャルメディア時代の尖閣ビデオ流出。

 尖閣諸島沖の衝突事件のビデオがYoutubeに流出して日本中が大騒ぎになっています。うーん、まあマスコミが騒ぐのはわかるけど、それにしても天地がひっくり返ったかのような騒ぎはちょっとやり過ぎ。ビデオの存在自体はもちろん、議員センセイたちにも見せたりしてその中身もほぼ明らかにされていたのだから、まあビデオを見ても「ああ、やっぱりな」という確認程度でした。

 それに情報管理の問題が大きく取り沙汰されていますが、今どきいつまでも隠しておけると思う方が僕には甘いとしか思えません。誰も存在さえ知らないビデオならともかく、ここまで有名になってしまったものです。しかも海保と検察の両者が持っているんですから、どこかから漏れたって不思議はありません。海保の中には政府が隠すものだから「見て欲しい」と願っている人がたくさんいることでしょう。体を張って戦っているのに、なぜこのビデオを世界に公開しないんだ、と思う海保の隊員の中から義憤に駆られて確信犯でビデオを公開した人間がいても当然でしょう。

 結局こうなることは予測できていたにも関わらず下手を打ったのは政府だということです。ビデオの存在を明らかにした時点で、すぐに公表しておけばこんなことにはなりませんでした。政府にとっては最悪のカタチでビデオが公開されてしまったということです。

 それにしてもつくづくソーシャルメディアの時代の事件だなぁと思いました。これが20年前ならこういうカタチで流出することなどあり得ませんでした。ビデオカメラで撮影した映像があるとしても、それを流出させるにはマスコミに持っていくしかなかったのです。しかし、仮にそれをテレビ局に持っていって流してくれと言ったところで、確実に握り潰されていたでしょう。もしどこかの反骨精神に溢れた雑誌社がビデオ映像を写真で掲載したとしても、真偽が疑わしいとされてこんな騒ぎにはなりません。

 しかし、今回はビデオを流出させたい個人が簡単に世界に向けて動画を発信してしまいました。それだけでもスゴイのに、それがツイッターなどを通じてあっという間に広がり、コピーされた映像がまたブログなどを通じて拡散していきました。これまでのマスメディアと関係ない動画投稿サイトやツイッター、ブログなどで、どんどん伝えられていったのです。マスコミは後追いするしかありませんでした。従来のマスメディアに対して新しいソーシャルメディアの完全な勝利でした。

 個人が金も時間もかけず、正体もバラさずに世界中を相手に情報発信ができる。後追い情報しか届けられなかった旧メディアは、ますますこれから自分たちがヤバイということに気づいているでしょうか?ま、気づいてはいても変えられないというところでしょうね。




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