幹事クリタのコーカイ日誌2010

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10月13日 ● 欲がなくなってくるお年頃。

 若い頃は自分が年を取って衰えていくということが頭ではわかっていても、実感としてはわかりません。何となく体力がなくなるのかな、物忘れがひどくなるのかな、などと思っていますが、実際には昨日も今日も明日もあまり変わりがないので、このままずっと同じ状態が続くような気がしています。

 しかし僕も50年近く生きてきて、段階を踏んで年を取ってくるんだということがわかり始めました。最初に感じたのは35才頃。自分では青年時代と全然変わった意識はなかったのですが、周りの扱いが変わってきたことを感じ始めました。恐らく30才を過ぎたあたりから実は変わっていたのでしょうが、実感として「おじさん」扱いされ始めたとわかったのが35才あたりからでした。

 次に40才頃に二日酔いからの回復力の遅さを感じ始めました。以前なら翌日のお昼頃には元気になっていたのに、徐々に夕方までダメになってきたのです。この頃から酒を飲む量を控えるようになりました。これと同じく傷の治りも時間がかかるようになってきました。そして40代半ばには視力(特に夜目)の衰え、バランス感覚の微妙な狂いなどを感じ始め、体力測定の数値も落ち始めました。これはテニスをしていると実感としてわかります。若い頃には簡単にできたこと、例えば後ろに下がりながらのジャンピングスマッシュが難しくなってきたのです。

 そして50才を目前にして最近感じるのは「欲」の衰えです。食欲や性欲といった本能的な欲求はもちろん徐々に落ちてきているのですが、それに加えて物欲とか名誉欲とかも少なくなってきているのを感じます。以前よりいろいろなことに枯れてきたというか、執着しなくなってきました。文字通り「欲張らない」ようになってきたのです。

 良く言えば丸くなったというか人間ができてきたとも言えますが、悪く言えば向上心や好奇心の衰えでしょうか。若い頃に比べたら明らかに「まあいいじゃん」と思うことが増えました。もちろんこの「コーカイ日誌」を読んでくださっている方は「何を悟ったようなことを」と鼻で笑うかも知れません。テニスばっかりやって勝った負けたと言ってるし、あれも欲しいこれも欲しいと買い込んでいるし、サックスなんかも始めちゃうし、どこが「枯れてきた」だよ、と。先日「悟ったら終わりな気がする」って書いてたばかりだろうと。

 確かにそういう突っ込みが入ることはわかるのですが、当社比ならぬ当人比では、昔に比べれば随分と欲張らなくなったのです。そして、それは間違いなく年齢のせいだろうなぁと思っているわけです。

 最初に書いたように若い時には自分が年を取るということがわかりません。僕も半年後の50才の自分は想像がつきますが、60才、70才、80才の自分がどうなっているのかわかりません。きっと自分でも思わなかったような変化を遂げて「老人になるってこういうことか」と驚いているような気がします。



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