幹事クリタのコーカイ日誌2010

[ 前日翌日最新今月 ]


 
10月14日 ● チリの落盤事故より中国のノルウェーいじめ。

 チリ落盤事故の救出作業が始まり、テレビのニュースはずっとそれ一色。まあ絵になりやすいだけにライブで中継を続ける気持ちはわかりますが、そこまでべったりやる必要があるのかとは思います。文句をどこからもつけられず圧力もかからず、感動的に盛り上げることがお手軽にできるネタだからやってるんだろうなとしか思えません。

 テレビがジャーナリズムであるなんて、テレビの人間以外は誰ももう思っていないのかも知れませんが、建前がそうならやはり国際関係のニュースとしては、チリだけではなく中国政府がノルウェーをいじめている問題をもっと時間を割いて取り上げて欲しいものです。なにせ日本では先頃まで中国とは揉めたばかり。それと同じような事例が続いて起きているのですから、これはもっと注目すべきですし、そこから学ぶことも多いはずです。

 事の発端は中国の人権活動家・劉暁波(リウ・シアオポー)氏にノーベル平和賞が贈られることが決定したことから。反体制派にノーベル賞などけしからんと中国はノルウェーに抗議。しかし、政府から独立した機関であるノーベル賞委員会の決定に対してノルウェー政府は関与できない。それでも中国はノルウェーに次々と圧力をかけて、いじめ、嫌がらせを続けています。

 ノルウェーの漁業相が中国を訪れて中国政府高官と会合するはずだったのにそれを取りやめ、北京で来月開催される予定だったノルウェー人歌手のミュージカルを中止にしました。政府間の交渉をやめるのはともかく、文化交流まで圧力をかけてやめさせてしまうあたりが、中国の乱暴さを象徴しています。中国とノルウェーはFTAの交渉を進めているそうで、それもまた中国は脅迫のネタにしそうです。

 先日の日本と中国のトラブルでも、中国の無茶苦茶さは日本のみならずアジア各国に衝撃を与えたと思います。中国は相手が弱いと思うと、嵩にかかって脅しをかけてきます。アジアの隣国である日本やフィリピン、ベトナムなどと違い、遠く離れた歴史的にもそれほど深い関わりがあるわけでもないノルウェーに対しても同じ態度を中国が取っているということは、今の中国が「ならず者国家」であることの証拠です。

 日本は中国と真っ向からケンカするつもりがないのなら、「負けるが勝ち」の精神で、国際社会に対して「中国はこんなに無茶を言う国なのですよ、日本は被害者なのですよ」と訴え続けて国際世論を味方につける工作をするべきですし、そのための補強材料として中国のノルウェーいじめをもっと利用すべきです。

 チリの落盤事故報道一色のテレビは、中国批判をするのが怖くて腰がひけているのでしょうか?まさか未だに中国を理想国家だと思っているわけではないでしょう。圧力がかかって火の粉がふりかかるのを恐れているのだとしたら、もう「報道」の名を下ろした方が良いと思います。



twitterでもつぶやいています@kanjikurita

gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」