幹事クリタのコーカイ日誌2009

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12月7日 ● 携帯電話は単なる道具を超えた自己表現?

 娘が携帯電話の機種変更をしたい、プラン変更もしたいとうるさいので、昨日仕方なくauショップに行ってきました。tu-kaからauに家族揃って切り替えたのは2007年3月。確かにそろそろ古くなってきてはいますが、まだ使えないわけではありません。一番ダメになりかかっているのは、よく落とす息子の携帯ですが、本人はあまり気にしていません。娘の携帯はまだ十分に綺麗なんですが、流行りモノが大好きな娘にとっては、嵐が宣伝している新しい機種がどうしても良く見えるらしく、ゴネにゴネるので根負けしてしまいました。

 しかし、ショップで見ると娘の欲しい機種は何と47500円。バカ高です。3年前に4台合計で1万円弱だったのに、この高騰ぶりはどういうことでしょう?デフレの時代に携帯ばかり高くなってしまって、よく商売が成り立つものです。1台5000円以下の機種があれば、娘以外のものも替えようかと思いましたが、そんなものはどこにも見当たりません。娘の機種変更もその場で却下です。

 しかし、ショップでまた娘はゴネます。今回5000円のキャッシュバックキャンペーン中で、これまで溜まったポイントが15000円分。残りを自分がもうすぐ貰えるはずのお年玉から出すから買いたいと言うのです。娘は小学生の頃から欲しいものがあるとポンと大金を投じる性格で、ここでまたそれが出ました。この不況下にお年玉だってそんなに集まるかどうかわからないのに、その貰ってもいないお金の大半を携帯のために出すなんて、よくぞそれほどまでの物欲があるものだと感心するくらいです。

 そこまで言うのなら仕方ないので、娘が2万円負担するということで機種変更をすることにしました。確かに薄くなってスタイリッシュだし、液晶画面もクリアです。ワンセグもカメラも良くなっているみたいです。でもまあそれだけのことです。できることなんて大差ないんだから、おとなしくプラン変更だけにしておけば良いのにと僕からしたら思いますが、これが価値観の違いというやつですから仕方ありません。

 ふと思ったのですが、今の10代にとっての携帯電話は、僕たちが若い頃のクルマみたいな存在なのかも知れません。あの頃の僕たちは自分の出せる限界ぎりぎりまでお金を出して、少しでも良いクルマ、欲しいクルマに乗りたかったものです。クルマは単なる道具ではなく、趣味であり見栄であり自己表現でした。どんなクルマに乗っているかで、自分という人間を知らしめようとしていました。たぶん今の40代以上なら、その感覚は色濃く残っているだろうと思います。「クルマを見ればその人がわかる」という時代でしたから。

 娘たちにとってはそれが携帯電話なのかも。一番身近な道具であり、次々と新型が発売され、しかもバリエーションが豊富。どんなキャリアの、どの機種を選ぶかが、そのこだわりがとても大事なことなのかも知れません。僕たちにしてみれば携帯電話は単なる道具に過ぎないのですが、今の若者にとってはクルマこそ単なる道具で、携帯がこだわりの自己表現になっていると考えれば納得がいきます。

 そして、それならある程度携帯電話が高くなるのも無理ありません。新しくて高価な機種を持っていることがステータスだとしたら、それは僕たちのクルマと全く同じです。ベンツやBMWが100万円で買えたら誰もありがたく思ってくれません。高いからこそ意味があるというのは、高級ブランド品の考え方ですが、携帯電話もそういうポジションに近づいているのでしょう。


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