幹事クリタのコーカイ日誌2009

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11月9日 ● 『JIN-仁-』と『不毛地帯』。

 この秋のドラマは結局僕の中では『JIN-仁-』と『不毛地帯』だけが残りました。『東京DOGS』も視聴率は良いようですが、どうもF1(若い女性)向けという印象がしてしまって違和感があって脱落。良心的な大人のドラマという意味では、この2本がダントツでした。

 『JIN-仁-』に関しては以前に書いたように、演技派の役者を揃えて本気できちんと作っているところが好感が持てるのですが、何より基本的なドラマの骨格がしっかりしていて、しかも人気の医療ドラマ+歴史ドラマという組み合わせ、それにタイムトラベルのSF風味が加わっているのですから、そりゃ当たるわけです。

 それに比べて『不毛地帯』は好みが分かれると思います。初回の2時間スペシャルはとにかく長い、重い。しかもシベリア抑留生活のシーンなどはもう見ているのが辛いほどでした。主役の唐沢寿明がニコリともしないし、娘役の多部未華子は怒ってばっかりだし、こんな辛気くさいドラマを見ていられるかと思う人もいることでしょう。

 僕も「重いな〜」とボヤキながらもそれでも毎回見ているのは、やはり山崎豊子原作らしいドラマティックな展開に尽きると思います。小ぶりな話が多くなった平成ドラマに比べると、昭和を舞台にした物語は山場がてんこ盛りです。原田芳雄だの岸部一徳だの神山繁だの、もう昭和の匂いがプンプンする俳優が続々と出てきて、昭和にどっぷり浸かって生きてきた世代にはたまりません。和久井映見もすっかり昭和のお母さんが板についていて素晴らしいです。もっとも平成世代にはこの昭和臭さがどう映っているかわかりませんが。

 ところでキャスティングでひとつだけ違和感があるのが小雪の存在。映画『ALWAYS〜三丁目の夕日』の時にも思いましたが、小雪のスタイルの良さは昭和には全く似合いません。確かに古風と言えば古風な顔立ちなんですが、あの背の高さ、顔の小ささ、手足の長さは「あんな女、昭和30年代の日本にいないよ」とどうしても思ってしまいます。小雪演じる陶芸家の女性が結婚していないのは、単に背が高すぎるから嫁の貰い手がないからだろう、と。

 『不毛地帯』は半年の長丁場のドラマ。もう少し追いかけてまた感想を書きたいと思います。