幹事クリタのコーカイ日誌2009

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9月29日 ● 谷垣新総裁という選択。

 野党になって出直しを図る自民党の新総裁に谷垣禎一・元財務相が選ばれました。事前の予想通りの結果であり、特に目新しいことはありません。派閥の領袖が挙党一致を掲げて政権復帰を目指すということですから、しごく妥当な結論だとも言えます。

 ただ、その至極まともな結論で本当に自民党が立ち直れるのかどうかは、少々疑問符をつけざるを得ません。これでは自民党は「変わらない」と誰しも思ったことでしょう。総裁選の答えが「変わらない」ということなんだと言うことなら、先日の総選挙での大敗は一体なんだったのか、自民党はそれをどう分析し反省しているのか、全くわかりません。

 これが「河野太郎」という答えだったのなら明快です。旧来の自民党的なるものを全て排除し、全く新しい党を作り直さなければならないという意思表示になり得ました。河野は劇薬でしたが、今の自民党には必要な薬だと僕は思っていました。しかし投票結果は谷垣300、河野144、西村54。これを河野善戦と見る人もいることでしょうが、僕はまだまだ自民党は懲りてないという風にしか見えませんでした。

 船出した民主党政権はあちらこちらで物議を醸し軋轢を生じながらも「変えよう」という意思表示を続けています。鳩山首相も国連で明快な日本という国からのメッセージを発信してきました。これまで受身一辺倒だった日本外交としては画期的なことです。

 各大臣も競って「変えよう」としています。亀井あたりは批判もかなり浴びているようですが、少なくとも何もやらず存在感を示せない大臣よりはマシです。無茶でも何でも、議論を興さないなら政治家ではありません。これまでの自民党の大臣たちは官僚の言いなりに、ただただ任期を全うし大臣という箔を付け勲章をもらうことしか考えていなかったように思われましたが、鳩山内閣の各大臣たちは何のために自分が大臣になったのかを少なくとも理解はしているようです。

 そんな鳩山内閣、民主党政権に対して、調整型の谷垣新総裁で本当に自民党は立ち向かえるのか?平時ならバランス感覚に優れた守りに強そうな谷垣でも良いでしょう。しかし今の自民党は野党として攻めるべき時なのに、現時点では民主党の失策待ちしかできないのではないでしょうか?近づく参院補選、そして1年後の参院選でどういう結果が出るのか。今のままでは自民党に勝ち目はないと僕には思えます。