幹事クリタのコーカイ日誌2009

[ 前日翌日最新今月 ]


 
9月22日 ● 「クレヨンしんちゃん」は永遠に。

 人気マンガの「クレヨンしんちゃん」の作者臼井儀人が亡くなっていたことが確認されました。まだ51才。実に残念で痛ましい事故でした。アニメ映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を実写化した「BALLAD 名もなき恋のうた」が公開中のタイミングだけに、余計に話題になってしまった感がありますが、こんなカタチで映画の宣伝をしてもどうかと思いますし。

 「漫画アクション」の連載は描きためてあった分までは掲載するとのこと。テレビアニメはすでに原作を離れてオリジナル脚本で放映しているので、遺族の許可を取って今後も続けていきたいということです。「サザエさん」や「ドラえもん」と同じスタイルで、これからもずっと続いていくのでしょう。

 ただ僕の感想では「クレヨンしんちゃん」と言えば白眉は劇場版アニメです。特に今回実写化された10作目「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」とその前の9作目「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」の2本に尽きます。子どもを連れていって不覚にも大人が泣く映画と名高いこの2本は、僕は後にレンタルして見たのですが、確かに見応えがあります。と言うか「オトナ帝国の逆襲」は明らかに大人を狙って作っているとしか思えません。

 「ドラえもん」も劇場版はかなりレベルが高く大人も楽しめる作品が多いですが、映画館には子どもだけでは来ないだろうから、付き添いの大人でも楽しめるようにという配慮を感じます。つまり主たるターゲットはあくまでも子どもなんですが、しんちゃんのこの2作については、メインターゲットが大人で、子どもをダシにして大人が見に来て欲しいという作り手のメッセージを感じてしまいます。

 まあこのあたりになると作者の臼井の手を離れて「クレヨンしんちゃん」が一人歩きしているのかも知れませんが、元々が青年誌での連載ですから、それはそれで臼井もアリだったのだと思います。今後は本当に作者の手を離れて、しんちゃんが一人で歩いていくことになります。寂しいかも知れませんが、永遠のキャラクターを生みだしたことは、作者冥利に尽きるのではないかとも思います。ご冥福をお祈りいたします。