幹事クリタのコーカイ日誌2008

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11月13日 ● 漢字も読めない「おバカ」首相。

 「踏襲」を何回も「ふしゅう」と読んだ麻生首相は、今度は「未曾有」を「みぞうゆう」と読んだそうです。しかもさらに演説の中で「1年のうちにこれだけ煩雑に両首脳が往来したのは日中関係史上過去に例がありません」と、「頻繁(ひんぱん)」を「煩雑(はんざつ)」とも間違えたとか。この程度のことは普通なら揚げ足取りだとも言えますが、なにせ庶民感覚を問われてインスタントラーメンの値段について見当はずれのことを言ったり、定額給付金の件であちらこちらとフラフラと迷走しているところだけに、「麻生って本当はバカ?」と疑われても仕方ありません。

 テレビでは今や「おバカ」芸人が大人気です。ジャニーズのタレントよりも羞恥心の3人の方が女子中高生に人気があるくらいですし、misonoの人気は姉の倖田來未を再逆転(歌手としてブレイクしたのはmisonoの方が先でした)しています。だからと言って、首相が彼らと同じような「おバカ」キャラになる必要はありませんし、それで人気が上がることも絶対にありません。

 アメリカでは「元祖おバカキャラ」とも言うべきブッシュ大統領が壊滅的な不人気にあえぎ、「反ブッシュ」の風に乗ってオバマが当選しました。先日も書いたようにペイリン副大統領候補の「おバカ」さがマケインの足を引っ張ったように、やはり政治家がバカでは有権者はそっぽを向きます。オバマの魅力はブッシュにはない知性と、何と言っても演説の上手さだそうです。政治家の武器は言葉ですが、とりわけアメリカの政治家は言葉に対する感覚が鋭敏で、スピーチの上手さが支持に直結します。

 日本人の感覚からすると「話がうまい奴が必ずしも有能とは限らない」と思っているところがあって、むしろ「話下手の方が信頼できる」と感じる人の方もたくさんいるでしょう。小泉純一郎のようなアジテーションが上手くて人気を得た政治家もいましたが、彼は日本の政治家としては例外中の例外で、大半の政治家は「言葉が武器」になっていません。

 麻生は演説自体は比較的上手い方だと思いますが、昔から失言癖があるように、言葉の取捨選択が滅茶苦茶です。雰囲気だけで喋っていて、的確な言葉をきちんと選び取っているとは言い難いのです。その言葉に対する鈍感さが漢字の読み間違いにつながっているのでしょう。何回も同じ間違いを繰り返すところに、その鈍感さが象徴されてしまっています。

 羞恥心らが活躍するヘキサゴンの中で、問題を正しく読めるかどうかというクイズのコーナーがあります。読めない字を無理矢理読む面白さが受けているのですが、麻生首相も一度あのコーナーに出て問題を読み上げさせてみたいものです。