幹事クリタのコーカイ日誌2008

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11月14日 ● すでにトヨタの「報復」は始まっている?

 奥田碩トヨタ相談役が「正直言ってマスコミに報復してやろうか。スポンサーでも降りてやろうかと」と言う恫喝とも取れる発言をかまして物議を醸しています。マスコミの批判に対してスポンサーを降りると恫喝すること自体が問題なのはもちろんですが、そもそもトヨタを批判したのならともかく、厚生労働省批判に対してトヨタが報復するなんて筋違いも甚だしいわけで、いくら奥田相談役が「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」の座長だとしても、かなりずれた発言だと言わざるを得ません。

 相談役の暴言をトヨタがどう受け止めているのかわかりませんが、実際に報復のためにCMをやめるなんてふざけたことをやっている余裕は今のトヨタにはないでしょう。大幅な減益の中、売れないクルマをあの手この手で売るための方策を尽くしているはずです。相談役の私憤を晴らすために勝手にスポンサーを降りたりしたら、株主総会で大荒れです。

 ただ、実際のところトヨタは広告費をかなり削減しはじめていることも間違いありません。景気が悪くなると真っ先に削られるのが3Kと言われる「交通費、交際費、広告費」です。日本一の大クライアントであるトヨタが広告費の削減を始めるとその影響はマスコミにとって極めて大きいものがあります。相談役の思惑に関わらず、実際問題として「報復」は始まっているようなものです。もっとも、だからと言ってマスコミの姿勢は変わらないだろうと思いますし、変わってはいけないのですが。