幹事クリタのコーカイ日誌2008

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8月14日 ● アテネの金メダリストしか勝てない。

 女子柔道で上野雅恵が見事に1本勝ちし、アテネからの連覇を達成しました。これで日本の金メダルは4個目。内柴、谷本、上野の柔道3個に水泳の北島ですが、その全てがアテネからの連覇で達成されたのは、偉業と言えば偉業ですが、異様と言えば異様です。

 なにせアテネの王者しか北京で王者になれないのですから、それはすなわち4年経っても日本のスポーツ界はなんら変わっていないということであり、期待できる若手がおらず、有力な選手が高齢化している証拠でもあります。

 もちろん、先日山本昌の200勝達成の時にも書きましたが、スポーツ医学の発展で選手寿命が大幅に伸び、以前なら金メダルを取ったら引退というところだったのを、今ではみんな「連覇」を目指すようになってきたという環境の変化も大きく影響しているとは思います。

 また柔道では特に顕著ですが、若手に経験を積ませるよりもメダル欲しさに実績のあるベテランに託すというような各競技団体の思惑もあることでしょう。またベテラン選手たちも、いつまでも頑張る先達がいるからこそ、それをモデルとして自分もまだやれると思うわけです。

 そういうあれやこれやが絡まって、どんどん選手寿命は伸び、五輪連覇もそれほど珍しいことではなくなってきました。もちろん、それはそれで悪いことではないのですが、しかし、新しいスターの鮮烈な登場は見ている者の心を躍らせます。これからの競技の中から、まっさらな金メダリストが現れることを期待したいと思います。