幹事クリタのコーカイ日誌2008

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1月9日 ● 1年で消えた1000万円。

 サークルの独身貴族K上くんは「小金持ち」。その彼が去年の正月から狂ったようにモノを買っていました。最初は家電製品を次々と買い込んでいたのですが、次第に「モテたい」という意欲から興味は服に移り、さらに高級なレストランにも出かけるようになり、その金の使い方はまさに「貴族」。高級ブランド服を月に数十万円分もまとめ買いする、大根でも買うような調子で50インチのプラズマテレビを注文する(しかも自分のアパートに入らないので誰も住んでいない実家に搬入)、ひとり3万円以上するレストランで食事をする、女性に高価なアクセサリーをいきなりプレゼントする。最初のうちは心配していた我々も、近頃では話を聞いても慣れっこになってしまいました。

 その財力の源は、一昨年の暮れに亡くなった両親の遺産。たださえ一流企業に勤務していて独身でお金のかかる趣味もなかったので今までも貯金が随分とあったのに、さらにいきなり推定数千万円を得たせいで、金銭感覚が麻痺してしまったようです。これまで遊んでこなかった40男は持ちつけない大金の使い道がわからないのです。

 しかし国家でも個人でもバブル経済は弾けるもの。K上くんは久しぶりに預金通帳に記入してみたところ、自分が思っていたよりも残高が激減していてビックリしたそうです。この1年で1000万円くらい浪費していたのです。もちろん、僕たちは薄々わかっていました。いろいろ話を聞いているだけで月に数十万円は使っていることは想像がつくし、僕たちに話していない分まで含めれば相当な額になることは自明です。本人は気づいていなかったと言われてこちらがビックリです。彼は工学部の大学院まで出ているのに、小学生の単純な算数もできないみたいです。

 まあ消えた1000万円と言っても、ギャンブルに使ったわけではなく大半は高い服や家電製品。自分が食べたり女性にプレゼントしたり奢ったりした分がそれなりにあっても、未だに残っているモノもたくさんあります。当分は何も買わずに過ごせるわけですから、数年分を前払いしたと思って諦めれば良いと思います。それに体はひとつしかないのですから、高級ブランド服なんてヤフオクで処分すればいくらかは回収できますし。

 もっとも、一度覚えた「消費」の快楽は、簡単には忘れられないかも。カード破産する人々もそういうものらしいですからね。