幹事クリタのコーカイ日誌2008

[ 前日翌日最新今月 ]


 
1月10日 ● 『あしたの、喜多善男』第1回。

 今回の民放連続ドラマでもっとも大人も楽しめそうなドラマがこの『あしたの、喜多善男』です。ヒューマンドラマでありながらサスペンスという異色のストーリー。原作・島田雅彦、脚本・飯田譲治、音楽・小曽根真、主題歌・山崎まさよし、演出・三宅喜重ほか。完璧なスタッフです。関西テレビ制作のドラマとしてはこれ以上ないところでしょう。

 キャストも連ドラ初出演の松田龍平を筆頭に、小西真奈美、要潤、栗山千明、生瀬勝久と期待のもてるところを揃え、主演が小日向文世!ここが意見の分かれるところだと思いますが、少なくとも第1回を見た限りでははまり役でした。情けないけどいい人を見事に演じていました。

 無駄なセリフやシーンもないし、構成も脚本も演出も良い。ドラマの中でピアノを弾いていたのは小曽根真。過去に2度彼のライブを聴きにいったことがありますが、まさかドラマに実際に出演するとはビックリです。そういうサプライズも含めて面白いドラマでした。期待通りです。

 問題というか、疑問点はただひとつ。なぜ主演が草なぎ剛じゃなくて小日向文世なのか?積極的に考えれば、先に書いたようにまさに「はまり役」だから。ジャニーズ人気に頼らずに真に大人の鑑賞に耐えるドラマを作ろうという志の高さがこのキャスティングに象徴されていると言えなくもありません。

 しかし、僕にはやはり本当は草なぎ剛主演で企画されたドラマだとしか思えないのです。実際に小日向の役を草なぎが演じていたとしても、全く違和感がないですし十分にこなせるでしょう。火曜夜10時は『いいひと。』や『僕の生きる道』から続く得意の「草なぎ枠」だし、スタッフも基本的には同じ。何より小日向と草なぎでは持ってる「数字」が違いますから。小日向では普通は企画書が局内を通らないでしょう。

 となると、ジャニーズ事務所側の要請で急遽草なぎがドタキャンしたという可能性が大です。ドタキャンの理由は今クールにSMAP主演ドラマが他に2本あることかも。TBSで稲垣吾郎が、フジで香取慎吾が主演するのに、さらに関西テレビに草なぎまで出してはSMAPで食い合ってしまいますからね。稲垣は久しぶりの主演ドラマだからバックアップしたいし、香取も野島脚本の月9だから降ろせない。となると、いつものパターンになりがちな草なぎの火曜夜10時を降ろすという話になりそうです。

 もっとも、TBSも本当は稲垣ではなく木村主演でオファーを出したのではないかなと思います。最近は1ー3月ドラマが木村のローテーションだし、日曜夜9時枠は『ビューティフルライフ』や『GOOD LUCK!!』『華麗なる一族』と「キムタク枠」ですしね。まあ木村ではなく稲垣を、という裏にどういうジャニーズ側の思惑があるのかまではわかりませんが。