幹事クリタのコーカイ日誌2008

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1月11日 ● マイノリティーが本当に勝てるのか。

 米大統領選の予備選が始まり、共和党も民主党も接戦続きでどうなるかわからない状況です。民主党は当初ヒラリー・クリントンが大本命だと考えられていたのに、オバマが急浮上。緒戦のアイオワを勝って一躍注目を集めました。そのままニューハンプシャーも勝って一気に行くか、と思われたところでヒラリーが「女の涙」を見せて見事に復活。ニューハンプシャーを取ってタイに持ち込みました。

 「初の女性大統領」か「初の黒人大統領」か、いずれにしてもこれまでのマイノリティーを代表して戦う2人だけに、どうしても注目が集まります。ブッシュの不人気を考えても、この2人の勝者が大統領に一番近いという情勢だけに、2月5日の「スーパーチューズデー」は一大イベントとして盛り上がりそうです。

 対する共和党は混戦模様ですが、一度は沈んだマケインがニューハンプシャーで勝って復活してきました。こちらは73才と高齢で、しかも生粋の軍人一家。本人もベトナム従軍経験があります。日本では嫌われそうな経歴ですが、アメリカでは大統領は軍の総指揮官でもあるだけに、軍隊や戦争がわかっている方が指導者として適任だと思われるようです。

 いくらマイノリティーに注目が集まるとは言え、いざとなるとやはり女性や黒人なんかに入れるものかとばかりに、マケインのような白人エスタブリッシュに投票してしまうのもアメリカ人。まだまだ共和党候補にも逆転の目は十分にあると思われます。

 数多の候補者から予備選でひとりずつふるいにかけて落としていき、最後に生き残った者同士がガチンコで直接対決する、その構造はまさにメジャーリーグのポストシーズンのやり方と同じです。と言うことは、総当たりのリーグ戦なら勝てるけれども、同じ相手との直接対決となると相性の悪さから負けるということもあり得るわけです。女なら勝てたのに黒人だから負けたとか、その逆とか、いずれにしてもまだまだ予断を許さない情勢なので、我々としては他国の選挙でしばらく楽しめそうです。

 最終的にはアメリカ流ジャイアニズムを発揮しない、日本を属国扱いしないできちんと対話ができる理性的な大統領が誕生して欲しいと思います。もっとも、現段階では誰がそういう資質があるのかもわからないので、誰を応援して良いのかもわかりませんけどね。