幹事クリタのコーカイ日誌2007

[ 前日翌日最新今月 ]


 
12月19日 ● 「お金」でモテるならいいじゃん。

 我らがサークルのネタ提供王K上くんは小金持ちです。しかし「お金目当てじゃなくて、運命の出会いを感じる女の子」というのが夢らしく、その「運命の出会い」を求め続けている42才独身です。残念ながら冴えない中年独身男は、せめて金でもちらつかせなければ若い女性は寄ってこないというのが現実なので、相変わらず彼の周りには小金をむしろうとする女性ばかりが集まってきているそうです。

 どこまで彼の話を信じて良いのかわかりませんが、お金目当てでも寄ってくる女性がいるだけマシだと僕は思います。だってお金目当てじゃなければ何なんだ、と言うと、女が男に寄ってくるのは「顔が良い」「頭が良い」「仕事ができる」「スポーツができる」「バンドやってる」「面白い」「有名人だ」みたいなことです。どれにしたって「金を持っている」とさして変わらない表層的なことでしかありません。

 僕は顔が良くてモテモテの男性も知っていますが、その彼いわく「顔だけで寄ってくる女はうんざりですよ、彼女たちは僕の顔しか見ていないから。顔は親がくれたもので自分の努力も能力も関係ないじゃないですか、そんなことを誉められてもちっとも嬉しくないですよ」と言っていました。顔が良い彼にしてみれば「金を持っている」からモテている男の方がまだ自分で稼いだ金で女を引き寄せているだけマシだと思えるそうです。まあ顔が若干不自由に生まれついた男どもからしたら、この彼の話も「贅沢な悩み」にしか聞こえませんけどね。

 じゃあ「金」や「顔」じゃなく「能力」が評価されていれば良いのかと言うと、それも簡単ではありません。例えばテニスコートではテニスが上手い男がモテます。だからテニスでモテたいなら腕を磨けば良いのか、というとそうではありません。どんなにテニスが上達したって上には上がいますし、上手くなるためには自分より上手い人とテニスをしないと上達しません。でもそれではいつまでたってもモテません。だからモテたいなら、自分より下手しかいないところでテニスをすれば良いのです。でもそれって、「中身」でモテたことになりますか?

 テニスに限らず「能力」というのも相対的なもので、その場では「優れている」と評価されてモテたって、場所を移せば全然大したことないよ、となります。それは自分が一番良くわかっているだけに、それでモテて喜んでいたらただの勘違い野郎です。実際、テニスの上手い男性に惹かれる女性はテニス歴が浅い初心者・初級者が多いようです。女性もテニス歴が長くなるにつれて、テニスの腕前だけでは男性を判断しなくなってきます。テニスが上手くても人間的に問題がある奴がいくらでもいますから。

 「会話が上手」とか「いつも面白いことを言って笑わせてくれる」と言うのはどうでしょう?これは一見中身でモテているように見えますが、実は単に女性にサービスを提供しているだけで「金を持っている」と大差ありません。僕は女性とお茶や食事をしながら2時間くらいなら話をつなげることができますが、それは相手の言って欲しそうなことを言ってあげているだけで、本来の「会話」ではなく自分は全然楽しくありません。言わばホストのテクニックであり、ご馳走したりプレゼントしたりしてモテているのと実態としては同じです。

 じゃあ「性格」はどうでしょう?「優しい」「誠実」なんてキーワードはよく女性から結婚相手の長所として挙げられますが、これこそ何とでも言える後付けの理由です。特定の女性に優しくすることなんて簡単で、とにかく徹底して彼女ファーストでいれば良いですし、「誠実」なんてもっと簡単で嘘をつかずに真っ正直に彼女と向き合っていれば良いのです。そして何よりも「優しい」とか「誠実」というのは、付き合ってみなければわからないことですから、最初に付き合い始めるきっかけにはなり得ません。

 結局、まず最初は「金」でも「顔」でも何でも良いのです。それはきっかけに過ぎないのですから、「お金を持っている」というK上くんの属性を十分に生かせばいいじゃん、と思います。問題は彼女たちが彼の「金」以外に目を向けてくれないことにあるのですからね。そもそも、本当に金が目当ての女性なら、そんな年収1千万円あるかないかのサラリーマンなど相手にしませんし。「金目当て」と言うなら、最低でも月100万円単位で自由になる金がないとねぇ。