幹事クリタのコーカイ日誌2007

[ 前日翌日最新今月 ]


 
12月20日 ● 最近の四川料理は辛すぎる。

 僕は坦々麺が大好きです。最初に食べたのは新入社員の時ですから、もう20数年前。まだ世の中にそれほど坦々麺が出回っていなかった時代でしたが、会社の人たちが行きつけの中華料理店の人気メニューで、僕も「こんなうまい麺は食べたことがない!」と感動したものでした。

 数年後、その店はなぜか潰れてしまいましたが、その店のスタッフが新しく開いた店が家の近くにできたので、以来ずっと通い続け、年に10回はその坦々麺を食べてきました。ところが先日久しぶりにその坦々麺を食べたところ、妙に辛くなっていたのです。見るからにスープが以前よりも赤みを増していて明らかに辛そうだなと思い、食べたら本当に以前の2割増しくらいに辛くなっていました。

 相変わらず美味いことは美味いのですが、以前のまろやかなゴマの風味が損なわれてしまっていて、辛さが舌を刺激し過ぎるのです。味のバランスが悪くなっていると僕には感じられました。

 これは最近の辛い四川料理ブームの悪しき影響を受けたのではないかと思います。最近新しくオープンする四川料理の店の坦々麺や麻婆豆腐はどこも辛さを売り物にしています。とにかく辛くて味なんかわかったもんじゃありません。挙げ句に完食すると後でお腹の調子が悪くなったりするので、半分くらい残したり。あれを本当に美味しいと思って作っているのか、料理人に問い質したいとかねがね僕は思っています。

 もちろん辛い料理が好きな人が、もっと刺激的な辛さを求めることは否定しません。昔からカレーでも辛さ10倍とか30倍なんてカレー屋がありましたし、それに挑戦するお客さんがいるのも良いでしょう。ただ一般的に言って辛すぎる料理を、通常メニューとして出すのはおかしいと思います。我々は辛いものを食べたいのではなく美味しいものを食べたいのです。いくら辛さが売りで、それで客を呼べるからと言っても、辛さで味がわからないような料理を出して平然としているのは、料理人として失格ではないでしょうか。

 普通に食べられるような坦々麺や麻婆豆腐を用意した上で、好みで辛さを客が選べるようにすれば良いだけのことだと思うのですが。それでは目立たない、話題にならないと思ってやっているのなら、そんな志の低い店に将来はないと敢えて断言しておきましょう。