幹事クリタのコーカイ日誌2007

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10月19日 ● 短期決戦ならではの投手起用。

 クライマックスシリーズのパ・リーグは日本ハムがロッテを3勝2敗で下して日本シリーズ進出。シーズン1位の貫禄を見せつけました。戦前、僕の予想では3勝2敗でロッテと考えていて、実際2勝2敗になった時点で、成瀬を温存して5戦目に起用できるロッテ有利と思いました。バレンタイン監督の采配は見事なものだと感じ入ったのですが、そこに絶対的なエースであるダルビッシュをぶつけて堂々と勝ったヒルマン監督の指揮も素晴らしいものでした。成瀬が打たれた時点で試合は決まりましたが、お互いに知略を尽くした名勝負だったと思います。

 セ・リーグは予想通りに中日が阪神を2連勝で下して巨人との第2ステージへ。ポイントは中日投手陣がいかに巨人の30発左カルテットを抑えるか、そして巨人投手陣がウッズに一発を打たせないかというところでしたが、昨夜の初戦はものの見事に中日の思惑通りにはまりました。

 何と言っても中日先発の小笠原が当たりでした。各紙の予想では山井か朝倉かというところで割れていて、僕は巨人戦に強い山井先発ではないかと思っていたのですが、そう思わせておいて左打者を並べた巨人に左腕小笠原というのは落合監督会心の采配。期待通りに小笠原が5回を谷の一発だけに抑え込んで、その間に中日が4点を取って流れを決定づけました。

 しかもそのうち2点はウッズの2ランホームランです。これなら勢いがつこうというものです。そして8回1死からの岩瀬の投入。落合監督は短期決戦ならではの先手先手の投手交代で、完璧に巨人の勢いを削いでいきました。岩瀬と上原という絶対的な抑えの切り札をもつ両チームだけに、そこまでにいかに試合の流れを掴むか、言い換えれば相手の抑えのエースをいかに使わせないかが勝負の分かれ目。それを敢えて先に切り札を出していった落合監督の勝負勘の勝利でした。

 さて、こうなると中日の投手回転が楽になります。2戦目は山井、そして3戦目に川上で、一気に3連勝が狙えます。仮にどちらかを落としても4戦目に中田、そして5戦目にもつれ込んだらもう一度小笠原です。となると、2戦目以降は朝倉を岩瀬の前のセットアッパーで起用することも可能です。

 投手陣のコマがいくら豊富でも、それを有効に使わなければ勝てません。阪神は一番の武器であるJFKをうまく使うことができずに負けました。ペナントレースとは違う短期決戦ならではの柔軟な采配を振るう落合監督の手腕に中日ファンは悲願の53年ぶりの日本一の期待を賭けます。