幹事クリタのコーカイ日誌2007

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6月11日 ● 超人ナダルの3連覇。

 いまテニス界で最もわくわくさせられる対決が実現しました。全仏オープン決勝でのロジャー・フェデラー対ラファエル・ナダルの対戦です。ご存知のようにフェデラーはテニス史上最もパーフェクトな選手であり、芝ではもちろんハードコートでも無敵。そしてナダルはテニス史上最もクレーコートで完璧なテニスをする選手であり、特にローランギャロスでは無敵。全仏以外ならフェデラーが圧倒的でも、こと全仏に限ればナダルがチャンピオンであり、フェデラーはチャレンジャーです。だからこそ、いま最も面白いのは全仏でのこの2人の対戦なのです。

 先日ハンブルグでフェデラーがナダルを破った時に僕が書いたように、フェデラーがナダルに勝つためには早い展開からの攻撃テニスをするしかありません。ポイントごとでも、また試合全体の流れとしても、フェデラーの作戦は「先手必勝」しかないのです。ナダルに考える時間を与えないテニス。ナダルの頭が真っ白になるようなテニス。そんなテニスを仕掛けない限り、パワーとスタミナに勝るナダルにじわじわと追い上げられて、最後はフェデラーが自滅させられてしまうからです。

 そして昨日の対決では実際にフェデラーは自滅しました。いつもと同じです。ナダルはフェデラーのどんなボールにも食らいつき、信じられないようなカウンターショットを放ちました。ベースラインでの打ち合いになれば、永遠にミスをしないのではないかと思われるほど確実に、しかし少しでも油断すればラケットを弾かれかねないようなパワフルなショットを打ち続けました。

 逆にフェデラーはいつもの多彩でアイデア溢れる展開の早いテニスをすることができませんでした。サービスは入らないし、ドロップショットもボレーも冴えません。ナダルに付き合うかのように果てしなく打ち合い、少々素晴らしいアングルへのショットを放っても、ナダルにいとも軽々と切り返されてしまいました。

 スコア的には6-3、4-6、6-3、6-4ですから、かなり競り合ってはいました。しかし内容はナダルの完勝です。試合の後半になればなるほどフェデラーにチャンスがあるようには思えませんでした。もしフェデラーに勝機があったとしたら、第1セットで繰り返し訪れたブレイクチャンスをものにすることだったのですが、どうしてもこの1本を取ることができませんでした。あのフェデラーがチャンスを逃し続けることなど滅多に見ることがないだけに、それだけナダルの強さというものを感じました。

 これでナダルは初出場初優勝から全仏3連覇。つまりローランギャロスでは一度たりとも負けていないのです。恐るべき強さです。まさに超人ナダルです。ナダルがいる限りフェデラーのグランドスラム達成は無理なのかと感じるくらい圧倒的です。

 もっとも2週間後に始まるウィンブルドンでは2人の立場が完全に逆転するんですけどね。フェデラーに芝のコートで勝てる人間はこの世にもあの世にも存在しません。芝でのフェデラーは超人どころか「宇宙人」ですから。


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